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Text by 小川顕太郎
2005年10月07日(Fri)

ラサーン・パターソン ライブ
音楽

 大阪ブルーノートにてラサーン・パターソンのライブ。ラサーン・パターソンと言へば、5年ほど前に出たセカンドアルバム『ラブ・イン・ステレオ』が恐ろしく素晴らしく、それ以来私の最もアルバムを待望するアーティストの一人となつてゐた人だが、今年にサードアルバム『アフター・アワーズ』が出た。これがまた地味ながらも良く作り込まれたアルバムで、前作のオーラはないけれど、やはり愛聴盤となつてゐた。そこに来日。これは! と、トモコと共にウキウキと大阪まで出掛けていつた、といふ次第である。

 少ない。あまりに客が少ない。公演は金曜日と土曜日の二日に渡つて、1日2回で計4回行はれる。我々が行つたのは、その最初の1回目であり、多分一番お客さんが少ない回だらうけど、それにしても、半分も埋まつてゐないんぢやないか。うーむ、これぢやラサーン・パターソンが可哀想だなァ、などと思つてゐたら、開演。出てきました、ラサーン・パターソン! 小さいです! キャップを被つてサングラス、フレッド・ペリーのジャージにプーマのスニーカー。腕には銀輪をジャラジャラさせて、中には多分“LIVE STRONG”の黄色い腕輪も。さすがお洒落です。が、なんかUKの黒人みたい。それより何より、一寸ラフ過ぎないか、その格好? 

 演奏が始まる。が、どうも音響が上手くいかないみたいで、コーラスの女性たちやベースの人が何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も、ミキサーの人に文句を言ふ。でも、多分最後まで改善されなかつたな。歌ふラサーン・パターソンは、スティービー・ワンダーみたい。首を振りながら熱唱するのだが…どうもノリが悪い。もしかして、やる気をなくしてゐるんぢやないか? と邪推してみたりする。だつて、“YOUMAKE LIFE SO GOOD”や“SO HOT”のやうな、明らかな盛り上がり曲をやらないし、ライブ時間も約1時間と短い。あまりにアッサリし過ぎて、なんだかライブに行つたのがウソみたいであつた。……うーん、なんかなァ、次の回の公演では、ちやんとスーツとか着て出てきて、1時間半ぐらゐファンクなライブを繰り広げるんぢやないだらうなー、と、邪推。ううむ、納得できん。これでもチケットは7800円(会員なので1000円引きで6800円だけど)なんですよ。

 チョッピリ寂しい夜であつた。

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