「黒執事」 [強制起訴シリーズ]
起訴者:元店主
強制起訴シリーズ38弾
「ONE PIECE」「NARUTO」と並んで世界で最も人気のある日本マンガのひとつ「黒執事」の映画化。マンガ界で最も女子に人気のあるイケメンキャラと言われる黒執事=セバスチャンを演じるのは、これが映画復帰作になる水嶋ヒロ。と、話題性はある映画です。
舞台は世界が東西に別れて対立している未来(過去じゃないよ)。西の世界を支配する女王のスパイ、闇の貴族である清玄伯爵(剛力彩芽)は、東の世界で起こる謎の怪死事件の調査を、なぜか女王に命じられて行うのだった。その執事が、悪魔であり、魂を対価に主従関係を清玄と結んだセバスチャン。二人の活躍が、凄く日本に似た街を舞台に展開する・・・。
- マツヤマ
- 新年一発目を飾るに相応しい、見事なダメ映画だったな。
- 元店主
- まぁ、でも予想通りと言えば予想通りのダメさ加減じゃないですか。思ってた以上には酷くない、というか。
- ヤマネ
- んー、ボクの様に普段から「ガッチャマン」とかダメ映画で鍛えている人間にとっては、割と好感が持てる感じでしたよ。むろん、ダメはダメですが、凄く頑張ってる感じは伝わってくる・・・というか。45点はあげたいですね!
- 元店主
- 確かに、頑張ってる感は伝わってくるんだよねー。あと、やりたい事とかも、なんとなくわかる。わかるんだけど、それが力及ばずでちっともできてない、という、このトホホ感がなんとも・・・。
- マツヤマ
- おいおい、二人とも。ダメ映画に馴れ過ぎて、点数甘くなってるんじゃないか?ダメなものはきちっとダメと言わないと、映画そのものにも失礼だよ。そもそもオレはこの映画、何がやりたいのかさっぱり分からなかったよ。東西に別れた世界?闇の貴族というスパイ?バイオテロによる恐怖支配?・・・とか、けっこう面白そうな題材を扱いながら、それがちっとも何の事だかわからない。ストーリーになんも絡んできてないし。原作付きだから、客をなめてるのか?もしこれらの事情を深く知りたかったら、原作を読め、それから映画を観に来い、とか、そんな感じか?
- ヤマネ
- いや、この映画、原作マンガとは何の関係もないそうです。そもそも原作は19世紀の英国が舞台らしく、日本人は関係ないらしいですよ。
- マツヤマ
- ええー!マジかよ。それなら余計、何がやりたいのかさっぱり分からないよ。「黒執事」である必然性って、なんだよ?それでもケンタロウさんは、この作品がなにをやりたかったのか、わかるってのか?
- 元店主
- いや、えーと。まぁ、私の勝手な思い込みですが・・・これはガイ・リッチーの「シャーロック・ホームズ」をやりたかったのかなー、と思ったんです。「ホームズ」はスチームパンクでしたけど、これは、なんというか、チープゴシック、とでもいうか、そんな世界を創りたかったのかなぁ、と。
- マツヤマ
- チープゴシックねぇ。オレは単にティム・バートンのパクリの様にしか観えなかったが。
- ヤマネ
- オープニングはもろフィンチャー版「ドラゴンタトゥーの女」まんまでしたね!・・・いやー、でもボク、こういったあられもないパクリって、嫌いじゃないですよ。一応、制作者側もちゃんと映画を観て、映画を作ろーとしてる感が伝わってくるじゃないですか。テレビドラマを単に大画面でやってる、他の日本映画とはやっぱ違って、好感を持っちゃいます。
- 元店主
- うん、確かに力が全然足りなくて、全くできてないんだけど、それでも、なんとかひとつの自立した世界を作ろー、としている意志だけは伝わってきて、まぁ、その意志だけは買いたい、ような。・・・う〜ん、チープゴシック。その線でもっと徹底すれば良かったのに。せいぜい衣装と小道具ぐらいで・・・まぁ、それ以上は無理だったのかなぁ、美意識的に。
- マツヤマ
- 水嶋ヒロの衣装は良かったと思うよ。あのボトムがぶかっとしたラインとか、はまってたと思う。でも、剛力彩芽は・・・浮いてなかったか?
- 元店主
- そうですか?私は剛力彩芽もけっこう似合ってたと思いますよ。私は、彼女を初めて観たんですが・・・けっこう可愛い。あの顔で、あの衣装、はまってたと思いました。ただ、演技力が・・・。
- マツヤマ
- 学芸会レベルだろ。いくらなんでもこれはない!って感じだったよな。
- 元店主
- ええ、私もちょっとビックリしてしまって・・・ここまで酷い演技で映画出ることなんてできるの??こんな酷いのって、あり得ないんじゃない?と思ってたら、もっと酷いのが・・・あの、優香とかいう人。
- ヤマネ
- 優香も凄まじかったですねー。もう映画後半の剛力と優香のシーンなんて、脅迫ビデオとして使えるんじゃないかと思いました。お前らこの恥ずかしい映像を公開されたくなかったらカネだせー、みたいな。
- マツヤマ
- 逆にカネとって堂々と自ら公開してるだろ!・・・この二人に較べたら、水嶋ヒロは一応ちゃんとしてたな。キモかったけど。
- 元店主
- でもキャラ的に水嶋ヒロはあれで良かったんじゃないですか。確かにキモいですが・・・それがあってる、というか。
- マツヤマ
- うん、オレもそんなに嫌じゃなかった。特に、ネコと仲良くしてるシーンとか好きだった。明らかに、ネコに嫌われてるだろ、水嶋ヒロ。多分、本人は本当はネコ嫌いなんだろうなぁ、とか思って、微笑ましく思ったよ。ネコは正直だからさ。
- ヤマネ
- あたま悪過ぎて脱力するシーンも満載でしたね!例えば・・・クスリで強化した人間が悪魔(セバスチャン)と互角の強さになってるとか。「神のつくりしものと悪魔、どちらが強いかしらねー」って、お前は神か!
- 元店主
- セバスチャンを追いつめたつもりの優香が、「悪魔も死ぬのかしらねぇー、キャハハハハ!」と叫ぶ所とかね・・・もう、新年早々“白痴セリフ・オブ・ザ・イヤー”をあげたくなりました。
- マツヤマ
- いったい悪魔を何だと思ってるんだろうな。最後に簡単に契約を破っちゃうし。それで悪魔と人間の心温まる交流、みたいになってるし。その割には「その昔、悪魔は天使だったと聞いたことがある・・・」とか、分かった様なセリフ喋ってるし。なんか、全てが中途半端、なにも考えられてないって感じなんだよ。
- 元店主
- 悪魔が元天使だった、という説明を持ち出せば、悪魔のあり得ない変心もキャラ変更もすべて許されると思ってるんですよ。安易すぎますよね。やっぱ「まどマギ」とか観て勉強し直した方がいいのでは・・・。
- ヤマネ
- はーい!ストップ!「まどマギ」の話は今日はやめておきましょうねー!・・・と、ボク的にはあと、クルマがドッカーン!とか、そんなアクションシーンがなくて、身の丈にあったアクションシーンばっかりだったのが好感持てました。
- 元店主
- わかるけど・・・でも韓国映画を観てる身としては、やっぱアクションがしょぼすぎて・・・。
- ヤマネ
- それはそうですけどー、マンガですから、これ。んー、でもマンガとしても「るろうに剣心」には負けてるか。
- マツヤマ
- 演出も酷かったろ。説明がくどすぎる!ああいう所は、テレビ的だよ。クライマックスもダラダラしてて・・・。まぁ、でもヤマネくん的には割と好感が持てる作品だった、と。そういうことか?
- ヤマネ
- んー、そうですねー、脚本を書き直して、役者を変えて、演出を変えて、美術をあと10倍ぐらい頑張れば、わりといい作品になると思います。
- マツヤマ
- それって、もう別の作品だろ!・・・ま、新年一発目はこんなもんだな。で、2月の強制起訴映画だけど・・・「七番房の奇跡」だ!
- ヤマネ
- 「七番房の奇跡」?それって・・・あ!韓国映画じゃないですか!2月の強制起訴に韓国映画選んじゃダメって、言ったのに!
- マツヤマ
- それはヤマネくんが一方的に決めただけだろ!それに、これは別にオレが観たいと思ってた韓国映画と違うから。これは超感動大作らしくて・・・オレ、感動大作って苦手なんだよな。
- 元店主
- 私もです。やっぱ韓国映画は血みどろアクション映画じゃないと・・・。
- ヤマネ
- はーい!またしてもみんなが苦手な映画で、いい感じですね!ではー。
Comments
投稿者 uno : 2014年02月05日 22:36
こんばんは。
今回はいつにも増してキツかった。
水嶋ヒロと剛力彩芽の共演ってだけで震えていたのですが優香まで登場するとは!
ズッコケました。。。
水嶋ヒロは何をやっても水嶋ヒロで大スクリーンでドアップになるたびに思わず笑ってしまう。
ああ、ほっこり。
俳優の演技も酷いですが、何がダメって物語の背景となる描写が出来てなくて、作品全体がぼんやりとしてしまっている。
描写がすっごい大雑把なんですよ。
清玄が悪魔であるセバスチャンに魂を売ることで執事とした。
説明が言葉だけですもん。そこ一番大事なとこちゃうんかい!
「女王の番犬」っていうのもなんだかよく分からない。謎にしたいんだか、描く事が出来ないだけなのか。
岸谷五朗が警察の偉いさん役で出ていて、なんとなく次回作を臭わす終わり方になっているのですが、そりゃないわと余計に哀愁を誘う。
極めつけはエンディングテーマ曲の作詞・作曲が絢香(水嶋ヒロの奥さん)でガビーン!
この垢抜けなさは凄い!
投稿者 ウメドン・ゴダール : 2014年02月06日 19:59
久しぶりに参加…
観ました。
全く原作を知らない状態で観ました。水嶋くん。剛力さんも初見。優香は知ってます。
冒頭のアクションシーンは素直に「お~スゲー」って思いました。
楽しめたんですが…
とにかく話の流れが読めてしまう映画でした。そこは退屈。
ヤフコメ等で叩かれてる剛力さん。声出してるのはじめて観ました。
顔も容姿もけっこうかわいいと思うんですが、演技力はびっくりしました。
優香の芝居も相変わらずですが(テレビで観たことがある)なぜかホッコリしてしまいました。
水嶋くんがネコと会話するシーンとか寒イボたちました。無理…
めちゃ強すぎる水嶋くんと実はめちゃ強いドジなメイドさんをありへんと笑ってしまいました。
続編はとりあえず観ますが、むっちゃ面白くなる要素は少なそう。
投稿者 元店主 : 2014年02月13日 02:35
あぁ、しんど・・・
い、いや、頑張って返事をせねば・・・
うのぴへ
>俳優の演技も酷いですが、何がダメって物語の背景となる描写が出来てなくて、作品全体がぼんやりとしてしまっている。
描写がすっごい大雑把なんですよ。
清玄が悪魔であるセバスチャンに魂を売ることで執事とした。
説明が言葉だけですもん。そこ一番大事なとこちゃうんかい!
うん、わかるよ。確かに作品全体がぼんやりしてしまっているのが問題だね。しかし、私はある意味、清玄が魂を売るところは言葉で説明だけでもいいと思う。そこ、そんなに大事と思わないんで。
私がこの作品で一番大事だと思うのは、自分の魂を賭けてまでの両親の仇討ちと、女王の番犬としての使命と、人間的な感情(目の前でまさに死んでしまうかもしれない人々を助ける)の相克、この三つ巴だと思う。それをキチンと表現できていないから、作品がぼんやりしてしまっていると思うんだ。この主題をキチンと表現できていれば、結構面白い作品になったと思うよ。
ウメドンへ
>とにかく話の流れが読めてしまう映画でした。そこは退屈。
うーん、この作品は“とにかく話の流れが読めてしまう”ようなもんじゃないと思うぞ。はっきり言って破綻だらけで、ある意味、展開がよめん作品。この作品を“とにかく話の流れが読めてしまう”と思うのは、ウメドンが何も考えずに映画を観てるからじゃないか。
映画は積極的に観ないと、観たことにならないよ。ちゃんと考えながら観たら、この映画は「なんじゃそりゃ!それ変やろ!」「それはないわ!」という展開をしてると思う。むろん、それは上にも書いた様に、主題がはっきりしてないから、全体がぼんやりして、ストーリーもムチャクチャになってるんだよ。
あと、面白いと思ったんなら、それをもうちょっと突き詰めたらいいと思うよ。アクションシーンが良かった・・・だけじゃないだろ?
別に他の人の意見は気にしなくていいから、自分がなぜ、どこを面白く感じたか。それをもっと見つめたらいいんじゃないかな。以上。
あぁ、疲れた・・・
投稿者 uno : 2014年02月20日 00:34
こんばんは。
返信に気付かずコメントが遅れました。
元店主さんの言うように、三つの事柄が絡み合うと清玄の人物像(抱えている葛藤等)がはっきりして作品が面白くなったと思います。
多くの命を助けるという人間的感情に関しては、教会の様子がごくあっさりと描かれていただけで、ことの重大さ(重大であることはわかるけれども)を表現出来ていない。この点は見ていて非常に残念でした。
私としては黒執事を丁寧に描いて欲しかった。なんだかお笑いみたくなってしまい魅力的ではなかったので。
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