ロック・オブ・エイジズ []
80's ブームがやってくる!・・・とは何年も前から言われていて、音楽の世界でも、すでに R&B、ヒップホップでは 80's ポップスやオールドスクール、ハウス、などの 80's サウンドは完全復活している訳ですが、まさか、まさか、あれまで復活する事はあり得ないと思っていた。それは、80年代にMTVと共に全世界を席巻したアリーナロック!・・・いや、アリーナロックとはアメリカでの呼称で、日本では主に産業ロックと呼ばれた、あれらの音楽。売れるために、ひたすら売れるために、大衆に媚びまくった分かりやすい旋律とダサいアレンジで、永遠にロック史に汚点を残したあれらの音楽が、なんと大復活!
最初はミュージカルで、そしてとうとう映画にもなって日本公開!
うわー!絶対に観たくない!観るもんか!観ることなんて出来る訳ないやん!!!
- ヤマネ
- わーい!最高!ムッチャ楽しかったですね!!
- マツヤマ
- うん、面白かったな
- 元店主
- ・・・う、いや、面白いと言えば面白いですが・・・なんか凄かった。あそこまでダサい音楽と映像の連打の嵐は、もう、なんというか、悶絶して死ぬかと思いました
- ヤマネ
- ハハハ!大袈裟ですねー、もうボクなんか歌いまくりですよ!ほぼ全曲歌えたし、楽しい!
- 元店主
- え?ヤマネくん、ほぼ全曲分かったの?・・・凄いな、私の方がリアルタイムだと思うんだけど・・・半分ほどしか分からなかったよ。マツヤマさんはどうでした?
- マツヤマ
- オレは一曲ぐらいかな、曲名と一致したのは。『アイ・ラブ・ロックンロール』だけ
- ヤマネ
- ええー!マジですかー!・・・確かに我々はみんな世代が違いますし、マツヤマさんは最年長ですが・・・でも、一応 80's は通過してるでしょう?
- マツヤマ
- オレはひねくれ者だったからさ、高校の頃からジャズ聴いてたんだよ。ジャズったってフュージョン寄りだから、ある意味アメリカの産業ロックとダサさは変わんないかもね。でも日本のカシオペアとかスクエアとか、ああいうコマーシャル的なのはガキなりにも『ダサい!』って思ってたけどな。いずれにせよ他人と一緒は嫌だったってこと。
- 元店主
- 私は、中学の頃にちょうどMTVが日本でも放送を始めたもんだから、もうどっぷりMTVに浸かってた世代です。毎週金曜日の夜は、最後のPINKの歌を聴くまでひたすらMTVを観る、という生活だったんで、その頃に流行ってたものは、やはり知ってますね。で、高校になってそういった流行もんじゃないロックの世界を知ってからは、全く聴かなくなったのかな。だから、80年代の後半の奴は全然知らない。ガンズくらいかな、知ってるの。ま、ガンズは一応許容範囲だったんで
- マツヤマ
- そうそう、オープニングの曲は聴いたことがあったけど、それがガンズっていうのを今回初めて知ったんだよな。当時、勤めてた店で他のスタッフが入れたカセットテープがやかましくて、すぐに入れ替えてやった事があるんだけど・・・オレってイヤなヤツでしょ。それがガンズだったんだよ。だからオレにとってガンズは単なるやかましいグループ。でも、今回聴いたらなかなか良かったけどな
- ヤマネ
- んー、ガンズは確かにカッコいいですけどー、他のバンドも当時は良かったですよ。確かに、それらのロックを“産業ロック”とか言って貶す人たちが居たのは知ってましたが、そういった人たちは今のロックを分からない頭の固い人たちだと思ってました
- 元店主
- いや、私も中学の頃はよく分からなくて、なんとなく聴いたりレコード借りたりしてたけどさ、デフ・レパードとか。でも、やっぱジャーニーとかフォリナーとか、耐えがたくダサいと思ってたよ。MTV でビデオが流れるたびに『やめてくれー』とか思ってたもん。スターシップなんて前身がジェファーソン・エアプレインでしょう?私に初めて、魂を売るとはこういう事なのか、と思わせてくれたバンドだったよ。
- ヤマネ
- でも、今聴いたら、結構どの曲もいいでしょう?
- 元店主
- よくないよ!ダサくて、悶絶して、死にそうだったよ!
- ヤマネ
- そうですかー?ドッケンとかビリー・アイドルとかヨーロッパとか、当時の真にダサい連中は周到に排除されてると思ったんですけど
- 元店主
- まぁ、ガンズにトゥイステッド・シスター、ホワイトスネイク・・・あたりはいいけど、やっぱ他は・・・ダサクてたまらんよ!
- マツヤマ
- ははは、でも、この映画はそのダサさを楽しむように作られているだろう? 『ダサい!』って思って笑って観るのが正解なんじゃないの? オレは曲は分からないけど、あのファッションのダサさは、きたね。大笑いだよ。居た、居た、当時あんな奴、たくさん居たよ。80's ファッションは最近また復活してるけど、あの子供じみた格好は当時も今もやっぱりダサく見えるよね
- ヤマネ
- 笑いとる方向で作られてるのは確かですよね。ライブハウス店主と従業員の“あの”シーンとかでしょう。まさかそんな映画だったなんて!と衝撃でした
- 元店主
- うわあー!REOスピードワゴン!たまらーん!
- マツヤマ
- はは、そういう映画だったんだよ。アメリカでは、曲のイントロで失笑が起き、そのあとで大合唱!てなノリで楽しまれてるみたいだけどな。日本では、ちょっと無理みたいだな
- 元店主
- ええ、確かに、あの頃はMTVによって、お茶の間にまでロックが進出した時代で、ほぼ全米の人が同じ曲で熱狂してた時代なんですよ。でも、日本では、なんやかんやいっても洋楽聴く人間なんて少数ですから。だからちょっと、事情は違うでしょうね
- ヤマネ
- ボクの時も、洋楽聴いてる奴は少なかったですよ。ボクはマイケルとホワイトスネイクが好きだったんですけど・・・、まぁ、そんなの聴いてる奴はあんまり居なくて、クラスの大半の奴はチャゲ&飛鳥とかアルフィーとか聴いてました
- 元店主
- そうそう!そいつらこそ日本の産業ロックだよ!そんなの聴いてる奴はみんな敵、全員死ねばいい!と思ってたよ
- ヤマネ
- もう、大袈裟ですねー
- 元店主
- いや、ホントだって。若いというのは狭量という事だからさ。すくなくとも、絶対に友だちにはなれなかったな
- マツヤマ
- あれ、でも、テラリーとかチャゲ&飛鳥の大ファンじゃなかったっけ?オイシンなんて、チェッカーズが好きでサックス始めたって聞いたけど? おかしいなあ、どっちもオパールで働いてたはずだけど???
- 元店主
- ・・・・・・ええ、オイシンはチェッカーズとブライアン・アダムスのファンでした。テラリーは、それとクイーン、とか・・・。まぁ、人間、歳を取ったら丸くなるんですよ・・・
- マツヤマ
- だから、こういった映画もジュンスカに、じゃなくて純粋に楽しむ事ができる、と。ところで、映画そのものに関してはどうだった?オレはやっぱトム・クルーズが最高だったんだけど。ガンズなんて知らなくたって関係なかったね。あと、ライブハウスの従業員だった奴な、ラッセル・ブランドか。あいつ、最高
- ヤマネ
- トム・クルーズは最高ですよねー。自分で歌ってるでしょ。凄ーい。全然、スーパースターにみえるし。
- 元店主
- ええ、トモコも、トム・クルーズは指が太い所以外は完璧だと言ってました。スーパースターは指が細くないとダメなんですと
- ヤマネ
- トモコさん、相変わらず細かーい!
- マツヤマ
- オレはあの主役(?)の女の子がダメだったねぇ。歌手志望で歌手になるために何か努力しているわけでもないのに、どこにでも割って入って歌いまくるし、まあそこはミュージカルだから仕方ないけど、最後は大ステージで歌いまくってるよね。誰ですかアンタ?って・・・
- 元店主
- 私は違った意味で映画の終わりが納得いかないんです。まぁ、ああいった終わり方はお約束なんでしょうが、やっぱ違和感がある。だって、あの後、グランジロックの連中がわーっと出て来て、あの手のアリーナロックは一気に凋落するんですよ。それだけでなく、聴いていた事自体が恥ずかしい偽物のロック、として歴史の闇の中に封印されるんです。それなのに、そんな事はまるでなかったかのように、ロックは永遠、オレたちも永遠だぜー!みたいな終わり方は、ちょっと・・・
- ヤマネ
- ファンタジーですよ、ファンタジー! 実はボクはグランジロックとか、嫌いだったんです。だって、格好も汚い普段着だし、ブスッとして愛想なしに演奏してるだけだし・・・、お前等もっとエンターテインメントせんかい!と、思ってました
- 元店主
- はは、ヤマネくんはマイケルファンだし。ってか、マイケルも、90年代にはいったら、ああいった過剰なショーマンシップが嘘くさい、という事になって否定され、バカにされていくんだよね。90年代は“自然体”がリアルだったから
- マツヤマ
- でも、そういった“何がリアルか”というのも、時代を映す鏡だからな。一種の流行でもあるし。・・・で、80年代って、日本の場合、やっぱバブルに結びついてるから、恥ずかしいんだよ。どーみたって、バカっぽい
- 元店主
- そうですね。アメリカの場合、経済そのものは不況で苦しんでたでしょうが、ロック産業に関していうと、MTVとCDの普及のおかげで空前のバブル状態でしたもんね。だから、みんなバカっぽい。この映画に出て来る連中は、みんな頭が限りなく悪そうですもんね。それは、よく時代を捉えてると思いますよ
- ヤマネ
- バカが無邪気にバカで居られた。ある意味、幸せな時代じゃないですかー
- マツヤマ
- アメリカは歴史が浅い国だから何が文化かと聞かれたらロックとバカしかないんじゃない? 財政破綻してもたぶんそれだけは残ると思うよ
- ヤマネ
- バカは永遠ですよー!ウィーナーゴーナテイケ!
- 元店主
- ファイナルカウンダウーン!
- ヤマネ
- その曲、使われてませんでしたよ・・・
- マツヤマ
- あぁそれって曲名なのね。マニアックな会話だなぁ。ぜんぜんわかんねぇよ
- ヤマネ
- アンタがいちばんマニアックなの!
Comments
投稿者 uno : 2012年10月14日 23:13
面白かったですね!
冒頭のガンズ「Paradise City」でいきなり爆笑。
ロック・オブ・エイジズで使われている音楽は、私が洋楽を聴き始める92年の約5年前のものなんです。
で、何故これらの曲を知っているかと言うと、私は伊藤政則が好きでずっとラジオを聞いていたのですが、これらの曲がよく掛かったんですよ。ベタですが曲が良いじゃないですか。それで一気に好きになったんですよね。といっても短期間でしたが。
嬉しかったのが、ステイシーが行った最初のライヴがエアロスミスだったってとこ。私が自分でチケットを買って最初に行ったライヴが高2でエアロスミスだったんですよね。俺もー!って(笑)
トム・クルーズ扮するステイシー、最初はガンズのアクセル意識してんのかなって思ったんですが、途中からオジー・オズボーンとレッチリのアンソニーが混ざってきて、なんともいい感じでした。あの身体は相当鍛えてますね。さすがです。
あと、メアリー・J・ブライジは何を歌ってもソウルになるから凄い。
細かいとこでは、タワーレコードの中で主人公2人が踊るじゃないですか。あのシーンで写るレコード棚、Dokkenの横にThe Doors "Waiting for the Sun"が並んでたんですよ。Dだから当たり前なんですが、なんか印象的だなって。
最後に印象に残った3曲は
Guns N' Roses / Paradise City
Whitesnake / Here I Go Again
Skid Row / I Remember You
です。
むっちゃ聞いたなあ。
爆笑してスッキリしました。
ほんまダサい!
投稿者 マツヤマ : 2012年10月16日 00:09
ウノぴょんへ
ストレートでスガスガしいね。
このぐらい堂々としてれば文句なし。
今までで最高の感想だ・・・
と思ったら最後の一行で台無しだな。
ほんとはそう思ってないだろ!
合わせる必要は全然ないからね。
投稿者 uno : 2012年10月16日 23:16
マツヤマさん
いやはや、実は映画を見終わった後、
「やっぱハードロック最高やな!」と
意気揚々として映画館を後にしました。
バレバレでしたか(汗)
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