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2013年01月26日(Sat)

人生の特等席 セピア

明けましておめでとうございます!テラリーです!
って、もう1月も末ですが・・・
2012年、強制起訴セピアとして強制起訴映画にコメントを付けるべく映画を観にいっておりましたが、まったくコメントが書けない!書いてもろくなことがない!しかし、書かずにはOPALの敷居を跨ぐことができない!と苦しい思いをしておりました。このままではいけないと、OPALで受けた教えを私は思い出しました。苦しいと感じることがあれば、もっと苦しい場面に自分を追い込むのだ!とい。じゃあ、昨年中盤よりセピアとして輝かしい活動をされております、ウノピさんを巻き込み、コメントではなく対談をしてしまおう!という今回の試みです。

テーマに選んだのは「人生の特等席」 。2002年「ブラッド・ワーク」以降、全てのイーストウッド作品にプロデューサー、エグゼクティブ・プロデューサーとして関与してきたロバート・ロレンツが、イーストウッドを主演にすえてとった作品。野球スカウトマンとして伝説的存在だが最近視力に問題が出てきた主人公が大型新人のスカウト調査の旅にでる。折しも、球団は数値で表されるデータによってスカウトすべきだと主張する者と、主人公の眼力を信頼すべきだと主張する者が対立。その話をきいた主人公の娘は父親とのわだかまりを抱えつつも調査の旅に同行する。

テラリー
私のわがままにお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
ウノピ
ホンマやわ!この多忙な時期に何をさせんねん!毎回レビューにコメントしいや。ほんまダサいで!
テラリー
いやー、すいません!ウノピさんなら助けて下さると信じておりました!コメントも頑張ります!では早速、いかがでしたかこの映画?
ウノピ
ホントに良い映画やったね!俺は何の予備知識も無しにイーストウッドが出るってだけで見に行ったから、イーストウッドが監督してると思って見てたよ。イーストウッドにしては、思いっきりストレートな映画やなー、って思ってたら、エンドロールで監督イーストウッドちゃうんかい!って。。。
ストーリーは荒削りやねんけど、そんなことええやろ!って思わせる映像。力強さが満ちあふれてる。
いやー、好きやわー。
テラリー
僕は予告編を観てましたし、監督違うこともわかってみております。
すごくすっきりした映画でしたね、それぞれの場面が結構あっさりしてる印象でしたし、すごくベタというか解りやすいストーリーでしたけどそこが良かったです!
"Trouble with the Curve" って原題は最初意味がわからなかったのですが、観終っわてみたら、すっきりしたタイトルでしたし。ガスが車で事故るのもカーブとの合流でしたしね。
ウノピ
この作品、野球を知らなくても楽しめるけど、野球が好きだとより楽しい作品だと思う。
テラリー
すいません、野球知識がほぼゼロです。どんなところがですか?
ウノピ
例えば、野球を知ってると、高校生強打者(ボー)がカーブを打つことが出来ないってのが、先にわかるシーンがあるってとこ!
スカウトが見に来ている中、ボーの前の選手に打順が回ってきた時にボーが「絶対に塁に出ろよ」と打者に言う。そして打者はデッド・ボールで出塁する。ボーが「絶対に塁に出ろよ」と言ったのは、一塁にランナーがいると、投手は盗塁を恐れてストレートを投げる確率が高くなるから。そしてボーはストレートをスタンドに放り込む。このシーンを見て、ボーは変化球が苦手やねんなって分かる。
他にも、話の中でプホルスが出てきたりA・ロッドが出てきたりする。名前を聞くだけでワクワクする。アルバート・プホルズ(ロサンゼルス・エンゼルス)は2001年のデビューから2010年までの10年間連続で、打率3割、本塁打30本、100打点を記録したメジャー最強打者の一人。アレックス・ロドリゲス(ニューヨーク・ヤンキース)は2012年シーズン終了時点での通算成績が、647本塁打、2901安打、1950打点とこちらもメジャー最強打者。どうでもいいかね。。。
テラリー
なるほど!まったくわかりませんでした。単純に2アウトだったからだと考えてました(笑)
ウノピ
テラリー、全然アカンで。
野球のスカウトが主人公なことから、この作品は「マネー・ボール」と比較されることが多いね。
ガスはアトランタ・ブレーブスのスカウトマン。自分の目を信じてスカウトを長年行ってきた。「マネー・ボール」はオークランド・アスレチックスの話で、選手の成績を数値解析して統計的に評価する「セイバーメトリクス」が題材になってたけど、野球の側面から見ると「人生の特等席」は「マネー・ボール」のアンチテーゼのような作品やったね。
ちなみにアスレチックスの本拠地があるオークランドはラファエル・サディークの出身地やから、オパール関係者は覚えとかなあかんぞ。あとタワー・オブ・パワーな!
それとダーティー・ハリーでキャラハンが犯人を追いつめるスタジアム。あれ、オークランド・レイダーズのスタジアムやからね。
オークランドの話はこのへんにしとこ。
テラリー
「マネー・ボール」との関係は僕も気になって調べてみたんですが、「マネーボール」の北米公開が2011年9月で、「人生の特等席」の情報を最初にメディアが報じたのは10月、となれば「マネーボール」に触発されて制作された可能性も大いに考えられます。興行成績は「マネーボール」に及ばなかったようですが、僕は「人生の特等席」推しです。数値で測れないもの、数値を測っていない部分が影響すること(スランプの新人に親を呼んであげるとこで表された)、そしてこの人は変わるのか変わらないのかを、見極められるのは人の目だけだと思ってますから。
この話の中で主人公も、娘も変化してます。ガスには目に変化が訪れ、自分以外の存在(特にミッキー)に対して目を向ける時間が増えます。ミッキーはジョニーとの出会いで他者との関わり方を強く意識するようになります、今までは壁を作ってしまって一歩踏み出すことができなかったんだなと。そして、最後のスカウトの結果と、ガスのミッキーに対する告白で二人の関係も変化します。悲しみにくれてバスに乗るシーンと最後の喜んでバスに乗るシーンが、変化を象徴しているのかなと思いました。さまざまな数値では測ることができないものの影響が二人の関係も内面も大きく変えていますが、この様な予測は機械ではできないのではないでしょうか。
ウノピ
俺も「人生の特等席」の方が良かったけど、まあ二つの映画で比較出来るのは野球のスカウトとしての方法論という側面やからね。
ところでガスの目は映画が始まった時から悪かったぞ。それを友人のスカウトが気づいてミッキーに知らせる。ガスの方から歩み寄ったのじゃなくて、ミッキーが心配してガスに近づいた。そして2人の時間が出来たんとちゃうかったっけ?
ミッキーの人との関わり方が変わったというより、ジョニーのことが単純に好きになったんとちゃうかな。
弁護士の男に言い寄られてたけど、どうも煮え切らん感じやったやん。
バーでミッキーとジョニーが野球の問題を出し合ってる場面、あれは良かったね。野球を前にして無邪気になる2人。自分の信じている物の一致。ミッキーは野球を心の拠り所としてたと思うんよ。捨てられたと思っていた父親と唯一繋がっていられると思えるものが野球。
父親に振り返って欲しくて猛勉強して弁護士になったものの、心のどこかで野球に携わりたかったんとちゃうかな。あー、俺も野球クイズがしたい!
テラリー
ガスの目が見えにくくなったのはまさに冒頭ですから、まさに変化した所からはじまったんですよ。ミッキーは常に歩み寄ってたんだと思います、でもガスがそれを受け入れなかった、それが目の問題で受け入れる準備ってか状態になったんだと思います。ミッキーとジョニーとの会話にも壁をつくってしまうってのがありましたし、そもそもそんな関わり方しかできなかったから付き合うこともできなかったんでしょう。
劇中のミッキーの野球知識は父親への愛情の表れですよね。父親に認められたい、振り向いてほしいという心が随所にちりばめられていいました。
ウノピ
ミッキー役のミッキー・アダムスがいいよな。なんか江戸っ子みたいでさ。色々とあったけど、結局父親のことが大好きで仕方が無いってのが伝わってくる。
しかも野球愛に溢れてる。惚れるわー。
テラリー
じつはミッキーにはそんなに魅力を感じなかったんですよ。なんだか素直すぎやしませんか?って気になってしまいました。激しく喧嘩した翌日に素直に父親の指示に従っちゃうところとか、過去の出来事で父親に認められたいって気持ちがあるにせよ、少し違和感を覚えました。
ウノピ
そうなんや。俺はミッキー好きやね!俺がこの作品で一番印象に残ってるのが、ガスがミッキーを見る視線の優しさ。ここまで微笑ましい顔をしたイーストウッドを見るのって初めてちゃうかな。すごいリラックスした、いい目をしてんのよ。そこがたまんなくてね。自分の弟子の初監督作品で嬉しいってのもあったんかな。
テラリー
いやいやグラン・トリノの時にタオを見つめていた時の目も素晴らしく優しかったですよ!
しかし、ガス役がイーストウッドだったからこそこの作品は素晴らしいんだと、僕も思います。
とがっていつつも、優しい。素晴らしく渋い!
ウノピ
ガスが投げたボールをミッキーが打ち返すシーンも良かったよね!しかも特大の当たり。ベタやけどグッときた。父親に引導を渡してんのよね。ミッキーはガスとどさ回りしてるうちに、この地点で自分がスカウトを引き継ぐ決心をしとったんとちゃうかな。
テラリー
おー、引導ですか。僕は、引導は言いすぎではないかと思います。このシーンはミッキーが、ガスが頼ってもいいほどに大人になったことを表しているんだと思いました。なんかあったんやったら、私もこんなに大人になったんやから頼ってやって意思表示かと。
ウノピ
でもな、ホームランを打つ場面では、ミッキーはガスに引退してもらいたいって思ってたと思うよ。それからボーのカーブの件があってミッキーは「ガスはまだやれる、補佐しよう」って思ったんとちゃうかな。
それ以上に良かったんが、ガスとミッキーがダイナーで本音を話す場面。
ミッキーの苦悩が痛い程伝わってきた。それに最愛の妻を亡くし父親一人でどうして娘を育てて良いのか分からないガスの苦悩。それがぶつかり合っていい場面だったよ。
テラリー
父親に自ら歩みよって拒絶されてしまった娘と、歩み寄ってくれた娘を拒絶してしまう父親の悲しみと苛立ちが静かに表現されてましたよね。イーストウッドの怒りは静かで熱いですよね。こんな風に怒りを出せるようになりたい!
ウノピ
あれ拒絶か?テラリー言うてること、ようわからんわ。
テラリー
拒絶でしょう。ガスは自分のことを父親の資格がない人間だと思ってますから。
その裏返しがスカウトした選手への接し方に表れてるのかと思います。
ウノピ
ガスのスカウトの仕方には人間性が出てるよね。
ガスは自分がスカウトした選手の面倒を出来るだけ見るやん。調子の出ない選手の調子を出させようと、母親を故郷から呼んだり。たぶん一人の人間として認められる選手をスカウトしてんねん。
だからボーがスカウトされなかったのは、カーブが打てなかったというよりも、ボーの人間性に問題があると感じたからやないかな。
ジョニーもガスがスカウトした選手。肩を壊したのと、不利なトレードで選手生活を終える。
トレードに関してガスは申し訳ないと思っている。で、やっぱりガスはジョニーを人間として認めてるのよね。ジョニーはレッド・ソックスのスカウトなんやし、ライバルチームのスカウトに情報を教えるなんて普通はありえないからね。
しかもミッキーとええ感じになってる。それを見守るガス。信頼してるよね!
テラリー
まさにその通りだと思います!
ガスのスカウトした選手への献身というか、面倒見のよさは、ミッキーに対する贖罪の意識なのか、親代わりとして面倒をみているところがありますよね。短期的な数値だけで判断することにも反発しますし、態度のよくない子供はスカウトする気にならない。引退したり、他球団にいったりしても子供は子供。できるだけのことはしてあげるし、いつでも力になるって感じがにじみ出てましたよね。
ウノピ
んー、贖罪みたいなそんなややこしいこととちゃうんと違うかな。ガスは単に野球が好きで、野球が好きな選手のことがまた好きってだけやと思うねんけど。
あー、終電の時間が近づいてきたわ。あと、言いたかったことは。。。
そうそう、イーストウッドファンにはたまらん場面が映画の最後にあったよな。ミッキーが携帯をゴミ箱に捨てる場面。あれ、ダーティー・ハリーでキャラハンが警察バッジを捨てるのをオマージュしてる。
監督のロバート・ロレンツがイーストウッドを尊敬してるのが分かって、嬉しくなったわ。
テラリー
そもそも、途中でいきなりハリー・キャラハンが出てくるのにはビックリしました!
最後のハッピーエンドはピーナッツやモーテルにチェックインする時の伏線があったとはいえ、できすぎだとは思いますが 、そこも含めてベタなのがやっぱり良かったと思います。
ウノピ
ピーナッツの場面ね。俺はね、モーテルの子供がピーナッツの売り子で、ピーナッツをボーに投げる。
ラストではモーテルがボーにカーブを投げて打ち取るってとこが、なんとなく西部劇っぽいなって思ったりしたんよ。あくまでなんとなくやけどね。そんな骨太なところも大好きやね。理屈考えたらしょうもないわ。
ほなテラリー、時間がきたから帰りますわ。
今後はセピアとしての義務を全うするように!たのむで。
ほなな。
テラリー
わかりました!
それでは気をつけて・・・ってここの支払いは?

2012年12月末 新宿ガード下の居酒屋にて

Comments

投稿者 マツヤマ : 2013年01月26日 23:02

セピア対談開幕おめでとう。
ご祝儀コメントで褒めまくろうかなと思ったけど、それでは面白くないので、少しだけ。

枕も含めてセンテンスが長えよな。互いに居酒屋で主張しあったのは分かるけど、文字起こしの段階でもっとタイトにするか、小分けしてくれよ。

引導〜拒絶〜贖罪の論争は面白くて、それだけで1本書けそうだけど、すべて宙に浮いた感じだね。それぞれ違う解釈なのはいいけど、結論出したのか、それとも互いの主張を認めあったのか分からないまま、話題が移っていくのは残念だなあ。
ちなみにオレはどれもそんなに深く見てなかったけどね。

と、まあ今回はこのくらいにしとくよ。
ワンシーズンに1回はやってくれよな。
春の回楽しみにしてまーす!
テラリーもベスト10上げてね。

投稿者 テラリー : 2013年01月27日 00:05

マツヤマさんありがとうございます!
文章の長さはウノピさんも指摘されてました、僕が処理できなかったんです。精進します!皆様のご苦労を痛感いたしました。
ご指摘いただいた部分は平行線をたどった部分でして、それがあって良かったと思いつつ、消化不良です。
ベストテン少々お待ちください。ありがとうございます!

投稿者 元店主 : 2013年01月29日 02:57

まぁ、マツヤマさんが言ってる事につきるんだけど・・・。

はっきり言って、ちっともまとまってないんだよね。なんかお互いの主張を交互に切り貼りしただけ、という感じ。せっかく対立点が何個かあるんだから、もうちっとそこを深めた方がいいと思うぞ。そうしないと対談してる意味がないでしょ。
例えば、“引導”でも“拒絶”でも”贖罪”でも、なんで自分はそう思い、相手はそう思わないのか。その原因をある程度考えてから書いた方がいいと思う。ってか、そういう作業が不可欠だと思います。

次回は頑張って下さい。

投稿者 テラリー : 2013年02月25日 11:07

遅くなりました。申し訳ありません。
対談をする意味、確かに見失っておりました。相手を説得しよう、なぜ異なるのか理解しようとする作業欠落しております。
反省します!

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