2011年 映画鼎談 その1 [ベストテン]
- 元店主
- あっけましておめでとうござッま〜っス!みっなさ〜ん、今年も恒例のオパール映画鼎談が始まりますよー!!!…
- ヤマネ
- ちょ、ちょっとケンタロウさんっ、どんなテンションの高さですかそれ!
- 元店主
- いやいや、新年おめでたい場で私が口火を切るからにはアゲアゲで行こうと思ってさ
- ヤマネ
- 『アゲアゲ』って微妙に古いところがオヤジ臭い!いいですねっ!
- 元店主
- そう。いいんだよ。マサユキくんからは『オッチャン』て呼ばれてるんだから
- マツヤマ
- やぁ遅れてゴメン、許してチョンマゲ。よっこいショーイチ、さっそく座ルト大統領!ッてか
- ヤマネ
- ウワワッ!臭っ。なに、それ!・・・もー、文章に起こすときにカットしますからね、おやじギャグは!
- マツヤマ
- ええ、おやじギャグ禁止なの!?
- 元店主
- おやじギャグっていうか、横井庄一もスハルト大統領も古すぎて、これ読んでる人で知ってる人いないんじゃないですか?
- マツヤマ
- 確かにそうかも。笑われたことないしなぁ
- ヤマネ
- 知ってても笑わへんっちゅうねん! おやじギャグっておやじの中でかますと、ドッカーン!て盛り上がるだけにたち悪いですね
- 元店主
- ハイハイ、では3人そろったところで私からベスト10発表しま〜す
元店主のベスト10
- アジョシ
- キック・アス
- ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド
- ミッション:8ミニッツ
- 婚前特急
- ミスター・ノーバディ
- ヒア・アフター
- ハンナ
- 孫文の義士団
- 一命
- マツヤマ
- あっ、ミッション8忘れてた!
- ヤマネ
- なんですかマツヤマさん?次ボクいきますよ
ヤマネのベスト10
- ミッション:8ミニッツ
- 塔の上のラプンツェル
- ミスター・ノーバディ
- リアル・スティール
- アジョシ
- ヒア・アフター
- 復讐捜査線
- 八日目の蝉
- 婚前特急
- ブラックスワン
- ヤマネ
- え〜、マツヤマさん今書き直してるんですか?
- マツヤマ
- いろいろやることが多すぎて観た映画の記録してなかったんだよ。なに観たか忘れちゃっててさ…
- 元店主
- でもマツヤマさんそれレビューに書いてるじゃないですか
- マツヤマ
- ハイ、ハイハイっ、出来ました!
マツヤマのベスト10
- ミスター・ノーバディ
- 悪魔を見た
- リアル・スティール
- アジョシ
- ミッション:8ミニッツ
- ヤマネ
- おや5位に入れて10位の『ウッドストックがやってくる!』外さはったで
- マツヤマ
- うるさい!
- アジャストメント
- スリーデイズ
- モールス
- アンノウン
- ヒア・アフター
- 元店主
- ハイ、それでは集計します。・・・ってか、ヤマネくん集計して
- ヤマネ
- ハーイ。・・・・・・おおっと!今年はなんと!『アジョシ』『ミスター・ノーバディ』『ミッション:8ミニッツ』が同点で1位ですね−!
総合ベスト5
- アジョシ
- ミスター・ノーバディ
- ミッション・8ミニッツ
- リアル・スティール
- ヒア・アフター
- ヤマネ
- うん納得。3人とも観てるやつだからある意味平和ですねー。平和的といえば『ミッション:8ミニッツ』のラストは、なんか、人生とはこうでなくっちゃ!という幸福感に満たされてましたよね!バーンと感動!!
- 元店主
- 厳密にいえばラスト手前の最後のミッション8分間だよね。あれは凄い!その後に続くホントのラストに関しては賛否両論があるけど、正直言って、私もない方がよかったと思う。最後のミッション8分間で終わっていれば、どんだけ素晴らしかったか。でも、そんな事でこの映画にケチをつけたくないんだよね。だから、まぁ、あれはあれでオッケーやん、てな感じ。
- ヤマネ
- ダンカン・ジョーンズは、前作の『月に囚われた男』でもそうでしたけど、優しいんですよ。だから、映画の中の主人公たちを、救ってあげたかったんじゃないですかね。
- マツヤマ
- 最後は電車の中の嫌な奴もみんないい人に見えるんだよな。ジェイク・ギレンホールも役者として初めていいと思ったよ
- 元店主
- ダンカン・ジョーンズって父親デヴィッド・ボウイの七光りじゃないか?とか、半信半疑だったけど、これは本物です。映像もいちいちカッコ良かったですし
- マツヤマ
- ダンカンこのやろっ!
- ヤマネ
- そのものまね、読んでる人には通じませんって。しかもぜんぜん似てないし
- 元店主
- さてさて『強制起訴シリーズ』からも1位(ミスター・ノーバディ)が出ました。強起シリーズについては後で話すとして、マツヤマさんもこの映画にはえらくはまってたようですね
- マツヤマ
- って、ところでなんで『強制起訴シリーズ』なんだよ?
- 元店主
- あ、はい、別に意味はないです。強いて言えば、去年、検察審査会というなんだか正体の分からない団体の議決によって、小沢一郎の『強制起訴』が行われましたから、それにひっかけて・・・、まぁ、今の日本の下らなさの象徴ですよね、強制起訴は。明らかに無罪の小沢一郎を、強制起訴する事によって有罪にみせかける、悪いイメージを流せればオッケー、みたいな。そして国民がそんな情報操作に簡単に引っ掛かる、みたいな。そういった下らない日本に生きている事を忘れないために、敢て自虐的にその名前を引き受ける、というか・・・。
- ヤマネ
- えー、わけ分かんないですよー
- 元店主
- ええっと、要は人間年を取るにつれてどんどん自分の好きなものしか観なくなるぢゃないですか。それではダメだと。で、我々3人がそれぞれ選んだ作品を、各自が強制的に観る、そうやって自分の興味のない映画でも取り敢えず観てみる、という機会を作るための企画なのですー
- マツヤマ
- なるほど、オレなんか本気で起訴しようかと思った作品もあったしな。まぁそれはいいとして、『ミスター・ノーバディ』は良かったよなぁ!ヤマネくんが選んだ作品だったけど、もともと京都シネマで2週間しかやってない様な映画だったから、自分の選択肢から外れてたもんなぁ。この企画がなければ観る事はなかった。あれを観たことによってオレの人生も微妙に変わってるんだと思ったよ。
- ヤマネ
- それは何よりですね。えへん! ボクはジャコ・バン・ドルマル監督の一作目『トト・ザ・ヒーロー』を学生時代、20年前に観て、なんとなく良かったなぁって記憶にあったから、ドルマルの新作か、これは絶対観るぞと。でもお2人は観ないだろうと思ったので選んだのです
- マツヤマ
- そうそう、『トト・ザ・ヒーロー』はDVD出てないから、VHS探して買っちゃったからねぇ。確かに良かった。5回も観たからねぇ。どう見たって『ミスター・ノーバディ』は『トト・ザ・ヒーロー』の発展型だよな。一作目でものすごく期待されたのに20年でこの2作の間に『八日目』しか撮ってないから、ドルマルを知りたかったら作品を何度も観るしかない。『ミスター・ノーバディ』もDVD買ったけど、その前にYouTubeでフルバージョン2回観ちゃったからDVDはまだ観てないんだ。大画面で観たいからロマン座でやろうかな
- 元店主
- それはいいですね。私もマツヤマさんに貸して貰って『トト・ザ・ヒーロー』観たんですけど、それによって色々と分かる事がありました。とても興味深い。なんでDVD出てないんでしょうね?
- ヤマネ
- いやぁ、ヤマネ・セレクションがそこまで盛り上がってもらえて嬉しいですねぇ。にやにや
- マツヤマ
- う、うん、まぁ、そ、そう、だ、よ、ねぇ…
- ヤマネ
- なんですか!マツヤマさん。その分かりやすく奥歯に何か詰まった言い回しは。言いたい事があったら、はっきり言って下さい!
- マツヤマ
- いや、ヤマネ君のセレクトって、それ以外は、ちょっと・・・。『タンタン』は予告観たときから絶対無いなって思ったし、『ライフ/いのちをつなぐ物語』にいたっては嫌がらせかと思ったぜ
- ヤマネ
- ぐぐ。いやあ、『タンタン』はありでしょ!?だってスピルバーグですよ!スピルバーグ観てない奴に映画は語れないでしょ? そりゃあ『ライフ』に関しては、投げやりで選んだのは否定しません。観ていて申し訳なくなりました。すいません。でも言わせてもらいますけど、マツヤマさん『ガリバー』とかどうなんですかぁっ!
- マツヤマ
- あぁアレ、マサユキと行けるかな?と思ってね
- ヤマネ
- そんなの勝手に行ってくださいよ!ボクの貴重な時間が『ガリバー』とか『富江』とかに奪われて、もう・・・
- 元店主
- え〜っ、とばっちりじゃないか、それ。『富江』は良かったでしょ?・・・いや、少なくとも「ガリバー」や「ライフ」なんかよりはずっと・・・。 いや、問題はそういう事じゃなくて『強制起訴シリーズ』は基本的に何を選んでもいいんです!『絶対無い』って思っても、やっぱり観ないことには良いも否定もできない。観ないうちは永遠に選択肢として残るんです!
- マツヤマ
- よし、戻った!
- ヤマネ
- あ、“シュレディンガーの猫”に繋げたいんですね、そこ、『ミスター・ノーバディー』の。なんか強引だなあ。・・・まぁ、ボクは一発目から猫の鳴き声に気づきましたから、お!、この映画、シュレディンガーの猫なんやなぁ、と。最初にスキナーボックスの話から始まるし、ドルマル、物理好きなんだなー、と思って。というか一生懸命勉強したのかもしれない。10年とか撮るのにかけてるし。
- マツヤマ
- そうヤマネくんに言われて、『ミスター・ノーバディ』を再び観ると、その“猫”を発見できたんだよ。嬉しかったなぁ。オレなんか “シュレディンガー”なんて知らないしさ
- ヤマネ
- 知らなくても全然問題ないですね。ドルマル映画って、そういう知的そうな理系な部分は枝葉というか、ほとんど装飾ですし。根幹には優しい文系の人間洞察がある!
- 元店主
- で、残る一本の話に移りましょうか
- マツヤマ
- “あ、女子”の映画ね
- ヤマネ
- なんですかそれは
- 元店主
- ははっ、『ア・ジョ・シ』でしょう。
- ヤマネ
- もう、マツヤマさんおやじギャグやめて〜っ!
- マツヤマ
- おやじギャグって言うな!
- ヤマネ
- じゃあ何て言えばいいんですか!
- マツヤマ
- あじょしギャグ
- ヤマネ
- ・・・・・・
- 元店主
- ちなみに、私とトモコの間では『アジョシ』は少女映画ですよ。女子映画ぢゃなくて
- マツヤマ
- え?“女子”と“少女”で違うのかよ?
- 元店主
- 当然です!“女子”“少女”“乙女”・・・これらの概念の使い分けができなければ、少女映画について語ることはできません!
- マツヤマ
- ふーん。オレはさぁ、『悪魔を見た』を思い浮かべたんだよね。基本、似たような話なんだよ、このふたつ。でも、『悪魔を見た』の方がハード。『アジョシ』の方が甘いかな
- 元店主
- 確かに、『アジョシ』にはそう誤解される脇の甘さがあります。だからこそ、“少女映画”として観る必要性があるんですよ。そう解釈する事によって、『アジョシ』は映画史上に燦然と輝く傑作となり得るのです!
- ヤマネ
- ボクは『イースタン・プロミス』を思い出しました。なんちゅーか、世界観が似てるというか、主役のウォン・ビンとヴィゴ・モーテンセンの佇まいが似てるというか・・・
- 元店主
- トルコ風呂でのファイティングシーンが共通してるからぢゃない?使ってる武器も似てるし
- ヤマネ
- そうでしたっけ?・・・あ、何も覚えてないや、『イースタン・プロミス』・・・
- マツヤマ
- なんだよ、それ。いい加減だなぁ。・・・でも、そういうもんかもな。オレも、観た映画の事は片端から忘れていってるよ、この歳になると。
- 元店主
- 私もそうです。仕方ないかもしれませんね、我々も、もう立派なアジョシですから。年齢的に。
- マツヤマ
- でも、どうせアジョシなら、いかしたアジョシになりたいもんだよな。ところで、”いかしたアジョシ”って、韓国語でなんていうんだ?
- ヤマネ
- モッチンアジョシ、です
- マツヤマ
- モッチンアジョシ、か。それなら、なんかなれそうな気がするな、語感的に。もっちんあじょし
- ヤマネ
- ・・・なんか、ヤな感じですけど・・・
- 元店主
- チュングンドー
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