ジョン・ウィック [強制起訴シリーズ]
起訴者: 元店主
強制起訴シリーズ59弾
ジョン・ウィックは最愛の妻を病気で失い、暗く落ち込んでいた。そこに、一匹の犬が届く。それは自分の死後のことを心配していた妻からのプレゼントだった。「あなたは私以外はクルマにしか興味がないんだから心配。この犬を私と思って可愛がって」という妻からのメッセージを受け止め、犬を可愛がるジョン。が、ある日、街を牛耳るロシアン・マフィアのどら息子が、ジョンのクルマに眼をつけたから大変。脅してクルマを譲れと迫るどら息子だが、ジョンに軽くいなされたのにブチ切れ、深夜にジョン宅に侵入し、鳴きわめく犬を殺し、クルマを奪って去っていった・・・。怒りに震えるジョン。しかし、相手はロシアン・マフィアだぞ?どうする?・・・いや、どうするもこうするもないのであった。なぜなら、ジョンは引退した伝説の凄腕殺し屋だったのだから・・・。
自らもアクション映画を撮ってしまう程のアクションマニアのキアヌ・リーヴスが、渾身の力を込めて放つガン・フーアクション!!!
- ヤマネ
- えー、コホン。お二人ともどうでした?
- 元店主
- 私は・・・まぁまぁ、かな。それなりに、面白く観る事はできたけど・・・
- マツヤマ
- オレも同感。それなりには楽しめた。でも、後半は退屈だったかな。
- ヤマネ
- ふむ。わかります、わかりますよー、その感じ。ボクも似たような感覚です。でも、ボクはこの映画、嫌いじゃないですよ!だってキアヌ好きですから!
- 元店主
- え!ヤマネ君、キアヌのファンなの?それは・・・知らんかった。
- ヤマネ
- そうなんですよー。「スピード」でファンになったんです。キアヌかっこいー!って。あんまりカッコいいんで、当時のボクは「スピード」のキアヌと同じTシャツを自作して着てました!
- マツヤマ
- そ、それは・・・ひくなぁ。大体、キアヌなんて女子受けじゃないの?「優しそー」とか言って。オレの中では松浦弥太郎と同じカテゴリーだが・・・男でファンなんて居たのか。
- ヤマネ
- なに言ってるんですか!エドガー・ライトもキアヌの大ファンなんですよ!この映画も激賞してました。キアヌは凄くいい奴なんですよー。一応大スターなのに、普段からひとりでウロウロしてて、公園のベンチでひとりでご飯食べたりしてるんです。ウフ。誕生日もひとりで祝ってる所が目撃されてます!ホームレスとも仲良くしてて、興が乗ったら一緒に話し込んでそのまま路上で寝たりしてるんですよー。で、アメリカでは“ぼっち飯のキアヌ”とか言われてバカにされたりしてるんです・・・。キアヌー!
- マツヤマ
- そうなのか。それは確かに好感が持てるが・・・でもそれは本人の話であって、役者としてはまた別だろ。相変わらずダイコンにしか思えなかったけどな、オレは。
- ヤマネ
- むむ、確かに演技はもっちゃいんですけど・・・んー、アクションもなんかもっちゃかったですねー。銃のリロードとか、あんまカッコ良くないし、そもそもそんなに強そうに見えない。
- 元店主
- まぁ、それはリアル志向なんだと思うよ。これ、キアヌは自分でほとんどのアクションをこなしてるでしょ。しかも、カット割りが少ない。長めのワンカットでほとんどのアクションをやってるんで、そこいらにキアヌの本気度を感じて好感は持てるんだけど・・・それが映画的に効果をあげてるかというと、微妙かなぁ。
- マツヤマ
- 大体、なんか韓国映画で観たようなシーンが多くて、韓国アクション映画の劣化コピーにしか思えなかったんだよな。個々のアクションシーンも、そら韓国映画に負けてるんだけど、一番の違いは、痛みのある・なしだよ。韓国映画って、痛いだろ。それが大切。暴力の痛みを知らしめる。ところが、この映画は、ちっとも痛くないんだよ。むしろゲーム感覚。拷問シーンなんて、ほぼスルーだし。それが、オレ的にはダメ。
- ヤマネ
- んー、分かるんですけどー。でも、ボクはこれはそういう映画じゃないと思うんです。なんか弱そうな奴が居て、悪い奴がメチャメチャなめながらそいつにチョッカイを出したら、実はそいつは最強だった・・・っていう、観てるこちらの溜飲を下げる映画なんです。最近だったら「96時間」「ランオールナイト」「イコライザー」「るろうに剣心」「アジョシ」・・・とか、そんなの。こういった映画は、別に痛みのある・なしは関係ないと思いますよ。まぁ、「アジョシ」とか痛くて最高のもありますが。
- 元店主
- 水戸黄門とか遠山の金さん、みたいなもんな訳だね。それは私もそう思うけど、でもそういった話ってさ、弱い奴と思われて抑えてた時と、本性を現した時の対比が肝だと思うんだけど、それが弱くない?この映画。
- ヤマネ
- むむー、まぁ、それがこの映画では、「ジョンの犬を殺しちゃったの!マジー!!」というマフィアの親父の動揺振りとかで表してるんでしょうけど・・・ちょっと弱かったですかね。
- 元店主
- あと、音楽がダサかった。まぁ、キアヌもダサいんで、あってるといえばあってるんだけど。B級感覚?
- ヤマネ
- むー、キアヌはバンドもやってましたからねぇー。うーん、確かに音楽はちょっと・・・、あっ!そういえばキアヌ(ジョン)の家は良くなかったですか。美しい!と思いましたけどね、ボクは。ただ・・・机の上にアルヴァロ・シザの写真集が置いてあったんですよ。ポルトガルのポストモダニズム建築家なんですが・・・そらやりすぎ。ダサいかも・・・。
- マツヤマ
- ガン・フーはどうだったんだよ。特殊部隊が使うみたいな接近戦用のガンスタイルと、柔術とかのマーシャルアーツの組み合わせ、って別に目新しくもないんじゃないか。オレはパッとしなかったけどな。
- ヤマネ
- むむむー、確かにボクも、タイマン勝負ならともかく、集団戦でそんなに寝技使ったらマズいやん、とか色々思ったんですけど・・・むー、やっぱもさかったか。「リベリオン」のガン・カタの方が、見栄えは良かったですね。オッホン。
- マツヤマ
- そもそも「鉛筆だけで3人殺した」とか「絶対不可能な殺しをやり遂げた」とか、大きくぶち上げた割には、全然ジョンが強そうにみえない、というのが問題だよ。なんか、必死だろ。無様だし。たまたま運がよくて辛勝した、って風にしか見えないよ。口先ばっかりの映画なんだよ、これ。
- ヤマネ
- いや、だ・か・らー、その無様な闘いっぷり、その必死で頑張ってる感が、キアヌの魅力なんですよ!キアヌは多分、自分がハリウッドスターである事に居心地の悪さを感じてるんです。ホームレスと意気投合しちゃう人ですから。だから、そんな無敵のヒーローなんて似合わないんです。いつも必死で無様でガンバテッル。それがキアヌなんですよ!
- 元店主
- まぁ、それはいいよ。確かにキアヌに悪印象は持てない。アクションも頑張ってしたし、ディスコでのアクションシーンとか結構カッコ良かった。でも、映画に関してはやっぱ色々言いたいことはあって・・・例えば、敵がイマイチだったのが残念だった。ジョンの好敵手になりそうなのは二人いて、女殺し屋とデフォー。でも、女殺し屋はあっさり他人に殺されちゃうし、デフォーは実は、というかやっぱり味方だった、という。で、なんとラスボスはマフィアの親父だった!という展開はなんとも・・・。お前、実は強かったんかい!って、そっちの方がジョンの時より驚いたよ。いや、ラストの雨の中の親父とジョンのバトルシーンは笑ってしまった。
- ヤマネ
- でしょー!実はあそこは名シーンなんですよ!
- マツヤマ
- マジかよ。最後は素手でタイマン勝負だ!とか言って、銃を捨ててマーシャルアーツで闘うって、どんだけ中二病なんだよ、キアヌ。でも、確かにラストの犬を連れて帰る展開は・・・笑ったけどな。
- ヤマネ
- でしょ、でしょー!実はあそこも名シーンなんです!
- マツヤマ
- んな訳ないだろ!けっこうトホホなシーンで笑ったんだよ!
- ヤマネ
- いや、そのトホホ感がキアヌの魅力な訳で・・・要するに、二人ともすっかりキアヌの魅力に嵌ってしまったという訳ですね!みんなでキアヌのファンクラブを立ち上げましょうよ!
- 元店主
- そんなことしないよ。・・・えーと、マツヤマさん、次の起訴映画は何ですか?
- マツヤマ
- おっと、次はオレが選ぶのか。そうだな、次の映画は・・・
- ヤマネ
- ええ!「ノックノック」ですか!またしてもキアヌの映画ですね!
- マツヤマ
- んな訳ないだろ!そもそも「ノックノック」は来年公開だよ。次の起訴映画は・・・「ムーンウォーカーズ」だ!
- ヤマネ
- ええぇ〜、テンションだだ下がり〜。陰謀論の映画じゃないんですか〜、これ〜。
- マツヤマ
- うるさいよ。なんか一応コメディらしいぞ、よく分からんが。
- ヤマネ
- ふむ、でもこの題名、もしかしたらマイケルが関係あるかも・・・ってな期待も込めて、また次回!
Comments
投稿者 uno : 2015年11月05日 12:20
いやあ、なんだか牧歌的ですらありホッコリしました。
好きです、この映画。
キアヌ・リーブスって「スピード」をテレビで断片的に見たくらいしかなかったんですが、思ってたイメージとかなり違ってました。
まず、第一印象がデカっ!コーヒーメーカーで淹れたコーヒーを飲む時の背中を見たときに、こりゃ鍛えてるなと。(コーヒーメーカーの電熱部分に落ちたコーヒーがジュッってなったのが最初のホッコリでしたが、序章だったとは。。。)
動きがもっさいのは、身体がデカイからだと。何よりグッときたのが、アクションを自分でやっている。何だか、俺はこういうのをやりたかったんだ感が滲み出ていて、見ていて楽しかった。至近距離で相手を投げ飛ばしたり締めたりとやりたい放題で、そんなん撃たれたら終わりやん!と思いつつ全然ハラハラしないのはジョン・ウィックだから。
ロシアン・マフィアの間抜け息子をあと一歩のところで取り逃がすなんて、ありえん!でも許す、と思ってしまうジョン・ウィック。
そして胡散臭い雷雨の中、ボスとタイマンを張る時、何故か二人のもっさり&アジアンテイストな動きがキュートにすら映る。ここにスティーブン・セガールが出てきたら完璧!なのに。
「鉛筆で三人殺した」って台詞を聞いた時は、どうやって?としばらく考え込んでしまいました。まさに名言ですね。いつか使ってみたいです。
何だかよく分からないんですが、現代のマカロニとすら感じています。
謎のコインも最高!
キアヌの旅はまだまだ続きそうです。
投稿者 元店主 : 2015年11月07日 02:12
うのぴへ
キアヌファンがまたひとり、産まれたか・・・。
なるほど。私にはいまいちよく分からないんだけど、ある種の人にはキアヌはとっても魅力的なんだね。つまりこれはキアヌ萌えの映画である、と。うん、ビル・マーレー萌えの映画よりはずっといい、と私も思うよ。
来年の「ノックノック」も是非観てくれ。イーライ・ロスの映画だけど。
投稿者 オーソン : 2015年11月07日 21:48
僕はダメでした…。
ロシアン・マフィアのドラ息子に侵入され、愛犬を殺されるところでは、いくら不意打ちとはいえあんなに簡単にのされちゃっていいのかと思いました。これだと、殺し屋に復帰するため、わざと愛犬を殺させてるのかと勘ぐってしまいます。ラストに連れて帰った犬、また殺されないかと心配してしまいました。
自宅にある銃を掘り出すシーン、いくらなんでも厳重に埋め込みすぎなのでは?必死で掘っている姿はちょっと面白かったですが。この銃の隠し方も、殺し屋をしないアピールが強すぎて、逆に復職したくてしょうがなかったんだなあと感じ入った次第です。
アクションは…重たかったですね(汗)
ボスとの最後の闘い、まさか銃を捨てての格闘とは…これは予想外でしたが、決してみたい場面ではなかったかと(汗)
自分はキアヌ萌えへの道はまだまだ遠いと痛感いたしました。
投稿者 元店主 : 2015年11月08日 02:57
オーソンへ
うん、確かに。
>自宅にある銃を掘り出すシーン、いくらなんでも厳重に埋め込みすぎなのでは?必死で掘っている姿はちょっと面白かったですが。
このシーン、面白かったよね。うのぴも、このシーンで笑った!と言っていた。で、そんなシーンに対して「なんかキアヌって好感持てるよなー」となるか、「なんかマヌケでひくなぁ・・・」と思うかで、キアヌ萌えへの道は別れるわけだ。オーソンはひいちゃった訳だよね。
そしてラストのマフィア親父とのタイマンファイトは私もビックリしたけど、声をあげて笑ってしまった。そして、ちょっぴりキアヌが好きになった。まぁ、萌えるにはほど遠いけどね。オーソンはここでもひいてしまった訳だ。劇場で茫然とスクリーンを見つめるオーソンの姿が眼に浮かぶよ。ははは。
あ、オーソンも「ノックノック」を観てみたら?キアヌが女の子に酷い目に合わされる映画らしいから、オーソン的には楽しめるかも?
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