「仮面ライダー x スーパー戦隊 x 宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z」 []
歴代の仮面ライダー、戦隊ヒーローと宇宙刑事ほか東映系ヒーローが総勢200人以上登場して、あらゆる世代のお父さん層を取り込もうという「ヒーロー大戦シリーズ」の2作目だ。ちなみにオレは仮面ライダー1~2号世代。あとは知らん。
ちょうど2年前「きかんしゃトーマス ミスティアイランド レスキュー大作戦!!」で映画館デビューした息子マサユキも今は5歳半。今回でおよそ20本目の映画鑑賞だ。彼は1年ほど前から内容を理解したいという気持ちが出て来て、印象深い作品を観た日は一日中質問攻め。観て興味が湧かなかった作品はまったく話題にしないから非常に分かりやすい。最近では「ドラえもん のび太のひみつ道具博物館」と今作がそれだ。
宇宙全域で魔法の暴走現象が発生し、このままでは宇宙崩壊の危機にあるという。銀河連邦警察長官の一乗寺烈(初代宇宙刑事ギャバンの人)は宇宙刑事・大文字撃(新宇宙刑事ギャバンの人)に指令を出す。
「暴走している魔法の元は地球にいる魔法使い、仮面ライダーウィザードだ。すぐに行って倒して来い!」
仮面ライダーウィザードは現在放映中のキャラクターで、指輪の魔法使いという設定だ。
地球にやって来た大文字撃はウィザード(の変身前)を見つけるなり「お前が魔法使いだな。その魔法が宇宙を滅ぼそうとしているからお前を倒しに来た」と言うなり、いきなり2人とも変身して戦いが始まるのだが、ウィザードがその戦いの巻き添えをくった庶民を庇ったところを見てギャバンは戦いをやめ、銀河連邦警察へ引き返し「どうもウィザードは悪いやつじゃなさそうだから他に真犯人がいるはずだ」と長官へ伝える。しかし長官は「黙って命令に従えっ!」と一切聞き入れない。さらに、「従えんなら宇宙刑事の資格を剥奪する」と言われ、大文字撃はギャバンに変身できなくなってしまう。あえて言っとくが長官も含めて銀河連邦警察は「正義」という設定だ。
とりあえず大文字撃は再び地球へやってきてウィザードと共に真犯人を突き止める事に・・・。
冒頭からすでに酷い話になっているなぁ。とりあえずマサユキは黙って観ているけど、後から説明せにゃならんぞ、こりゃ。
しかし、スペースショッカーだのマドーだのレイダーやらサイコやらサイコロンやらシャドームーンやら、興味がないとはいえそれぞれの関係が全然把握できないなぁ。
さて開始30分も立たないうちに、大文字撃とウィザードに(途中イロイロとヒーローが出てくるが)なんとなく事の真相が見えてきた。
そこへ銀河連邦警察から、またまたウィザードを倒すべく宇宙刑事シャリバンが送られて来た。そしてまたいきなり戦いが始まる。そこでマサユキが口を開いた。
「もっとしゃべったらエエのになあ」
マサユキ、正解だ! そうだ、まずは話し合うことが大事なんだよ。父さんはそれを教えたかったんだ。一方的に悪と決めつけて暴力に訴えるのは最悪だと思うぞ。困ったことに今の安倍内閣の政策と、右傾化した多くの日本人の想いがそうなりつつあるからなあ。
でもまあ、マサユキのこのひと言で収穫ありってことにするか。
けっきょく大文字撃とウィザードに説得されてシャリバンは「それじゃあ1時間だけ待つ。それまでに真犯人を倒さなければ、銀河連邦警察は宇宙崩壊の元凶である地球を超次元砲でまるごと消滅させる」って・・・。おいおい、コイツもまた人質を簡単に見捨てる小泉(父)みたいなやつだな。それより、1時間って何の基準だ?単に残りの上映時間か? 宇宙崩壊と1時間って、その対比どうなのよ。そもそもキャッチフレーズが「全宇宙 対 全地球 二度とない究極バトル開始!!」って、それじゃ琵琶湖の全部の水と目薬の一滴が戦うようなもんだろ!
けっきょく最後どうなると思う?(って誰に聞いてんだ)、悪の黒幕と戦って、それはかなり手強いけど、そこで大勢のヒーローがズラリ集合する。せっかく勝算が見えたところで、銀連警察長官が「1時間だ、しかたない」って超次元砲のボタンをポン、って、バカっ、コラっ!
まったく困ったもんだ。でも子供と観に来てる父親たちの大半が会社員だとしたら、「うん、やっぱりコンプライアンス重視だからね」とか言って納得してたりして。
「たとえ白い物でも、上に立つ人が黒と言ったら、それは黒なんだ」とワケの分からんことを子供に教えるんだろうか?「男が一度決めたことは何があっても曲げるなよ」とか・・・。
言っとくけど、これガンマンの心得十箇条とはまったく正反対だからな。ガンマンの心得十箇条すべての根底にあるのは「人を信用するな!」ということだ。信用できないのは上に立つ人間であり、権威や権力だ。それが「怒りの荒野」だ。
なあマサユキ、こんなものは早く卒業して、一緒にマカロニウェスタンのDVD観ようぜ。
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