2011年 映画鼎談 その3 [ベストテン]
- 元店主
- さて、今年はもうひとつ、文句ばっかり言ってないで日本映画も頑張って観てみようー!というのもテーマのひとつでしたが・・・。
- マツヤマ
- あっ、忘れてた!そういえばそんなことも言ってたよなぁ。
- ヤマネ
- あじょし通り越してジジイですやんっ!
- 元店主
- 私は一応、意識して邦画を何本か観てみたんです。で、最初に観た『婚前特急』があまりに素晴らしく、おー!これは私の不覚だったかもー!最近の日本映画実は素晴らしいかもー!と盛り上がったんですが・・・以降は鳴かず飛ばず。後半は観る気を失ってしまいました・・・。
- ヤマネ
- 『婚前特急』よかったですよね〜。なんつっても主演の吉高由里子が良かったですよね〜。
- マツヤマ
- そうか?ちなみにオレも後からDVDで観たんだけど、もひとつよさが分かんなかったなぁ。テレビ画面の大きさじゃ、最近のドラマってあんな感じじゃないの? って思っちゃう残念さがあったな。浜野謙太の出演シーンすべてが今風のテレビ向きって感じがしたし、吉高由里子もよかったって言っても別に濡れ場があるわけじゃないしさ。
- ヤマネ
- ・・・あじょし目線か。
- 元店主
- いや、『婚前特急』はやっぱ映画館で観ると画面が圧倒的に“映画”になってるんですよ。ほんと、日本映画が良かった頃の雰囲気を持っている、というか。圧倒的に洒落てるしね。『踊る大捜査線』みたいに、映画なのにテレビドラマの様な画面を持ったものとは大違いで。
- ヤマネ
- 最後の、吉高由里子が街を彷徨うシーンなんて最高でしたよね。あまりに露骨に“映画”で、思わず笑っちゃいました!
- 元店主
- はは、あそこは良かったねー。でも、確かに難しいシーンではある。一歩間違えば、あざとくなる。そこを奇蹟的にバランスをとっていて、そこが可笑しくもあり、感動的でもあり・・・。で、次に観た『まほろ駅前多田便利軒』になると、それがあざとくなっちゃてるんだよねー。決して悪い映画ではないけれど、どーも“如何にも映画的”みたいな画面を撮ろうとしていて、ちょっと観ていて辛い所があった。難しいなぁ。
- マツヤマ
- 『マイバックページ』はどうだった? オレは山下監督が好きだから観るつもりだったんだけど観損ねた。でも山下監督がいきなりロードショーデビューだから、ちょっと不安もあったんだよな。べつに単館至上主義じゃないけどさ。
- 元店主
- あれも個人的にはイマイチ・・・でした。どーにも、全体にぬるい。こちらも“画面”の方は頑張って、なかなか良かったですけどね。いかんせん映画のつくりがねぇ・・・そういえば、アスミックエース、『ノルウェーの森』に引き続き、『マイバックページ』も転けたんで、会社潰れかかってるらしいですよ。
- ヤマネ
- 社運を賭けた「のぼうの城」も、城を水攻めする話なんで、3・11の影響で上映延期になりましたしねー。アスミックは独立系配給会社の中では頑張ってる方なので、心配ですよね。
- 元店主
- あああ、ますます日本映画の先行きが・・・。ところでマツヤマさんも園子温の2作品とか、『スパルタの海』とか、いろいろ観てるんじゃないですか?
- マツヤマ
- あ、そういえばそう・・・かな?・・・いろいろ忘れてるなぁ。・・・まぁ『スパルタの海』は30年近くも前の映画の初公開だけど、戸塚ヨットスクール側に寄った映画という点でカルトっぽくて、ある意味おもしろかったかな。でも映画っぽさはまったくなかったけどな。
- ヤマネ
- 『さや侍』も観てませんでしたっけ?
- マツヤマ
- そ、それはもうすっかり忘れてたよ〜。あ〜、なんだか何にも思い出せなくなってきた・・・
- 元店主
- 大丈夫ですか、マツヤマさん?
- マツヤマ
- え〜っと、あなたは〜、誰っ?
- ヤマネ
- ちょっとオッサン、じゃなくてあじょし!ワイン飲んだ後にバーボン何杯飲んでるんですか? って、「おやじ」って台詞を勝手に「あじょし」に変換するシステムもうやめて下さいよ!
- マツヤマ
- ん〜、わー、んー!
- ヤマネ
- もう!マツヤマさん、2枚目のイエローカード出される前に退場ですね。こうなったら元店主と2人で対談する事にしますかねー。
- テラリー
- テラリーもいま〜す!
- ヤマネ
- あ、まだいたんだ。それじゃ、2.5人で。
- テラリー
- え〜っ、僕ひとりで0.5人なんですか?
- 元店主
- あたりまえだろ。しかもそのうちの0.25人はクリュッグ。これがサロンだったら、もうちょっと増えるかな。あ、シャトー・マルゴーでもいいよ。
- テラリー
- 世の中、結局カネですか・・・。
- マツヤマ
- プ、ファ〜っ、ウイっ、しっかし、そ、園子温最低やったな、あ〜、あいつはニセモノやで、影武者がおるな、たぶんそうや、ブツブツブツブツ…。
- ヤマネ
- えっ、酔っぱらうと関西弁になるんですか、マツヤマさん? とりあえず、酔っぱらいのマツヤマさん0.5人で、これで合計3人ってことで進めますかー。で、最近超話題の園子温ですね。ボクはあえて観てないんですが、ケンタロウさんはどうです?
- 元店主
- いやぁ、私も最近の作品は観てないんだ。というか、15年くらい前に『部屋 THE ROOM』ってのを観て、「これはないな」って思ったので、それ以来全く観てない。『愛のむきだし』以降、急に注目されはじめて、なんだか怪しいな、とは思ってるけど。まぁ、単に本当に才能が開花しただけなのかもしれないけれどね・・・。ないとは思うけど「影武者がいる」っていうマツヤマさんの発想は面白いかな。そういえば、新作の『ヒミズ』も、震災直後の宮城県で撮っていて、世界的にも話題になってるよね。
- ヤマネ
- という事は、今の日本映画は社会的な事件を取り入れる事ができない、という我々の説から外れる映画という事になりますよね。やっぱそれは園子温が凄い、破格の存在、という事になるんですかね?
- 元店主
- いや、そこらへんがマツヤマさんの“園子温には影武者が居る”という説の根拠になるんじゃないの?影武者って誰なんですかね、マツヤマさん?
- マツヤマ
- わかるわけないやろ!オレは一般庶民や! でも、おかしいと思わへんか?『愛のむきだし』の次の『ちゃんと伝える』は無かったことになっとるから、ちゃんと伝わってへん。で、次の『冷たい熱帯魚』の公開直前で一般的な評判も興行成績も出る前には『恋の罪』は出来上がってて、そんときすでに『ヒミズ』は撮影中って…、今のこの時代にそんな景気のエエ話ありまっかいな!イーストウッドかオマエは!って。ハッハッハ。きっと現ナマ主義の魑魅魍魎がまわりにおるで。そいつらが影武者みたいなもんやろ。
- 元店主
- なんか・・・、マツヤマさん、いい感じでアルコールがまわってきた様ですね。とりあえず続行します。それでは、お2人が上位に入れてる『リアル・スティール』って私は観てないんですが、そんなによかったんですか?
- ヤマネ
- 『ロッキー』そのまま! エイドリアンと同じように、微妙に美人でないヒロインを使っているとことかも渋かったなあ。
まぁ、最後試合に負ける所が『ロッキー』とは違いますけど。それは時代性でしょうねー。(この部分、執筆者=元店主の勘違いによる間違い。ヤマネくんから指摘あり。ロッキーも試合に負けてます。だからホントにロッキーと同じ!な展開なのです)
- マツヤマ
- 社会の底辺にいるオッサンが廃品ロボットで金持ちのハイテクロボットに挑戦するっちゅう、ベタやけど、ど真ん中過ぎてホンマに痛快やったわぁ。最後の試合は反ウォール街デモも連想させるし、ちょこっとだけ発展したけど荒んだ近未来っちゅうのもリアリティがあったしな。・・・ピープルズチャンプ!
- ヤマネ
- エイドリアーン!・・・でもマツヤマさん、意味のわからない台詞がいくつかあって「深読みできる」って言ってたじゃないですか。ボクはストレートに観て、よかったって思いましたけどね。
- マツヤマ
- あ〜あれか。あれは2回目観に行ったらすっきり解消したわ。深読みしたらアカンであの映画は。
- ヤマネ
- それ、単に飲み込みが悪いだけじゃないですか! しかも年末の貴重な時間を同じ映画観るのに使ってるし。
- 元店主
- 貴重な時間と言えば2月くらいに公開される『TIME/タイム』では時間はお金であり生命でもあるという設定らしいから、無駄遣いできるのは金持ちだけですよ。
- ヤマネ
- 「TIME/タイム」おもしろそうですねー。「ガタカ」からどれだけ進歩しているのか楽しみです!イーストウッドの新作『J・エドガー』も早々にあるし、フィンチャーの『ドラゴン・タトゥーの女』とかも、観なくちゃ。
- 元店主
- 私的にはヴェンダースの新作が楽しみです。しかも題材がピナ・バウシュ!
- マツヤマ
- ウンウン、あと『長ぐつをはいたネコ』とか『きかんしゃトーマス/ディーゼル10の逆襲』もおもしろそうやなぁ。
- ヤマネ
- マツヤマさん!それ強制起訴シリーズに持ち込んだらダメですよっ!強制されなくても観に行くぐらい楽しみにしているんですから、「長ぐつをはいたネコ」!・・・でも「トーマス」はあまり魅力が良くわかんないんですよねー。アンパンマンの顔色をグレーにしただけじゃないですか。ナレーションも暗すぎるし。・・・なんかマツヤマさん、マサユキくんと一緒に観る映画を強制起訴シリーズで済ませようとしてません?
- 元店主
- う〜ん、いやー、強制起訴シリーズは基本、何を選んでもいいから・・あとはマツヤマさんのモラルと自覚の問題です。
- マツヤマ
- ウ〜わっ、突き放された感じや。・・・寂しいよ〜・・・ア、アンナ〜っ!
- テラリー
- アンナっていったい誰なんですか? 飲み過ぎてとうとう壊れてきたんですね。
- ヤマネ
- あれ、テラリー観てなかったん?『ミスター・ノーバディ』の15歳のアンナ。本名はジュノー・テンプル。
- 元店主
- 大人のアンナ役のダイアン・クルーガーもかなりよかったけど、やっぱり15歳のアンナは最強だよ。
- テラリー
- そうですか。それでは僕も『ミスター・ノーバディ』をDVDで観てみることにします。
- マツヤマ
- あかん!キミは触ったらアカン!アンナが汚れる。
- テラリー
- そ、そんな!
- ヤマネ
- ちなみにオイシンも年末に『ミスター・ノーバディ』を観てかなりハマったそうですyo。
- マツヤマ
- うわっ、年明け早々に味噌付いたやんか!オレのアンナが、あんな田舎社長あじょしの汚い手に・・・。
- 元店主
- 「オレのアンナ」って勝手に自分のものにしないで下さい。
- マツヤマ
- わかったわかった!ほな、こうしよ。オレら3人でアンナのファンクラブ作ろ。振り付けも考えよ。あ、その前に揃いのハッピ作らなあかんか…
- ヤマネ
- いや、そういうのとはぜんぜん違うでしょ!マツヤマさんがハマってんのは『ミスター・ノーバディ』なのかアンナなのか、もうわからないっすー。
- テラリー
- え〜っ、アンナってドンナですか〜?気になる。やっぱり観たいなぁ〜。
- マツヤマ
- アカンアカン!絶対ダメ!
- 元店主
- まぁー、新年賑やかでよろしいようで。と、まとめに入りますが・・・、とりあえず今年もカフェオパール、Romanza、エキスポ、テラリー、その他オイシン、UME-D、K-Z・・・なども、どうぞよろしくお願いします。
- ヤマネ
- ちなみに1月の強制起訴シリーズは「月光の仮面」で−す。
- 全員
- えええー!!!
── 完 ──
Comments
投稿者 オイシン : 2012年01月27日 18:40
今年も鼎談楽しかったです!
強制起訴、今年は僕も頑張って見に行こうと思います。
いきなり上映館が少なくて辛いですけど・・・。
アンナ(15)ファンクラブ僕も入会したいです!(`・ω・´)
投稿者 マツヤマ : 2012年01月27日 23:37
>アンナ(15)ファンクラブ僕も入会したいです!(`・ω・´)
No!
投稿者 元店主 : 2012年01月28日 00:58
よし。
では、オイシンも感想などを強制起訴シリーズのコメント欄に書くように。
で、12回/1年を全て観る事ができたら(そしてコメントを書いたら)、アンナ(15)ファンクラブの入会試験受験資格の抽選に応募する権利を授与する見通しについて相談できる人を教へてあげるかもしれない。
投稿者 テラリー : 2012年01月28日 09:44
今年も参加、いや傍聴させていただきありがとうございました!
リアルスィールは映画館で、ミスターノーバディはDVDで観ました。リアルスティールは素晴らしい!ベッタベタで最高でした。ラストの勝負に勝って試合に負けたのも僕は好きです。
ミスターノーバディはわかったようなわからんようなで、まだまだです。アンナは最高です!
さっそく月光の仮面にやられましたが、今年は12本全部みます!
投稿者 マツヤマ : 2012年01月28日 21:43
「ミスター・ノーバディ」が「わかったようなわからんような」ということらしいけど、本来なら難解になりそうな話を、そのまま誰が観ても決して迷うことのないように出来ているのが、そもそもこの映画の素晴らしいところで、いろいろ選択肢(3人の女の子という意味ではなく)があるなかで到達した結果が「アンナ最高!」となるわけだ。要するに、映画を理解していない者が「アンナ最高!」となることはあり得なく、単にキミが女性に対して軽いだけだ、テラリー。
投稿者 元店主 : 2012年01月29日 15:56
本文、一部訂正しました。私の勘違ひで、ヤマネくんの台詞を間違へてゐた様で・・・。ヤマネくんに怒られました。すいません。
ロッキー、試合に勝つのは2作目以降なんですね。2作目以降のロッキーのあまりにマッチョな展開に、すっかり私も記憶を書き換へられてゐた様です。あとはやっぱ、ラストシーンの興奮がねぇ・・・、もうすっかりロッキーは試合にも勝ったもんだと・・・。
テラリーも今年は全作制覇で頑張って下さい。
投稿者 テラリー : 2012年02月06日 23:18
タイミングを外す男、テラリーです。
再見するのに時間がかかってしまいました。
ミスターノーバディはやはり僕にとっては不完全燃焼なままです。
この映画の素晴らしいところを素晴らしいと理解できないのが現状です。「現状」にほんのわずかですが希望を込めてます。
「女性に対して軽い」は否定したいですが、なんとも・・・
全作制覇頑張ります!
コメントしてください