クリーピー 偽りの隣人 [強制起訴シリーズ]
起訴者: ヤマネ
強制起訴シリーズ67弾
高倉(西島秀俊)は犯罪心理学を修めた警察官であったが、あるサイコパスへの対応に失敗し、自らが重傷を負ったのみならず、死者まで出してしまった。その事件を切っ掛けに警察を辞め、大学で犯罪心理学を教える生活へとチェンジ。住居も変えて妻の康子(竹内結子)と共に新しい生活へと踏み出した。ところが・・・隣の住人である西野(香川照之)は明らかに変。まともなコミュニケーションなどとれそうもない人間なので、なるべく関わらない様にしたかったのだが、何故か彼はどんどん高倉の家庭に入り込んでくる。そしてある日、西野の娘・澪が高倉に訴えた。「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」。高倉は西野の正体を暴こうとするが・・・。
黒沢清が久々にサイコホラーの世界に戻ってきた!と、話題の一品。
- ヤマネ
- やー、メチャメチャおもしろかったですー!やっぱ黒沢清最高!
- マツヤマ
- ふーん、そうなの?オレは、まぁ・・・まぁ、かな。まぁ・・・まぁ、恐かったし、まぁ・・・まぁ、面白かった。この“まぁ”と“まぁ”の間の“・・・”が重要な。
- 元店主
- 私は、やっぱ黒沢清って映像が超かっちょいいわー!と、特に前半は興奮しながら観てたんですが・・・段々、ちょっと・・・まぁ、最後には結構モヤモヤしたものが残りました。
- ヤマネ
- ええ?そうなんですか?それは・・・一体どういった訳で??
- 元店主
- う~ん、なんかこれ・・・『CURE』と同じじゃない?
- ヤマネ
- あー、まー、確かに似てるかも。
- 元店主
- 『CURE』は刑事と犯罪心理学者がコンビで事件を追ったけど、これはそのふたつが高倉の中に統合されてる。で、どちらも犯人は心に虚無を抱えている・・・というか心がない人間で、他人の心を操ることができる。でも実は追ってる方(主人公)も心に巨大な虚無を抱えていて、言わば犯人と同種の人間。で、一旦はやられかけるんだけど、最後は逆転して犯人を撃ち殺す、と。主人公の妻はどちらも心が壊れている、というのも同じ。まぁ、『クリーピー』では途中からあからさまに壊れ始めるんだけど。
- ヤマネ
- ふーむ。『CURE』はオリジナル、この『クリーピー』は原作つきですけど、確かにそっくりですよね。これは、黒沢清のスタイルなんじゃないですか。初期のティム・バートンが、何を撮っても同じ“ティム・バートンの話”だったみたいな。
- 元店主
- まぁ、そうなんだろうけど、なーんかスッキリしない。なんて言うか、ラストに至るまで全ての展開が読める、というか。いや、別に先の展開を読みながら映画観てる訳じゃないんだけど。
- マツヤマ
- でもさ、ケンタロウさんは普段から「映像がカッコ良かったらストーリーなんでどうでもいい」とか言ってるじゃないか。映像がカッコ良かったらそれでいいんじゃないの?
- 元店主
- ええ、それはそうなんですが・・・う~ん、いや、なんというか・・・やっぱストーリーも面白い方が・・・って、いやそうじゃなくて・・・あれれ?・・・。
- ヤマネ
- はい!ではカッコ良かった映像の話をしましょーよ!ケンタロウさんはどの映像が良かったですか?
- 元店主
- 私はなんといっても、高倉の勤めてる大学の教員室?かな、あのガラス張りの部屋。あれはメチャメチャかっこいい!ガラスの向こうには大勢の学生が居てワヤワヤ関係ないことしてて、こちらには高倉たちメインの出演者。そしてその手前をモブの人々が通り過ぎたりする・・・というあのポリフォニックな空間。しびれたわー。
- ヤマネ
- あそこ最高っすよね!あそこ、埼玉県立大学らしいです。あそこで日野市一家失踪事件の唯一の生き残りの女の子に話を聞くシーン。途中でガラスの向こうに居る学生の一人がフッとこちらを向くでしょ。あの“誰かに観られてる感”がゾクッとくるし、話が佳境に入ってくると、外に居る学生がポツポツと減っていって、教員室にも誰も居なくなって、さらに日が陰ってきて部屋が暗くなっていって、まるで取り残された尋問室みたいになっていく・・・。うますぎる。正に今、映画を観てる!!!という至福がありましたよね! それからボクは、日野市一家失踪事件の跡地である家屋を高倉が元同僚と観に行くシーン。あそこも同じくらいよかったっす。
- 元店主
- ここは強烈に犯罪の臭いがする、とか何とか言って二人で立ち尽くした後、カメラがグググーっと空に登っていって、空から独特の配置の二軒の家を映す・・・。私もあそこは思わず「おお!」と声が漏れたよ。
- ヤマネ
- ですよねー!あのコの字型の配置の家。なんの意味があるのかさっぱり分からないけど、とにかくコの字型の配置が恐い!不気味!そしてかっこいい!と思わせる映像。さすがです!楳図かずお的なフックが気持ちいいー。
- マツヤマ
- オレだってかっこいいと思った映像はあるよ。ラストの、スモーク焚いて如何にもスタジオで撮った感のあるクルマでのドライブシーンな。ヌーベルバーグ的だし、あの流れていく街頭は「あ、『アルファビル』」と思った。あのまま終われば、カッコいい映画として印象に残ったかもしれないが・・・。
- ヤマネ
- ボクはあそこはむしろ鈴木清順とか思い出しましたけど。メッチャ良かったですよね!まだまだ行くぞー、マックスー!とか、思わず西野を応援したくなりましたよー。
- 元店主
- 高倉が初めて西野の家を訪ねて、でも居なくて帰るじゃないですか。その後、西野の家だけが画面に映ってて、そこで「くるぞ、くるぞー」と思ってたら、やっぱりザザザーと風が吹いてきて、「ほらきたー!」とニヤニヤしてしまいました。やっぱ黒沢清は風だな。
- ヤマネ
- 西野の家の中も良かったですよね。特に鉄扉の裏にある地下室。なにこの表現主義的な内装!かっこよすぎるやん!と、建築家としても痺れまくりですよ。あんな部屋、よく作ったな、と。
- マツヤマ
- おう!あれは良かったな。玄関から入ったらいきなり「ありえねー!」って感じのゴシックな世界が展開してて、でもそんなの吹き飛ばすくらいかっこいい。『悪魔を見た』の死体処理現場みたいだったな。でも、だからこそ、あの中でのあれやこれやは物足りなかった。もっとグロくていいんじゃない?この映画、韓国でリメイクしたらもっと面白くなるかも。
- ヤマネ
- いや、それは全く別ものになるでしょう。そもそもこれR指定じゃないし、そこが凄いんじゃないですか。
- マツヤマ
- そうか?別にR指定なんかつければいいじゃん。なんかこの作品さ、そういった所が凄く中途半端だと思うんだよ。要するにテレビ放送したいんだろ?みたいな。出てる俳優も西島・竹内・香川の三人って、思いっきりテレビドラマ三人衆じゃん。なんかテレビ的なんだよなー、そういうの。R指定つけてテレビから自由になれば、『アイアムアヒーロー』みたいに痛快な作品が作れるのに。
- 元店主
- いや、それはちょっと違う様な・・・、だってこの作品、もの凄く“映画的”ですよ。黒沢清という人は、むしろ様々な制約を受け入れた上で、その中でどうやって素晴らしい語りをするか、という考えの人だと思うんです。そもそも作品を作るという事は、様々な制約を受け入れるという事です。問題は受け入れた制約の中で如何に映画を撮るか、という事で、“R指定をつけない”とか“テレビのトレンディー俳優を使う”という制約を受け入れる事が、そのままマイナスになる訳ではないと思います。むしろ、その方がいいものができる事だってある。ヘア解禁したからといって、エロス表現が進化した訳ではない、というのと似た事情ですよ。
- マツヤマ
- ふーむ、ならケンタロウさんの言うその“映画的”って、どういう事?
- 元店主
- 私が考えるに・・・テレビって、安易で分かりやすいイメージに何でもかんでも当てはめようとするメディアなんですよ。つまり人間の想像力を殺す。それがテレビ的なもの。で、映画は逆に人間の想像力を羽ばたかせるものなんです。それが私の考える映画的なもの。
- マツヤマ
- なるほどな。それなら・・・確かにこの映画は“映画的”かもな。西野がどうやって人々の心を操っていたのか、日野市で何があったのか、最初に西野の家に踏み込んだ警察はどうやって殺されたのか・・・などなど、全く描かない。でも、その後の展開でなんとな~く想像がつくようになってる。そのぶん、想像力が刺激されるよな。西野が結局何者だったのか、が最後まで明かされなかったのも良かった。そういった意味でなら、確かにこれは映画的。でもなぁ・・・オレは香川の演技とか、あまりにわざとらしく変人的で、テレビ的に思えたんだよな。
- ヤマネ
- えー、そうですかー?ボクは香川の演技は良かったですよ。なんかやりすぎで可笑しかった!クスクス笑っちゃいましたよー。むしろ西島の棒読み演技とかの方がシラケました。
- マツヤマ
- オレは西島は久々にいいと思ったが・・・でも、やっぱ全員それなりにテレビドラマっぽいと思ってしまったな。それが、いまいちノレない原因だよ。
- 元店主
- なるほど。マツヤマさんは役者陣がそもそもダメだった、と。なら、映像や演出はどうでしたか?
- マツヤマ
- うーん、確かに突出した映像があるのは認めるよ。演出も、まぁ、上手い。だけど・・・なーんか、全体で見ればダサいんだよな、オレ的には。すごく中途半端に思えるんだよ。だから、テレビに気を遣った妥協の産物に見えるのかもしれないな。
- ヤマネ
- むずかしいですねー。確かにこの作品はテレビで流せる様に作ってますよ。でも、そこが凄いと思うんですよねー。だって、ここまで高度で残酷なものがテレビで流れるって凄いことですよ。願わくば、この作品がテレビで放映されて、それを見た子供とかが人生の道を踏み外しますよーに!
- 元店主
- なに言ってるんだよ、ヤマネくん。そんなこと言うなら、まず自分の娘に『プリキュア』とか『アイカツ』とか見せてあげたらいいんじゃないか。
- ヤマネ
- えー!ダメです。あんなもの見せたら子供に悪影響が・・・。子供が「将来の夢はアイドルになること!」とか、なんやねーん!
- 元店主
- もし良かったら、私がヤマネくんの娘たちを『プリキュア』の劇場版に連れて行ってあげるよ。ちょうど私も『プリキュア』を見たかった事だし。
- ヤマネ
- わー!変態出現ー!もう二度とオパールには娘たちを連れてきませんからねー!
- マツヤマ
- わはは。オレも久しく息子をオパールには連れてきてないぞ。オパールはR指定だからな。わははは。
- 元店主
- ふー。じゃ、7月の課題映画を発表します。ランス・アームストロングを描いた『疑惑のチャンピオン』です!
- ヤマネ
- おおー!リブ・ストロング!是非ババさんに観て貰いたかった一品ですね!では、またー!!!
Comments
投稿者 オーソン : 2016年07月05日 22:36
とても楽しめました。鼎談で書かれている箇所以外では、オープニングの構図・壁の色合い、古い警察署の廊下、ご近所に挨拶へ行く時のパン撮影で映る給水塔と高倉・西野家、注射器・掃除機といった小道具、圧縮袋の素敵な使い方、といった所も良かったです。
西野の台詞(特にチョコレートと犬のしつけ)はちょっと真似したくなるキャッチーさがありましたね。かなり笑えました。でも、こんな感じの会話のかみ合わない人、たまーにお客さんとかで来るので、今後は西野を思い出して戦慄するかもしれません(汗)
原作も読んでみたのですが、主人公のキャラクターがまるっきり違って、やっぱり黒沢映画の主人公っぽくなっているなと思いました。西野もこんなに愉快なことはせず、普通(?)にサイコパスな犯人で、圧縮袋は利用せず、普通(?)に猟奇的な殺しをおこなっています(西野の過去の話も描いています)。
原作ありだけど、あくまでモチーフとして利用しているといった感じです(原作は原作でまあ楽しめました)。
欲を言えば、『回路』や『カリスマ』を観た時のような衝撃が欲しかったのですが、それは今後も期待できると思いますし、とにかくコンスタントにそれなりの予算をかけた映画をとり続けてほしいです。
あと、小さな不満点としては、火災シーンでの火のCG、もう少しなんとかならないものかとは感じました。
投稿者 uno : 2016年07月08日 21:16
こんばんは。
これ、めっちゃ怖いやつちゃうの。。。とビビりつつ見たんですが、上映直後そんなに怖くなかったな~、なんて思ったのも束の間、その晩しっかりナイトメア。
初、黒沢清です。(そんなんばっか)
上映中モヤモヤしました。鼎談で元店主さんが言ってるモヤモヤとはまた違うと思うんですが。
モヤモヤしたのは、いくらなんでも都合よく話が進みすぎだろう、ってとこなんです。西野の家の隣に高倉が引っ越してくる、それはまあいいとして、高倉が日野市一家失踪事件の事に興味を抱くのは同僚のPCを覗いた時の偶然、日野市の事件と西野を結びつけるのは犬の散歩で家の方を振り返った時に偶然。でもこれは偶然なのか必然なのか。。。
で、そんなことを考えていると、西野のトラップが周到に張り巡らされている部分が多分にあって、これは必然なのか。。。と思うようになってきたんです。西野って食虫植物みたいな奴だよなあって。
最後、次の標的となる家を廃墟となったビルから双眼鏡で見た時の西野の自信に満ちた顔。西野は電車に乗って方々を廻り、標的を探してた。そして標的が西野に心を許すのを待つ。怖っ!
香川照之のあざとい演技が良かったなあ。くどくて最高。あと西野の娘の不気味さ。
地下室が凄く格好良かった。これも西野が作ったんでしょうか。。。あと、繰り返し映る何の変哲も無い玄関が怖くなってくるんですよね。そこ入ったらアカンて。。。
オープニングで警察署の取調室の格子の間に出演者の名前の漢字がぴったり嵌まってたのがまた猟奇的かつ格好良かった。
最後に、16号線を北上する車のシーンですが、私は竹内結子が運転しているのを見てヒッチコックの「サイコ」を連想しました。窓から写る景色もなんだかチープで。確か左ハンドルだった。
思い起こしながらジワジワきてます。
投稿者 元店主 : 2016年07月11日 03:19
二人とも、いつもコメントありがとう。二人のおかげで、この面倒な鼎談を続ける気力が保ててると感謝してるよ。
と、言った先から何だけど、二人とも、最近のコメントは怠惰だよなぁ。
単に自分の感想をダラダラと綴ってるだけになってる。鼎談とかちゃんと読んでる?と不安になるくらいだ。できれば、もうちょっと頑張って欲しいんだけど・・・。
オーソンはあまりに受動的だね。自分の好きなものが流れてくるのを漫然と待ってるお客様感があるよ。
>欲を言えば、『回路』や『カリスマ』を観た時のような衝撃が欲しかったのですが、それは今後も期待できると思いますし、とにかくコンスタントにそれなりの予算をかけた映画をとり続けてほしいです。
この文章とかあまりに怠惰すぎないか?せっかく書くからには、もうちょっと積極的に自分の頭を使おうよ。
ウノピは・・・、なんかやっぱ根本的にリテラシーに問題がある様な・・・。とりあえず、西野が周到に張り巡らした多分のトラップ、って奴がなんなのか、教えて下さい。
投稿者 オーソン : 2016年07月11日 11:01
>この文章とかあまりに怠惰すぎないか?せっかく書くからには、もうちょっと積極的に自分の頭を使おうよ。
うーん…。では、補足を。西野と高倉一家のドライブシーン、黒沢映画ではいつものやつですが、異界へ連れていってくれるような高揚感があって盛り上がりました。ですが、到着地がそれほど格好良くない廃墟だったので、ちょっと「アレ?」と。ここまでに出してきた場所より異界感がなかったんで。よく似てるなと思う『CURE』の廃墟が禍々しく格好よかっただけに尚更です(対応する場所は西野の地下室になるんでしょうが、クライマックスの場面なので一捻りしたものを観たかった)話の結末はあれでいいとは思うんですが、映像的に小さな所に収まった感がどうしても否めなかったです。
あと、俳優に関しては、僕は竹内結子がとても良かったです。ラストの号泣シーンは鬼気迫るものがありました。
投稿者 元店主 : 2016年07月11日 12:56
おおっと、さっそくの返答、嬉しいなぁー。
そうだね、オーソンの言いたい事は分かるよ。私がなぜこの映画にモヤモヤきたかというのは、鼎談でも言ってる様に『CURE』にそっくりだから・・・というものだけど、むろんそれだけではなく、『CURE』にそっくりだけど、『CURE』ほど面白くない、という事なんだ。それは『CURE』ほどハッタリが効いてない、ケレン味が薄い。わけわからん感がない、ということ。なんかこの映画、小ちゃいんだよね。西野の地下室とか、確かに非現実・異界感のあるシーンもあるんだけど、全体的には現実的で、俗っぽく、小ちゃい。そこにモヤモヤくる。
オーソンはなんでこんな事になったと思う?トレンディーテレビ俳優を使ったから?原作つきだから?それとも、この映画を小ちゃい・何か足りないと考えてしまう我々には気がつかない何かがある、とか?そこを、考えて欲しいとか思うわけだ。
竹内結子は良かったよね。私も、あの三人の中では一番良かったかも。ってか、こんなに上手い女優さんだったっけ?とか思ってしまった。ただ・・・最初からあんなに隣の家と仲良くしようとするの変じゃない?まぁ、最初から西野に魅入られていたという事だと思うんだけど・・・。
投稿者 uno : 2016年07月13日 23:29
>とりあえず、西野が周到に張り巡らした多分のトラップ、って奴がなんなのか、教えて下さい。
多分は言い過ぎました。私は西野が前もってターゲットを探し出し、警戒心を解くために周到にターゲットに近づいているように感じました。また元店主さんがオーソンさんとのやり取りの中で書かれている、高倉の妻が隣の家と仲良くしようとすることの不自然さに関して、私は西野には不思議な魅力があって西野自身もそれをよく理解し利用をしているのだと思いました。トラップと言えるのか自信が無くなってきましたが、そういった点をトラップと書いています。
投稿者 オーソン : 2016年07月14日 19:18
>オーソンはなんでこんな事になったと思う?トレンディーテレビ俳優を使ったから?原作つきだから?それとも、この映画を小ちゃい・何か足りないと考えてしまう我々には気がつかない何かがある、とか?そこを、考えて欲しいとか思うわけだ。
俳優は、良かったので影響はないかと僕は感じてます。黒沢監督の映画では、ドラマによくでてそうな人を出演させてますし。
原作つきだという事もあまり影響はないように思います。登場人物の性格・職業から結末まで大きく変更してますから。やろうと思えば、もっと飛躍した話にできたと思います。
じゃあ、気づかない何かがあるのか?…う~ん、わからないですねえ…。黒沢映画の中でも一番きれいにまとめた映画という感触を得ています。だからこそ、物足りなさを感じているのかも知れません。
ただ、ここ最近、まとまりのいい(=既視感のある)黒沢映画が多かったので、そろそろとんでもないのを作ってくれそうだという予感(願望?)があります。
>ただ・・・最初からあんなに隣の家と仲良くしようとするの変じゃない?
変ですよね(笑)。ただ、最初から隣家に「手作り」チョコを持っていく所からも、外との関係を築きたい気持ちがすごく強いんじゃないかとは感じました。
そして、竹内結子が「市販の」クッキーを夫と一緒に食べるシーンも良かったです。ここまで、色々と手作りしていたけど、一番幸せそうな表情をしていたと思います。
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