2017年★オパール映画ベスト10 【その3】 [ベストテン]
- 元店主
- はい、ではヤマネくんもゲロって楽になったところで、ほかの作品にも触れてみましょうか。
- マツヤマ
- 「カンフー・ヨガ」なんかどうだ、 ヤマネ君はジャッキー・チェン好きだからぜんぶ観てんだろ?
- ヤマネ
- ちょ、ちょっと待て! ボクがいつジャッキー・チェンが好きだと言いましたか? べ、べつに嫌いじゃないけど、大人になってからはそんなに観てませんよ。もちろん「カンフー・ヨガ」なんてぜんぜん興味なかったし。まったく、マツヤマさんこそフェイクニュース流して…ゴニョゴニョ(その2を引きずってる)…
- マツヤマ
- あ、そうだった? なんか、イメージだよな。
- ヤマネ
- イメージで勝手に決めないでください。もちろんイメージ通り大好きですけど!しかし、なんでマツヤマさんが「カンフー・ヨガ」なんて観に行ってんですか?
- マツヤマ
- あ、息子がね、ジャッキー好きだからさ。「ベスト・キッド」何回も観て、6月から少林寺習い始めたんだよ。で、まぁ一緒に観に行って、2人で大興奮してさ。いや、映画としては習主席の政策を讃美して国策っぽいところもあるし、それ以前に矛盾だらけ穴だらけでツッコミどころ満載なんだけど、ジャッキーはあの歳になっても子供の心を惹き付ける魅力があるんだなぁって感心しちゃったんだよ。
- 元店主
- それは大切な事ですね。我々の世代は誰だって子供の頃に酔拳や蛇拳を練習したと思うんですが…
- ヤマネ
- ボクはやってません!ジャッキーは好きでしたけど。
- マツヤマ
- 同じく!息子は少林寺習ってるけどな。そもそも酔拳とかあり得んだろ。
- 元店主
- 二人とも、リアリストですね…。
- マツヤマ
- ケンタロウさんが厨二過ぎるんだよ。まさかアニメとか観て、ホントに魔法とか練習してるんじゃないだろうな?
- 元店主
- ……、いや、まあ…、闇の炎に抱かれて消えろー‼️🔥‼️
- ヤマネ
- ああー、はいはい。マツヤマさんしか観てない「カンフー・ヨガ」のおはなしはここまでとして「ハクソーリッジ」いきましょう。
- マツヤマ
- うあー! またまたオレの観てないシリーズかぁ! 観たかったー! …はぁ、くそー!
- 元店主
- それが言いたかったんですね…。
- ヤマネ
- もちろん「ハクソーリッジ」は2017年のマイベスト映画です!
- マツヤマ
- ベストの有り難みがなくなってるよな。
- ヤマネ
- ベストなんて数秒後には入れ替わっていきますからね。それにしても、メル・ギブソンは、映画を撮るのが天才的にうまいですよ。戦争や暴力はだめだな、としっかり思える上に人間のもつ暴力性への自覚も促してくれるし。おそるべし。
- 元店主
- 凄く手際が鮮やかで、必要な説明も演出も押さえるところをきっちり押さえてるよね。エンタメ演出として完璧だと思うわ。
- ヤマネ
- 少年時代の岩登りのシーンとかねー。後半のハクソーリッジでのアップダウンを予感させる上下移動のシークエンスとか、退役軍人で心が壊れた父親と母親との葛藤、兵役志願すると泣き崩れる父親といった、言葉にすると全然面白くないはずの生い立ちとかが、めちゃくちゃ面白かった。この映画、前半が退屈で、後半の戦闘シーンはプライベートライアンを超えた、とか言う人がいますが、全く逆。前半こそが素晴らし過ぎる!これは、結局映画がうまいとしか言いようがないでしょう。
- 元店主
- 確かに。戦場に出るまえのブートキャンプの場面も異常に面白いし、良心的兵役拒否者の軍法会議の展開は感動的だし。まだ映画は半分の段階だけど、ここで終わってもいいかも、とさえ思った。でもその後の戦闘シーンは、これら前半の展開が全て効いてきて…もの凄いことになってる。それからこれ、主役のアンドリュー・ガーフィールドはスコセッシの『沈黙』でも主役で、キリシタンの役をやってたでしょ。『沈黙』ではいくら祈っても神の声は聞こえないんだけど、こちらは聞こえるの!
- ヤマネ
- 衛生兵ー!…ってやつですね」
- 元店主
- そう。さすがメルギブ、と燃えたわ。
- マツヤマ
- 『沈黙』でいうとさ、あの窪塚クンはけっこう共感を呼んだと思うんだけど、オレが興味深かったのは「かたちだけでよい」からと踏み絵を迫るところ。何よりも自分の命が大事という根本的なことが、どんな残酷なことをやってもキリシタンに通じない苛立ちがひしひしと伝わってきてね、お役所も大変だわ、ってね。
- ヤマネ
- マツヤマさんも拷問してみたかったと?
- マツヤマ
- 思ってないっ! オレは映画の拷問のシーンだって怖くて目ぇ開けて観れないんだぞ。
- ヤマネ
- 拷問といえば「密偵」も激しかったですねぇ。
- 元店主
- わー、拷問ですかぁ。『密偵』は惜しくも見逃したんですけど、そうですか、拷問シーン凄いんですか…。
- マツヤマ
- 「お嬢さん」ほどではないけど「密偵」も良かったよ。
- ヤマネ
- ボクもベスト10入れようか迷ったんですけどね・・・「お嬢さん」を優先させました。韓国映画では「密偵」が「アシュラ」や「コクソン」や「新感染」などより好きでしたから。凄くドラマがしっかりしてますもんね。
- マツヤマ
- 冒頭で大勢の警察隊が屋根の上をダダダーって駆けるとこなんて、ちょっと前の日本映画でもああやって手間暇かけてやってたはずなんだけど今はどうなんだろ?とか思ったり。あとハン・ジミンはたぶん子役のとき以来見てなかったけどずいぶんキレイになったなぁ。衣装も良いと思ったら「お嬢さん」と同じデザイナーなんだよね。
- ヤマネ
- 「梟の城」とか、大勢で屋根の上走っていたような‥曖昧な記憶が。まあ、ちゃんと時間や検討を重ねてしっかり撮影されてるのが一発でわかりますよ。あとは…っと。誰も「ブレードランナー」や「メッセージ」や「スターウォーズ」に触れませんが、なかなか好きでしたよ。
- マツヤマ
- さらっと3つ並べてるけど一緒にするか普通。
- ヤマネ
- はは。取り敢えず「ドリーム」と「ギフテッド」が誰にでもおすすめ出来る傑作なので、皆さんにバチグンにオススメしておきますね! ありきたりなテーマなんだけど、黒人差別や、天才差別について、よくわかったような気に少しなれるし、勇気が湧いてきて心があたたまりますからね。「ドリーム」を去年の最高傑作としている人も多いことでしょう。僕もそうです! てへ。「ギフテッド」も天才の娘を持つ保護者の葛藤を見ると、我が娘に重ねてしまって…、いや、天才のくだりは重ならないんですけど、感動ものでした。…あああ、話す映画全てが最高傑作になってしまうなあ! これだと「本年度アカデミー賞最有力!」「モンドセレクション金賞!!」となんら変わらないっすね。
- マツヤマ
- まあ、どれだけ熱く語ったところで、読者には冷めてお届けされるからな。絶賛が溢れている世の中だし。…あと、オレ的には『パッセンジャー』が印象深かったな。「ミッション8ミニッツ」みたいな最後にしみじみとさせられるようなSFはいいよな。2人のキャスティングもバッチリだったし。そういえばダンカン・ジョーンズの新作なかったっけ?
- 元店主
- 「Mute」ですね。あれはNerflix配信ですよ。
- マツヤマ
- うわぁ、最近はそんなんばっかだ。オレはネット環境が良くないから、ネット配信だとなかなか観られないんだよねー。
- ヤマネ
- …そろそろぶっちゃけていいですか。
- マツヤマ
- ここにいたってまだぶっちゃけてなかった言うか?
- ヤマネ
- 最後にきてなんなんですけどね。2017年のベスト映画には入れられなかったのですがね、年始に観てしまったから仕方がない。本来なら2017年ベストはインド映画「バーフバリ 王の凱旋」なのですよ!年末公開だけど、今年2018年のベストに決まりました。今僕がもしころっと死んでしまったら、「バーフバリ!バーフバリ!」が遺言になってしまいそうです!
- 元店主
- ツイッターでも「バーフバリ」のことをつぶやいている人みんな「バーフバリ!バーフバリ!」しか言ってないもんね。
- ヤマネ
- どんだけ強いんだバーフバリ。かっこよすぎだバーフバリ。バーフバリ最高! 最高ついでに映画じゃないけど、2017年最高のエンタメは「ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド」でした! ああ、これについてはショウヘイと語りつくしたけどまだ足りない!
- ショウヘイ
- …あとで屋上な。
- マツヤマ
- 今年もまた良質な韓国映画が多そうだな。今いちばん観たいのは「コンフィデンシャル」だな。主役のヒョンビンは兵役除隊後2作目だけど、前作は時代劇だったから、ファン以外の日本人にはこっちの方が取っ付きやすいだろうね。
- ヤマネ
- 基本的に韓国映画は観たら疲れるし、暴力もえぐいし、マツヤマさんのように楽しみじゃないなあ。見たらそこそこ面白いのが多いんですけど。ピクサーの映画とかも同じで、どれもこれも前段階では全然観たくならない。車が主人公か…とか。今度は脳みそが主役か‥。とか予告だけみても気持ちがのってこないんですけどね、思い切ってぶつかっていくと、いつも予想以上に面白いんですわ。なんでしょう、このいつもこれは面白くなさそうって考えてしまう病気。
- マツヤマ
- あとは4月に来るソン・ガンホ主演の「タクシー運転手」も楽しみだ。監督はキム・ギドクの助監督やってたチャン・フンで、光州事件を扱った作品だから、いわゆる抗日系の映画ではない。今年はそっち系は少ないのかな?
- ヤマネ
- 個人的にはデルトロの「シェイプ・オブ・ウォーター」とか、つまんなさそうだけど、きっと面白いんだぞ、と予想しています。あともちろんイーストウッドの「15時17分 パリ行き」で、実際の事件をすべて当事者に演じさせたという超新しい試みが楽しみすぎます。あ、ウェス・アンダーソンの「犬が島」、スピルバーグの怪しい一本「レディ・プレーヤー1」など大作も目白押しじゃないですか。
- 元店主
- 私は…やっぱアニメですかねぇ。最大の楽しみは山田尚子の新作、『リズと青い鳥』。もう、傑作の予感しかしない。映画とは呼び難いですが『ガルパン』の最終章も超楽しみ!すでに観ちゃったんですけど、『中二病でも恋がしたい! Take On Me』も傑作でした。あとは岡田麿里の初監督作もあるし、アニゴジの続きも観なくちゃならないし…、でも今一番楽しみにしてるのは『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE 』です!
- マツヤマ
- なんか、ますますケンタロウさんとは離れていく気がするな…。でも今年は忙しくて、好みの映画すら観られるかどうか、って感じなんだが、ヤマネ君は忙しくても時間やり繰りして、いろいろ観てるよねぇ。元店主も今年から週休二日制になるから、今まで以上に観れるんじゃないのか?
- 元店主
- そうでもないですよ。休みって言っても、店には出て仕込みやってますから。
- マツヤマ
- ・・・オレの場合も定休日にも店に行っていろいろ作ったり、やることなくても、なんだか店に行かないと落ち着かなくて、とりあえず行くことが多いし、観るとしたら早朝からやってる映画ばっかり。でも今年はワークショップも増やしたいから、かなり難しくなるね。
- 元店主
- マツヤマさん、完全にワーカホリックですよ。
- マツヤマ
- まぁ、そうなんだけどね。でも長い休みとるなんて無理だしさ、そもそも外国で長期間過ごしたいなんて思わないし、オレはせいぜい1週間程度の旅行で充分だよ。ましてや外国行ってまで働くなんて…
- ヤマネ
- それはワーキングホリデーや!
- マツヤマ
- 同じようなもんだろ。
- ヤマネ
- 意味がぜんぜんちゃうわ!
- マツヤマ
- そうか、あとでスマホで調べてみるよ。
- 元店主
- そういえばマツヤマさんも年末滑り込みでスマホデビューしましたねぇ。それiPhoneですか?
- マツヤマ
- iPhone風だけど、これはね、中国のフアウェイってやつ。元店主のはシャープだったよな。ヤマネ君は?
- ヤマネ
- ギャラクシーです、韓国の。これまでずっとXperiaだったけど、デザインのいけてなさに愛想をつかし、ギャラクシーノートに。とてもいいですよ。
- 元店主
- ここは、平和だなぁ。マツヤマさん、ヤマネ君、強制起訴シリーズは終わっちゃったけど、今年もよろしくお願いします。
- マツヤマ
- もちろん。ロマンザの油脂(あぶら)道場 at カフェ・オパールはことしもジャンジャンやらせてもらうよ。あと強制起訴に替わる何かできるといいけどな。
- ヤマネ
- とりあえずケンタロウさん「あへこは(敢えて怖い映画を観る会」復活させましょう。
- 元店主
- いいかもね。とりあえず、『霊的ボリシェヴィキ』いっとく?…ダースメルチ!
- ヤマネ
- てな訳で、皆さん今年もよろしくー。映画を楽しみましょうー!
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