「X-MEN フューチャー&パスト」 [強制起訴シリーズ]
起訴者: ヤマネ
強制起訴シリーズ43弾
X-MENシリーズも7作目という事で。前作のマシュー・ヴォーン監督で一気に時代を遡ってリブートっぽくなった、という話だったけど、今回はなんと時間がドーンと進んで未来社会。センチネルという無敵のミュータント殺戮ロボットが開発されていて、ほとんどミュータントは絶滅状態。それどころか完全な独裁社会となっており、なんとかせねば!でもセンチネルには勝てない。なら・・・センチネルが開発される前の時間にタイムスリップして開発阻止したらいいじゃね。という事になって、ひとりウルヴァリンが70年代へ・・・。
- 元店主
- これは意外や、なかなか楽しかったね。
- ヤマネ
- ボクはめちゃくちゃ面白かったです!はじめてのX-MEN鑑賞だったマツヤマさんの意見がはやく知りたい!知りたいぞー!
- マツヤマ
- はあ?そんなに面白かったか。いや、オレのなかではX-MENなんて名前も存在も微妙だったし、興味もなかった。そしてこれからも興味を持つことは・・・ない!
- ヤマネ
- えーっ! そ、それは何故?
- マツヤマ
- 前段階としての情報を色々知っておかないと理解出来ないことが多いという時点でもうOUT。君たちのように、これまでも見てきた人ならきっとここ感動のシーンなんだろうなぁ、とモヤモヤする所が多かったからな。
- ヤマネ
- ほう、例えばどんなところですか。
- マツヤマ
- 色々あるけど最後の学園に戻ってくる場面とか。あのミュータントの学校に帰って来たー、という所。過去からのファンにとってはきっと感慨深いものがあるんだろう?
- 元店主
- あ、あれですね。私もよくわかりませんでした。なんで学校のシーンになるんだろう?
- ヤマネ
- そうですね、なんででしょう?
- マツヤマ
- そ、そんなもん?
- ヤマネ
- すみません。 よくわかってませんでした!・・・他には?
- マツヤマ
- 近未来のプロフェッサーとマグニートーって、仲間として描かれてただろ? でも70年代の微妙な関係はナニ?
- 元店主
- ああ、あれは確か・・・元々は敵同士だったような気がするんですけどね。うーむ。ヤマネ君、どうだったっけ?
- ヤマネ
- 多分、敵同士です。
- マツヤマ
- おいおい、二人とも曖昧だなあ、そこのとこ、重要なんじゃないのか。
- ヤマネ
- マツヤマさん、まるで僕らがアメコミとかX-MENのファンで、ずっと映画を追いかけているとでも思ってませんか。僕は、最初の二作しかみてないので、10年ぶりです。記憶も定かでないしわからないところだらけ!ミスティークってあんな顔だったっけ?
- 元店主
- 私はそれプラス「ウルヴァリン サムライ」だけですね。元の話は全然覚えていません。でも大体話は分かったし、なんとなく面白かったですよ。
- マツヤマ
- 意外にも 2人ともアバウトだなー。なんでこのシリーズが人気なのか教えてくれよ。
- ヤマネ
- 人気あるんですか?
- マツヤマ
- 知らん! でも何作もあるだろ?
- ヤマネ
- 今回のに関しては僕の好きな時間リープものだし、脚本が愉快に描けてたから、Xメンとか関係なく、楽しめました。別にこれがトムクルーズのSFだったとしても良かったんです。
- 元店主
- 私の場合、どちらか言うと「またタイムトラベルものか…」と最初は気分が落ちたんです。大体、あの過去の時点でミスティークを止めていれば歴史は変わったはず・・・とか、なんで断定できんねん!とか違和感ありまくり。タイムトラベルものはねぇ・・・。大体、オカリンは何度リープしても思うような現在に戻せなかったんだぞ!と問い詰めたい。ほむらちゃんだって、何度やり直したことか。それを、たった1回のリープで理想的な未来を得ようなんて、調子良過ぎる!
- ヤマネ
- アニメで考えると分かりやすいですね。「バタフライエフェクト」もそんな感じですけど。そこは、ほら、そういう世界線もありっつーことで。
- マツヤマ
- ああ、また君らについていけない世界線にきてしまった。せめて強制のときは、そっちに流れるのやめろよ!
- ヤマネ
- あ、すみません。でも、ちょっとだけ待ってくださいね。でね、オカリン・・・じゃなくてウルヴァリンだけリーディングシュタイナーが発動するっちゅうことですよね。都合いいですよねー!
- 元店主
- いや、みんなうっすら違う世界線の記憶を持ってるかもしれないよ。夢とかで。・・・それはともかく、過去と現在が同時進行してるのも気持ち悪い。明らかに第三者の視点、我々観客の視点が前提されているわけで、それって気持ち悪いでしょ。
- ヤマネ
- とか突っ込むのは野暮だってわかってますよねー! 未来が変わった時点で、ミュータント達だけがフッと消えて建物だけ残るって、明らかにおかしい! その世界線は残ってるんじゃないか!
- マツヤマ
- お、2人ともいつの間にか帰ってきたな、こっちの世界に。ウェルカムバック!
- 元店主
- それです! ウルヴァリンが目を覚ましたら学校になってたとこ、やっぱりちょっと感動したのを思い出しました。「ウェルカムバック!」とプロフェッサーに言われるとこ。グッと来たなぁ。
- ヤマネ
- ですよねー。
- マツヤマ
- ですよねー、じゃねぇよ!さっきは「よくわからなかった」とか「なんででしょう?」とか言ってたじゃないか! ・・・それはいいとして、オレも個人的にぐっときたシーンはある。
- ヤマネ
- えっ!あるんですか。もしかして、クイックシルバーがいかしたミュージックにのって超高速で動き回るとこですか。
- マツヤマ
- 先に言うな! ・・・でも、あそこは誰が見てもカッコイイだろ。ジム・クローチにはあまり興味ないけど、あれは好きな曲だし、シーンにバッチリはまってた。最初の登場シーンでの一人卓球とも重なり、クイックシルバー、またはミュータントの深い孤独感のようなものを感じてジーンと来たし、美しい映像だったなぁ。
- 元店主
- 確かにめちゃカッコいいシーンでしたね。クイックシルバー、登場あれだけなのがもったいなかった。流れる音楽も、BGMというよりipodか何かで本人が聴いている描写がしてあったのは絶対に変なんだけど、明らかに意図的だし、俺たちはタイムパラドックスとか何とかそんなもん気にしないぞ、と高らかに宣言しているとも取れますね。
- ヤマネ
- いや、気にしようよね。クイックシルバーだけほんまなんでもありやな。秒速800キロメートルって。あ、秒速800キロで再生できるipodだったのかも。
- 元店主
- 彼、「ウインターソルジャー」の最後に出て来た、檻の中で瞬間移動しまくってた奴らしいよ。演じてる役者は違うけど、あれがクイックシルバーなんだって。という事は、隣の檻でサイコロみたいなのを空中で操っていた女性は・・・この映画の最後でピラミッドを作ってた女性か?アベンジャーズとXメンって融合するの?なんか、凄く面白くなってきたんだけど。
- ヤマネ
- クイックシルバーがマグニートーの息子っていう原作の設定もあるらしいですね。面白くなってきたゾー。ピラミッド動かしてたのは双子の姉かー。
- マツヤマ
- 予備知識なしのオレからすれば、けっきょくX-MENが何なのかもよく分からず仕舞いだし、それぞれの能力的にも、何でもありかよ!感はすごかったけどな。何も知らずに息子と見た「ONE PIECE」に感じたのと同じ印象。ちっとも面白くなってこないけどな。
- ヤマネ
- なんでもありで時間や空間を操るキャラも出てくる点ではむしろ「ジョジョ」に近いですね。
- マツヤマ
- あと勧善懲悪のヒーローものと思ったら違っていて、典型的な悪人らしい悪人が出て来ないのが意外と面白いと思った。
- ヤマネ
- それはボクも思いました。一見、悪のようなキャラクターも、それぞれが自分の正義のために行動しているんですよね。そのへんが、近頃のアメリカ映画的でしたよね。
- マツヤマ
- トラスクは「平和とは世界がひとつになること」と言っていたが、それはまさしくグローバリズム。経済発展こそが平和の象徴であり、それには戦争は欠かせないもの。しかし人間どうしの殺し合いは避けたいという悪意のない身勝手な平和主義は、まさしくキュウベーや竹中平蔵的・・・。
- 元店主
- いや、キュゥベえは違うんじゃないですか。キュゥべえはそもそも個という概念がないんで・・・
- マツヤマ
- (無視して)ラストのトラスク逮捕のくだりで、ベトナムにセンチネルを売り込んでいたことが発覚したことで、彼もやはり戦争、つまり経済活動を自ら実践していたということだしね。味方にも敵にも武器を売るというテーマは「アイアンマン」でもあったけど、この手の話はもう飽きたな。
- ヤマネ
- まあ、戦うことの出来る敵を考え出すのが本当に大変でしょうしね。テーマ的にも目新しさはあまりなかったとは言えます。でも、役者がみんな良かったでしょう、ヒュー・ジャックマンも「プリズナーズ」のときと違って普通の人っぽいし。
- マツヤマ
- ミュータントなんだから全然普通じゃないだろ! どんな見え方してるんだ?ヤマネくんは。でもマイケル・ファスベンダーは良かったよ。存在感あるね。「SHAME」のときの絶倫なイメージで。
- ヤマネ
- グッときましたか。
- マツヤマ
- グッとはこないけど。
- 元店主
- 私はジェニファー・ローレンスが素晴らしかった!ジェニファー・ローレンス、ノリに乗ってるよねぇ。彼女が出て来ると、一気に画面が華やぐ感じ。
- ヤマネ
- 誰だかよくわからないけど、最初のほうで、輪を作って空間を移動させてた女の人とか。面白いですよね、シルクドソレイユを見てるような気分になってほっこりしました。時間だけでなく、ワープもありなんだ。・・なんでもありですね、確かに。
- 元店主
- 終盤のシーンでさ、現在の行動によって将来の歴史が変わってしまうかどうかを問うたときに、量子力学では石ころをひとつ川に投げても川の流れは変わらない、と言ってたよね。あれ、何の理論?
- ヤマネ
- あー、あれはいくつかのハードルを超えないと世界線が変わらない、という「シュタインズゲート」理論じゃないですか!
- 元店主
- ふむ。でもそれならそれ、相対性理論じゃないの?量子力学なの?カオス理論との関係は?
- ヤマネ
- 確かによくわからないですけど。 ・・・X面が現在のせかいだとしたら、Y軸が時間の流れで、ということはつまりXメンは空間ということになり・・・なわけないか。
- 元店主
- やくしまるえつこも「ノルニル」で、「0と1の世界線の果てから〜叫ぶよ〜」と歌ってたけど、世界線の変更=運命の乗り換えを行うには、魔法の言葉が必要なんじゃないの?この映画の場合の魔法の言葉って何だろ?
- ヤマネ
- それは・・・やっぱ“希望”じゃないですか。ウルヴァリンがプロフェッサーに希望を与えたからこそ、世界線は変わった訳です。と、いう事は、やっぱミスティークを止めるだけではダメだった、という事ですね!ピングドラムを手に入れるのが大事だったんだ・・・。
- マツヤマ
- いちいちアニメを例に出して考えるの止めろよ!思いっきり脱線してるよ!というか、世界線が混線してるよ!
- 元店主
- では来月の課題映画は「渇き」です。
- マツヤマ
- ムムっ、パク・チャヌクの?
- 元店主
- 邦画です。中島哲也監督の。
- ヤマネ
- では来月の課題は「渇き」で!そしてワールドカップで日本を応援しよー!
- マツヤマ
- もう日本は敗退したって。
- ヤマネ
- えええ!それ、ボクの世界線じゃなーい。だって日本はまだ負けてないはず・・・は!リーディングシュタイナーが発動したのか・・・。
- マツヤマ
- ・・・はぁ、オレもオパールにアニメが入り込む前の時代に戻りたいよ・・・。
Comments
投稿者 Anonymous : 2014年06月28日 14:51
強制起訴初コメントよろしくお願いします。
僕はまあ楽しめたという感じです。
Xメンシリーズは最初のと、この前のファーストジェネレーションのみ観ていましたが、1作目の記憶はほとんどなく、ファーストジェネレーションはよく覚えているという状態で鑑賞しました。そして、ファーストジェネレーションは好きな映画です。
ファーストジェネレーションの続きとして観ると、何だか急にマグニートとプロフェッサーX、ミスティークの関係が変化してしまった感があって戸惑いが…。知らないキャラも多数登場。代わりにファーストジェネレーションに登場したキャラが死んでいることに…。
1つ1つのシーンは楽しいところ(クイックシルバーやスタジアムを動かすシーン等)があったんですが、全体として散漫な印象を受けました。
ミスティークと(若い)マグニート・プロフェッサーXの関係の変化をもっとみたかったです。この3人の関係性の描き方が前作ではとても良かったので。
投稿者 オーソン : 2014年06月28日 14:52
すみません。上のコメントは僕です(汗)
投稿者 元店主 : 2014年06月29日 23:33
オーソンへ。
確かにこの作品は、今まで「X-MEN」シリーズを観てきた人向けみたいだね。私が雑誌やネットで拾った意見から推測するに、この作品は、10年以上に渡って製作陣を変えながらも続いたシリーズ故に、ガタガタと整合性があやふやになったものを、一気にまとめてみせた作品らしい。その手腕が見事だと。だから、ちょろっとしか出てこない人たちにも意味がある。
それ故、我々の様にシリーズを観てきてない人間には、その細部がさっぱり分からず、その部分を、オーソンの様に、散漫に感じてしまうのだろう。
まぁ、私はその点を全て括弧にいれて観てたから、あまり散漫には感じなかったけどね。
それではあまりに初見者には不親切じゃない?と、思わないでもないけれど、こういったシリーズものがあってもいいしね。それに、他のアメコミシリーズものと違って、安易にリブートせず、今までの作品群との整合性に拘ったのは、それはそれで見識だと思う。たとえそれで、初見者には多少分からない所があったとしても。
しかし、今から他の作品を観直すのは辛いかなぁ。やっぱ。
投稿者 uno : 2014年07月01日 01:01
X-MENシリーズは初めてでしたが、すごく面白かったです。
つかみはクイックシルバー。グッときました。超高速で動くのって、動いてる当人にとっては時間を止めるのと同じなんだなー、なんて思いました。これって相対性理論ちゃうの?(適当です)おそらくクイックシルバーの身につけている物は、クイックシルバーの時間を含めた座標系で動くのでしょう。観客はクイックシルバーの視点で見ているので、音楽もそのまま流れる(適当です)そして、ほむらちゃんを思い出しました。一人卓球できるかも。切なすぎる。。。
若き日のプロフェッサーがウルヴァリンの心を覗く場面が個人的には重要でした。全然ウルヴァリンのバックグラウンドを知らなかったのですが、愛する人(未だに誰だか分からないけど)がいて、その人を殺さなければならなかった、ということがあっさりと一瞬で描かれていて初心者に優しい。手前味噌感は否めませんが。。。そしてラストの学校で、その人と再会するっていう超強引な展開に単純な私は、よかったやん!と思わず涙しました。シリーズを見てきた人にはもっと感慨深いんだろうな。
それとX-MENのメンバーが中国でセンチネルと戦う場面、というかセットが「アイアン・フィスト」みたいで好き。ウルヴァリンが寝ていた机なんてハリボテみたいで、どう見ても安っぽい。
意味不明なところ満載なのですが、そんなこと気にしても仕方が無い!と思わせる痛快な作品。
ジェニファー・ローレンスにもグッときたし!
投稿者 元店主 : 2014年07月01日 03:31
うのぴへ
おお!なるほど。「おそらくクイックシルバーの身につけている物は、クイックシルバーの時間を含めた座標系で動くのでしょう。観客はクイックシルバーの視点で見ているので、音楽もそのまま流れる(適当です)」か!
それは気がつかなかった。多分その通りだよ。これは相対性理論を使ったギャグだったんだ!うーん、さすがは理系だな、うのぴ。
さらに、確かにあれ、ほむらちゃんの攻撃と同じだよね。あのシーンでほむらちゃんを連想するとは・・・さすがうのぴ。強者だな。
それからあの女の人ね。確か奥さんか何かだった様な・・・。「サムライ」でもずうっとウルヴァリンはあの人(ファムケ・ヤンセン)の夢に魘されていて、ああ、誰だったかなぁ、と思っていたんだよ。うん、あの再会はさりげないけど良かったよね。私も意味不明ながら「よかったなぁ」と感動したよ。
ところで・・・NYに行くんだよね?なら、スパイダーマンによろしく。
投稿者 マツヤマ : 2014年07月04日 22:12
オーソンさん
はじめまして
とにかく「ファーストジェネ〜」は良かったんだね?
オレは全く知らずに観たんだけど、だから乗れない、というよりは、世界観が好きじゃないから、いくら他の作品が面白いと言われても観ないかな。またよろしくね。
ウノピ
みんな共通して良かったのは、やっぱりクイック〜のシーン。ほむらは思い浮かばなかったけど、ウノピにオススメは「フローズン・タイム」という映画。
元店主
あのシーンで、もうひとつオレが思い出したのは、随分前にオパールで元店主から聞いた筒井康隆の小説のこと。覚えてないかな?
投稿者 元店主 : 2014年07月04日 23:17
マツヤマさん
もしかして、「お助け」ですか?
投稿者 マツヤマ : 2014年07月06日 08:14
元店主さん
「お助け」
そう、それそれ。
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