アトミックブロンド [強制起訴シリーズ]
起訴者: マツヤマ
強制起訴シリーズ83弾
時は1989年。ベルリンの壁が崩壊する前後のお話。英国の凄腕スパイであるロレーン(シャーリーズセロン)は、流出した世界各国のスパイの身元が書かれたリストを奪取するためベルリンに送り込まれる。そこで、現地在住の英国スパイ要員パーシヴァル(ジェームズマカボイ)と協力して事にあたるはずが…彼が全く信用できない。他にも続々と信用できるのかどうか分からない人間が現れて、騙し騙され、様々な災難が彼女の上に降りかかる!果たして事の成り行きはどうかるのか?
制作はいま最も熱いアクションスタジオ会社“87イレブン”。監督は『ジョン・ウィック』をチャドと協同監督したデヴィッドリーチ。シャーリーズセロン自身のプロデュースで届けるスタイリッシュアクションムービー!
- ヤマネ
- 凄い!…と思える所もあるんだけど、全体的には纏りに欠けてて、なんか…な印象ですね!
- マツヤマ
- 見始めは、おもしろいかも、と思ったんだが、どうにもノれない。最後までグッとくる所もなく、いきそでいかないまま終わった感じか。一言で評価するのが難しい作品なんだが…敢えて言えば「ダサい」かな。
- 元店主
- 思いっきり一言で切り捨ててますね。…まぁ、微妙な作品ですよね。この作品、評価するとしたら、題名から言っても音楽のチョイスから言っても、「ダサカッコイイ」だと思うんです。実際に『ブルーマンデイ』から始まって『キャットピープル』に至る音楽の流れは、ダサ過ぎてカッコよ過ぎて、もう思わず吹き出しましたもん。このままいけば傑作かも、と思ったんですが…どうにも中途半端。もしかして製作陣はこの作品の事を「ダサカッコイイ」ではなく、単に「カッコイイ」作品として作ったのかも…それならあかんわー。
- ヤマネ
- デヴィッドリーチ監督は、次に『デッドプール 2』を撮る予定ですからね、この勘違いぶりではちょっと心配です。でも、シャーリーズセロンがかなり仕切ったっぽいので、彼女のセンスのせいかもしれないですけど。
- マツヤマ
- シャーリーズセロンは良かったけどな。終始カッコよかった。唐突なレズシーンも良かったよ。シャーリーズセロンは、抱かれるより抱くタイプだからな。小柄なソフィアブテラとのバランスもいい。これはオレの持論なんだが、同性愛のラブシーンは、お互いどこに惹かれ合ってるのかよく分からないぐらいがいいと思うんだ。『GONIN』のビートたけしと木村一八みたいにな。
- ヤマネ
- なんか謎の持論ですねー。ボクもセロンはカッチョいいと思いました!特にアクションシーンが凄くて、映画における女性のアクションをネクストレベルに進めたと思います。 ダンス的な美しさではなく、ガチの迫力。凄い。ラストの7分間の壮絶アクションシーンだけで、観る価値のある映画ですね!でも…それが自分の観たいものかと言うと、ちょっと違うような気も。大体ボク、女子スポーツとかもあまり見ないんです。やっぱガチの身体的闘いは男同士の方が観てて気持ちいい。女性のガチの闘いはちょっと…。これは完全にボクの趣味嗜好なんでしょうけどー。
- 元店主
- あー、ヤマネくん、危ないよー。PCポリスがやってくるよー。PCポリスは政治的に正しくない個人の趣味嗜好なんて認めないからねー。
- ヤマネ
- えぇー、ドキドキ。そんな、さっきのマツヤマさんの持論はどうなんですかー。あれもPC的にやばいんじゃないんですかー。
- マツヤマ
- オレはアンチPCだから関係ないの。
- 元店主
- まぁ、映画にPC持ち込むのは愚の骨頂ですから。この鼎談はそんなのと無縁でいきましょう。…というわけで、いくらでも女性差別的な発言してもいいよ、ヤマネくん!
- ヤマネ
- 煽ってるわ、この人…(T ^ T)
- 元店主
- 私もアクションシーンはいいと思いましたよ。しかし…我々はすでに『ジョンウィック 2』という傑作を観てしまっているのです。同じ87イレブン制作…ていうか、『ジョンウィック』を撮ったチャドとデヴィッドが、それぞれ単独でほぼ同時期に撮ったのが『ジョンウィック 2』と『アトミックブロンド』な訳です。どうしたって較べてしまう。基本、アクションシーンの感じとか似てるし。で、較べると…『ジョンウィック 2』の圧勝。う~む…。
- マツヤマ
- オレは『ジョンウィック 2』を観てないからな。単純にアクションはいいと思ったよ。今の絶対に骨折れてるだろ?ていう痛いアクション満載で、ドM的にはバッチリなんじゃない。オレは…普通のMだから。ただ、アクションのパターンがワンパで、途中で飽きたけどな。
- 元店主
- そもそもお話がおもしろくないですよね。騙し騙されで、誰が味方で誰が敵なのかわからない、真相もはっきりとわからない…でも、それがどうしたの?って感じでしょ。ラストのオチも…それで?ってなもんで。意外性も爽快感もない。それは小手先でストーリーを弄ってるからだと思うんです。全てが予定調和、というか。
- ヤマネ
- 結局、誰にも感情移入できない、ってのが問題なんじゃないですかねー。騙し騙されの展開では誰か応援する人が居ないとノれないですよー。
- マツヤマ
- 回想形式、というのはオレの好きなパターンなんだけどな。だからそこらは割と良かったんだが…いまひとつ上手く使えてない。それにずっとシリアスな感じだったのに、ラストのオチだけ軽くてポップというのも、バランス悪いよ。いや、全体にバランスの悪い作品だったな。
- 元店主
- なんか貶してばかりみたいになってきましたが…とはいえ、それなりに楽しんでは観たんですよ。ヴィジュアルとかなかなかカッコイイし、やはり音楽がねぇ…笑える。フロックオブシーガルズとかティルチューズデーとか。どんだけ懐かしいねんw
- ヤマネ
- ネーナですよね、ネーナ!
- マツヤマ
- それは分かりやす過ぎ。オレも音楽はなかなか良いと思ったよ。でもなぁ…メリハリがないんだよ。『ベイビードライバー』ぐらい上手くやってほしかったな。
- ヤマネ
- …あのー、『ジョンウィック 2』とか『ベイビードライバー』とか、そんな特大級の作品持ち出してそれと較べて貶すのヤバいと思いますよー。そんな事ばっかり言ってたら、セロン姉さんにしばかれますよ!
- 元店主
- あわわ、それは勘弁。…じゃ、そろそろ11月の課題映画を…ええと、ヤマネくん?
- ヤマネ
- はい!11月は『GODZILLA 怪獣惑星 』です!
- マツヤマ
- 出た!アニメかよ…。
- 元店主
- まぁまぁ。去年の『シン・ゴジラ』に続き、今年最注目の邦画ではありますからね。これ、声優陣が素晴らしいんだよなぁ…。
- マツヤマ
- 知るかよ!
- ヤマネ
- はーい、ではまた次回。ガッジィラー。
Comments
投稿者 オーソン : 2017年11月12日 23:45
セロン姉さん、格好よかったです~。
終盤の階段での長回し戦闘シーン、見応えがありました。
戦闘シーンは打撃中心でスタイリッシュさより、しつこさ優先って感じで、これがセロン姉さんに案外あっていたように思います。セロン姉さんの打撃は重みがあって痛そうでした…。
話運びは…まあ、上手いとはいえないと感じました。単純にわかりづらいし、複雑な状況を判らないなりに楽しむタイプの映画にもなりきれていないし…。
でも、セロン姉さんが格好良かったのでOKです!
あと、話の筋には関係ないけど映画館で上映してた「ストーカー」に、けっこう観客が入っていたのが面白かったです。タルコフスキーのリバイバル上映に、こんなにお客さん入るのかな?
投稿者 uno : 2017年11月15日 22:07
私はすごく楽しみました。
シャーリーズ・セロン姐さんが大暴れってだけでドキドキ。。。かっこよすぎです!
ジョン・ウィックのチームが制作したのは後から知りました。アクションの人間の重みがジョン・ウィックっぽいなと思いながら、うわースゲエ!と驚嘆。シャーリーズ・セロンが殺し屋を投げる、どつく、蹴る。もう堪らなかったです。
音楽やファッションに関してはダサカッコイイ(に踏みとどまってる)と思いました。
ポスターが良かったですね。劇場で最初に見かけたとき、デボラ・ハリーみたい!と映画に対する期待が高まりました。
物語のプロットはいいと思ったのですが、もっと上手く見せて欲しかったなあ。そう複雑でもない内容に訳が分からなくなったりして。。。気持ち良く騙されたかった。
一番グッときたアクションはビルの階段での闘い。ワインのコルク抜きを使って闘ってましたが、ジョン・ウィックの鉛筆か!相手も素晴らしく、まさに死闘。
てなわけでシャーリーズ・セロンの魅力に身を委ねる至福の時間でした♪
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