京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

Home > レビュー >

サブメニュー

検索


月別の過去記事


2015年01月02日(Fri)

チェイス! 強制起訴シリーズ

起訴者: ヤマネ

強制起訴シリーズ49弾

興収も製作費もインド映画歴代No.1! 『きっと、うまくいく』で、世界に感動を届けた、インド国宝級俳優アーミル・カーンを迎えて、地上、水上、空の上を駆け巡る驚異のアクロバット・チェイスが絢爛豪華に開幕!世界よ、これがインド映画だ!!

マツヤマ
面白かったなー!全く期待しないで観て、凄く楽しかったし、すげえ得した気分だわ。
元店主
うん、単純に楽しかったですね。ほとんどマンガだけど。
ヤマネ
まさに、ゴージャスでしたよね!ストーリは、こうです。「マジックとダンスを融合したゴージャスなショーを繰り広げて、シカゴ中を熱狂の渦に巻き込むサーカス団を率いる天才トリックスター:サーヒル。その裏の顔は、幼いときに父を破滅に追い込んだ銀行への復讐を誓い、犯行を重ねる腕利きの金庫破りだった。」 ・・・あらためて思ったんですけど、あんた、金庫破りとかしてる場合じゃなくて、サーカスもっと頑張って見返してやれよ!と。
マツヤマ
いやいや、そこは銀行破るとこが痛快なんじゃないか。新興国インド(人)が、アメリカの大銀行を破綻に追い込んだり、「銀行は人を救わない」とストレートに言ってしまうのが気持ち良い。何よりも「銀行家ども、地獄でくたばれ!」のメッセージが素晴らしい。オレも言ってみたいぞ!
ヤマネ
はは、そこがイイのは言われてみれば、そうなんですけどねー。ストーリーは大して気にしたら駄目な映画でした。でも、サーカスを主題に持ってきたのは凄く慧眼だったと思う。インド映画に必須の歌やダンスシーンってもちろん素晴らしいんだけど、見慣れていない国の人々には唐突に感じるし、そこを違和感なく差し込む為にサーカス団を使うというのがうまい。完全に視線が世界を向いてますね。実際、世界中でヒットした訳だから・・・大当たり!
元店主
ヤマネ君はサーカスが好きだからなあ。今のサーカスってあんな感じなの?シルク・ドゥ・ソレイユみたいだったけど・・・。なるほど歌と踊りがストーリーの中に自然と組み込まれていたのはその通り。でも、それは洗練なのかな?私としては、もっと唐突に歌って踊って欲しかったんだけど。それこそ、インド映画印でしょ。うーん、あ、もしかして、ダンスシーンカットされてるのか、これ。
ヤマネ
監督が、シルク・ドゥ・ソレイユを目指したと言ってますね。実際あのロープを使った演目は主演二人とも美しくこなしてました。本来ステージに立つには20年ぐらい修練が必要な演技なのに、アーミル・カーンと、カトリーナ・カイフは4ヶ月でマスターしたらしい。まあ、本人がやったのは一部でしょうけど、二人の身体の動きを観ると、マジで全て出来そうに感じましたyo!
元店主
あれは、本物だろう。役者の存在感がハンパなかったし。スター!!!という強烈な自覚が滲み出ていてほんと素晴らしいよ。そしてまた、そのスターの見せ場をしっかり作る演出も見事なもの。インドにはスターがまだ居るんだな。日本にはすでに居ないけど。・・・そういえば「嗤う分身」で、ジェシー・アイゼンバーグも一人二役やってて、まぁ、頑張ってたんだけど・・・アミール・カーンに較べたら全然。格が違う感じ。アミール・カーンは二人の違う人間に見えたからね、一人二役というより。
ヤマネ
あー、そのネタバレ言っちゃいますかー。別に隠さなくてもいいんですけど・・・要するに、主演のアミール・カーンは双子の一人二役なんですね。しかも「プレステージ」とは違って、映画の前半にそのことをばらしちゃう。単に一人二役じゃなくて、さらに表の顔(サーカス団)と裏の顔(銀行破り)を持っているという、まさに、アーミル・カーンの演技力に全てを託した作り。これで49歳だとは!「きっとうまくいく」では学生の役。どんだけ凄いねん、あんた。
元店主
確かに、これはアミール・カーンによる、アミール・カーンのための映画だった。いやー、スターって素晴らしい。
マツヤマ
オレはアミール・カーンがMr.ビーンに似すぎていて、気が気でなかったけどな。特に軽い自閉症なのか、単なる言語障害なのか微妙なサマルを演じてる時ね。「トロい方」とか直球で字幕出てたけど・・ヤマネ君の顔が浮かんだよ。
ヤマネ
ええー!トロい方だなんてひどいー!!・・・あ?Mr.ビーンってことですね?うん、了解。ボクは昔からMr.ビーン好き?、じゃなくて、ローワン・アトキンソンに似てるねって言われてきましたからね!今、それが褒め言葉だったということに初めて気がつきました。わーい。 アーミル・カーンにも親近感がわきますよ。ボクぐらいの容姿でも才能と努力が実を結べば、インド10億人のトップスターになれるという事じゃないですか!やっほー!
マツヤマ
去年、ビルゲイツがインドに行って、是非合いたいといった人物、それがアーミル・カーン。米タイム紙が選ぶ2013年「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたアーミル・カーン。入念な役作りや、積極的な社会活動などにより、「ミスター・パーフェクト」とインドで呼ばれている、アーミル・カーン…
ヤマネ
み、耳が痛いー!・・・すみません、顔が似てるだけじゃ全然駄目でした。つーか、顔はパーフェクトじゃないだろ、アミール・カーン。ボクと同じ顔なんだし。

結論1アーミル・カーンは凄い!

マツヤマ
この映画はアーミル・カーンが主演のようだけど、実は、違うんだよな。「ドゥーム」シリーズの3作目で、シリーズを通した主役は刑事二人の方。
元店主
私もそれ、映画を見終わってから知りました。ムンバイ警察のジャイ(アビシェーク・バッチャン)とアリ(ウダイ・チョープラー)が主演のシリーズなんですね。彼ら二人が毎回主演級の犯人と対決する、というシリーズで、7年ぶりの新作らしい。3作とも観てる人に言わせれば、どんどん、二人の存在感が薄れていっているらしいのですが・・・いや、良かったですけどね、二人とも。最初にジャイが登場するスローモーションのシーン、長くって無駄なんだけど、ひょっとしてカッコいいかも???とクラクラしてしまいました。
ヤマネ
最初から犯人がわかってるのは、古畑任三郎スタイルですね。ってそこは、刑事コロンボか。そのスタイルだと、やはりサスペンスではなくて、人間ドラマ中心になりますからねー。そこ中途半端に弱いのも愛嬌ですか、てへ。
マツヤマ
ジャイは常にニコラス・ケイジのような妙な存在感があって、オレ的にはバッチグー。ヘリコプターの梯子にぶら下がっているシーンには思わず吹いた。大まじめにやっている様なのに、可笑しさが満載。やはり役者が女優も含め魅力あるよなあ。
ヤマネ
アリって、女に弱く、頭も悪く、駄目な刑事っぽいのに、バイクに乗ると急に出来るっぽいやつになる。なかなかいいキャラですよ。妄想シーンとか(笑)。あと、カットされていない本国バージョンでは当たり前のようにアリのダンスシーンとかがあって、ノリノリらしいですよー。いいなー、そっちが観たい。バイクアクションの時も必ずスローモーション。めちゃくちゃトランスフォームするバイクは当然、ゆっくり見て欲しいわけだ!わかるぞー。
マツヤマ
スローモーションが多過ぎていい加減イラっとくるところもあったんだけど、最初のビルの壁を走り降りるところ!あそこは効果的で度肝を抜かれた。思わず背中から汗が噴き出したよ。あの顔見せで勝利だろ。
ヤマネ
バックで紙幣がブワーっと空を舞う中、リズムの良い音楽と共にビルを駆け下りるのは、ビジュアル的にもキャッチーでしたよね。つかみはバッチリ!
マツヤマ
滅茶苦茶スローなバイクでの綱渡りのシーンも、そこに電車を交差させるサービスにも感激したなあ。そして、タップダンスのエンディングで大満足!・・・と思ったらまだオープニングだったりして。序盤でもうすでに一本観た気分。得した感じだなー。・・・結局、踊りのシーン以外はスローモーションばっかりなので、踊りのシーンはキレが良く感じ、より楽しく乗れたんだと思うよ。
元店主
スローモーションの多用も、ハリウッド映画ならシラケるけど、この映画ではプラスに働いていた様ですね。とにかく如何にしてお客さんを楽しませるか、に徹したベタな娯楽作品ですからこれは。そのベタな気持ちがゆ〜っくりじわ〜っと伝わってくる感じ。

結論2スローモーションが決まってる

ヤマネ
個人的にはシカゴという街を選んだのも興味深かったですね。シカゴは過去にも映画の舞台としてよく出てくるのですが、街の真ん中に川が流れていること、近代建築として優れた高層ビル群が建っていることなど、映画のシークエンスとして絵になる場所が沢山あるし、それをしっかり活かしていると思いました。銀行のビル、サーカスのビルなども現代建築ではなく、近代建築なのが重厚感を醸し出していたでしょう。近景も遠景も様になってた。
マツヤマ
インド人って結構シカゴに住んでいるらしいね。馴染み深いし撮影しやすかったのかもしれないけど。印VS米の対立を直接を描くと角が立つところを、ジャイとアリーを間に置くことで緩和されている。うまいよ。そもそもアメリカ国内で、あんな風にインド人警官主導の捜査が出来るわけないよな。
ヤマネ
ジャイとアリがどんな人物なのか、インドでの活躍ぶりが一切合切カットされてますからね。非常に唐突にアメリカに来たように感じますが。・・・んー、やはり、突っ込み出したら駄目なんですって。ダンスとスローとアミールらスターの演技を堪能すればいいんですよね。

結論3無駄に楽しいからみんな見た方がいいよ

マツヤマ
と、言う事で「チェイス!」最高!アミール・カーン最高!もう年間ベスト10入り間違いなしだよな!
元店主
え・・・いや、確かに楽しかったんですけど・・・、こういう映画そんなに観たい訳でもないんです。あんまり私の趣味では・・・。
ヤマネ
ボクも見終わった時は、楽しー!サイコー!と思ったんですけど・・・同時に空しさもちょっと感じたんですね。時間が経つとドンドン記憶が・・・
マツヤマ
な、なんだよ二人とも。そんないきなりビルの壁面を駆け下りる様なテンションの下がり方は!オレだって、オレだって・・・駆け下りるぞー!
ヤマネ
いけー!マツヤマさん!アミール・カーンと同じ49歳!やればできる!!ゴー!
マツヤマ
うわーぁーぁーぁー・ー・ー・・・・・
ヤマネ
・・・マツヤマさん、行ってしまいましたね。いい人だったのに。まー、でもー、同じ歳とはいえ、体型が違い過ぎましたか!顔だけ似てるボクが言うのも何ですが、やっぱ歳が一緒なだけではダメという事ですね!人間、体型維持の努力が必要です!
元店主
はい!取り合えず、2014年の最後の映画としては、明るくて元気が出る良い娯楽映画だった・・・という事で。最後にはこれを観て今年を締めくくりましょー。
元店主
・・・ところでヤマネくん。今年を締めくくる・・・ってか、年はとっくに越してるんだけど。今回の責任者は・・・
ヤマネ
ウワー!すみませーん!ボクが全て悪いんですー

ウォォォン!!!(爆音と共にバイクが飛び出して来る)

マツヤマ
そうだ!みんなオマエが悪いんだー!!!
ヤマネ & 元店主
わー!

2015年も強制起訴シリーズをよろしくお願い致します。
ちなみに1月の課題映画はケン・ローチの「ジミー 野を駆ける伝説」です。ではー。

Comments

投稿者 オーソン : 2015年01月04日 21:09

MOVIXの最終回に何とか観にいくことができました。
感想は…面白かったです!オープニングのタイトルがでるまでの一連のシークエンスとサーカスのシーンが格好よかったです。あと、ちゃんと銀行を潰してくれたので、気分爽快でした。
しかし、最後のシーン(ダムからエンドクレジットまでのシーン)で思わず涙が(汗)。
寝不足のまま、早朝の回を観たせいか、最近ではありえない程、涙腺が崩壊してしまいました。エンドロールで双子がじゃれあっているシーンでも涙がでてしまう始末で…。他の観客は誰も泣いていなかったようですが…。

正月映画って感じでよかったです。
ただ、やっぱり長いかも…。

投稿者 uno : 2015年01月05日 17:13

あけましておめでとうござい。。。マッスル!

冒頭のサーヒル少年時代、街で絡まれて逃げる時の超イカしたアクション、サーカスでの父との別れ、そして現在に移って高層ビル最上階ガラス張りの部屋で登場するサーヒルの大きな背中。グッとくる!
ヤバい。期待に胸が高まる。。。
長いねん!
あの緊張感を持続して欲しかったなあ。
インド映画が初めてだったって事もあるのでしょうか。

本気アクションが手に汗握るんですが。。。
長いねん!
スローモーションの多用がスピード感を削いでモッタリするというか。
汗引いてまうやん。。。

でもカトリーナ・カイフが最高でした!
公園を自転車で颯爽と無駄にアクロバティックに走る姿に何者?からアーミルを椅子に座らせて延々と続くダンスシーン。
興奮と爆笑。
そして何より美しい!
グッと来まくり!

ストーリーとしてはサーヒルが双子だったってところが全く面白く感じられなかったんですよ。
やっぱり冒頭の練られた展開に尽きるなあ。

投稿者 元店主 : 2015年01月07日 13:54

オーソンへ

なるほど、オーソンはラストで号泣した訳か。私はどっちかというと、呆気にとられた感じ。こうくるかー、と思って。やっぱインドでは泥棒は罰せられなければならないのか、たとえフィクションでも、たとえアーミル・カーンでも!とか考えてしまったよ。
まぁ、これシリーズもんなんで、もしかしたらお約束の終わり方なのかもしれないけれど。

ウノピヘ
アーミル・カーンの背中には「グッとくる!」。カトリーナ・カイフの姿態には「グッと来まくり!」って・・・ウノピのパブリックイメージとちょっと違うな。やっぱウノピは男の背中の方に「グッと来まくり!」じゃないと。

>ストーリーとしてはサーヒルが双子だったってところが全く面白く感じられなかったんですよ。

そうなのか。私的にはむしろ、この映画はアーミル・カーンの一人二役演技を楽しむもんだと思ったけど。だから、早々と一人二役のトリックをばらしたのは当然だと思った。それは「ゴーンガール」と同じ。何が描きたかったか、という事だな。


あと、二人とも・・・この映画を「長い!長い!」と非難してるけど・・・これでも1時間はカットされてるんだからね、この映画。インド映画をなめたらあかんよ。ってか、むしろカットされてない完全バージョンの方が、長い!とか思わないかもね。休憩も途中で入るだろうし。

コメントしてください





※迷惑コメント防止のため、日本語全角の句読点(、。)、ひらがなを加えてください。お手数をおかけします。


※投稿ボタンの二度押しにご注意ください(少し、時間がかかります)。



ページトップ