新年恒例 オパール映画ベストテン 2014年 【その2】 [ベストテン]
インターステラー
- マツヤマ
- 3位が「インター・ステラー」ということなんだけど、これ、オレとヤマネくんが2位に選んだからそうなっただけで、ケンタロウさんベスト10に入ってないよね? オレ、ケンタロウさんに「超オススメ」されて観に行ったんだけど、何で?
- 元店主
- いや、私もすごく良かったと思いましたし、ベスト10に入れても良かったんですが、まだ観たばかりで印象が強いというのは、半年以上前に観た作品にとってはハンデになりますから。同じ時期に観た2作品の内、ひとつを選んだわけです。
- ヤマネ
- それが「ゴーンガール」ですね!なら、ケンタロウさんは「ゴーンガール」の方が良かった、と。ボクは、ジャージーボーイズがあったので仕方がないですが、例年なら一位だな、と思うぐらい良かったですよー。ノーランは駄目だと思いかけてたのに、こんな萌えるSF撮るだなんて! 観た年が悪かった!
- 元店主
- うん。私も「ノーランはダメ!」と常々公言してただけに、今回のはビックリした。ノーラン、いいやん!と。
- マツヤマ
- オレは同じ時期に観た「チェイス」を入れたけどな。
- ヤマネ
- 「チェイス」は今になって、もしかしたらすごく良い映画なのかも?と思うようになりました。だからもし観たのが半年前とかだったらベスト10入りしてるかもしれませんね(笑)。
- マツヤマ
- なんだよそれ! オレは観終わった直後は、これが今年の1位間違いなしと確信したぞ。
- ヤマネ
- たった半月余で4位に落ちてるじゃないですか。しかもそれ以降に観た上位作品は「インター・ステラー」だけやし。
- 元店主
- 確かに「チェイス」は面白かったし、アミール・カーンも素晴らしかったけど、個人的にはベスト10に入るタイプの映画ではないかなー…。
- マツヤマ
- フンっ、 どうせ田舎もんのチョイスは節操無しだ!
- ヤマネ
- まぁまぁ、そういじけずに「インター・ステラー」にお話しを戻しましょうー。まずボクは父親と娘の話というところで感情移入して観てしまいました。マッケンジー・フォイちゃんが、凶悪的にかわい過ぎ!あんなん、絶対「STAY」選ぶわ。それなら、そこで話終わりますが。それはそうと、「2001年」のように謎が多くて深く感じるのもいいですが、誰も確かめようがない、5次元世界はこういうものだ! ワームホールはこんな映像だぜ!バシ!っと逃げずに決めてるのが、カッコいいぞノーラン、と思いましたね!!
- 元店主
- 確かに、そこは良かった。事象の地平面、とか言われてもピンとこないもんね普通。それをやっちゃうのがいい。しかも、CG感じゃなく特撮感に溢れてるのも好印象だった。
- ヤマネ
- マット・デイモンの存在も素晴らしかったですねー。ああいう非常に人間臭い自己愛に生きる科学者が出てくることで、愛こそが世界を救う、という方向にならなかった。クーパーも結局娘への愛しかないですもんね!最後は老婆になってたからさっさと放り出して行ってしまうけど。まあそんなことより人工知能ロボットのTARSの着ぐるみっぽいのが最高でしたね。
- マツヤマ
- ああ、あのNHKの人形劇みたいなヤツな。
- ヤマネ
- 最初、人が中に入ってるかとハラハラしてたら、めちゃくちゃ有用にトランスフォームしたりして・・・唖然とした。
- 元店主
- あれはどう見ても「2001年宇宙の旅」に出てくるモノリスの引用で・・・ってか、随所に「2001年」へのオマージュに溢れてるんだけどこの映画、でも「2001年」のように哲学的な感じではなく、分かりやすーいファンタジーになっているのが良かったよね。ノーランには多分、哲学や文学みたいなハイブロウなものに対する憧れがあって、それが今までの作品をダメにしてたんだけど、本来はマンガの人なんだというのがよく分かった。この路線でいくべきだと思うな、今後のノーラン。
- ヤマネ
- そうですね!まぁ、ノーランの作品は常に日本のマンガのパクリだ、というのはよく言われてますからね。本人は絶対に言わないですけど、きっとノーランは映画に必要な事は全て日本のマンガから学んだんですよ。
- マツヤマ
- オレも、矛盾点を屁理屈で返すような七面倒くさいヤツ、というノーランのイメージが180度変わったよ。ああいうやつと酒飲んだらめんどくさいんだよなーって思ってたから。・・・で、言わせて貰うと、オレがクライマックスで背中に汗をかいた映画は2つのみ。「インター・ステラー」と「2001年宇宙の旅」だ!
- ヤマネ
- アレ〜、マツヤマさん「チェイス」でも背中に汗かいたって言ってませんでしたっけ〜?
- マツヤマ
- あ、あれは・・・、クライマックスじゃないだろう!冒頭部分だもん。だから、セーフ!
- 元店主
- 「チェイス」の中では、あそこがクライマックスのようなもんですが・・・。ところでマツヤマさん的には「インター・ステラー」のどんなところが良かったんですか?
- マツヤマ
- まぁ、グッと来たのは、選民思想、優性思想のようなキリスト教的なプランを否定して、愛とはもっと個人的なものだと・・・
- ヤマネ
- ハイハイ、なんか七面倒くさいから4位の「グランド・ブダペスト・ホテル」に移りましょうかー。
グランドブダペストホテル
- ヤマネ
- ウェス・アンダーソンって去年は「ムーンライズ・キングダム」がオパール・ベストで堂々1位でしたね。
- マツヤマ
- と言っても3人とも観ていたというだけで、全員3位以下だったけどな。オレはこっちの方が好き。ウェス・アンダーソンって、良くも悪くも「箱庭映画」って言われるんだけど、オレはむしろそこが好きで、壁の穴から知らない世界を覗くような感じで、今回はよりそれっぽい。どのコマを取ってもちゃんとした絵になってるしな。
- 元店主
- そうですね。構造自体が入れ子になってる作品ですもんね。箱庭感は強いかも。
- ヤマネ
- ボクは個人的には「ムーンライズ・キングダム」の方が映像世界的に好みでしたがねー。横スクロールが多くて気持ちいいし、少女がアルコーブのソファに腰掛けるインテリアの雰囲気など、そりゃもうビリビリきたんですが。「グランドブタペストホテル」はより完成度も高く、美意識も凝縮されていたんだけど、塗りたくった絵画的過ぎてなんか物足りない。いや、足りないんじゃなくて、溢れてるんですよね。とっても満足出来るコースをがっつり食べさせてもらったんだけど、しばらくいいや。って感じ。
- 元店主
- 私も、好みで言えば「ムーンライズ」の方だけど、今回のは編集が凶暴なまでに冴え渡っていた。脱獄するシーンなんて、もうあまりの凄さに呆気にとられてしまって・・・。やっぱ凄いわ。あと、シアーシャ・ローナンが出てるので、かなり点数があがったかな。
- ヤマネ
- ボクはブルース・ウィルスが出てなかったので、前作より点数が下がりました。
- マツヤマ
- 訳分からんこと言うなよ!
- ヤマネ
- あ、でもオーウェン・ウィルソンのいい加減な出演振りは良かったかな。ちょっと点数あがったかも。
- マツヤマ
- ・・・・・・。
新しき世界
- マツヤマ
- で、気を取り直して・・・5位が「新しき世界」。オレが2位にしたヤツだ。
- ヤマネ
- これは、マツヤマさんのオススメということで観に行ったのですが、めちゃくちゃ面白かったですよ!
- 元店主
- 残念!私は見逃しました。
- マツヤマ
- 潜入捜査もの、といっても全体的には日本のヤクザっぽくて、女の存在が薄いから笠原脚本版の「仁義なき闘い」といった感じだ。
- ヤマネ
- 登場人物の顔がみんなカッコいいんですよねぇ。そんな所も「仁義なき闘い」っぽい。今の日本映画では無理ですもんね、そんなの。みんな同じ様な個性のない顔の役者ばっかりだし。そこらは完全に韓国に負けてますねー。ボク的には潜入がバレそうになるところの緊迫感がたまらなかったです。
- マツヤマ
- あそこはオレもヒヤヒヤして背中に汗かいたぞ。
- 元店主
- なんか、頻繁に汗かいてません?
- ヤマネ
- 次の回でその席に座る人は不幸ですね。
- マツヤマ
- そこまで言うか!その3に続くぞ!
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