輝け! 2005オパール映画ベストテン vol.5 [ベストテン]
4位『香港国際警察』
- ヤマネ
- ジャッキー! いいぞ、こんなところに! ひゃほーいい。
- BABA
- これは3人とも選びましたね。
- ヤマネ
- わざわざ大津まで見に行きました! なんで京都で公開せえへんねん! と京都の駄目っぷりを嘆きながら‥。で、大津パルコ、3人しか客がいなかったです。公開2日目なのに…。
- BABA
- ここで一句。瀕死かな ジャッキー映画 大津でも。とうとう弥生座にまで見放されたか! とショックでした。でもその後京都未公開を阻止したRCS京都みなみ会館はエライ!
- ヤマネ
- ジャッキーといえば国際警察、世界で最も「国際警察」の肩書きが似合う男=ジャッキー。でもジャッキーって国際的に何してるん?
- BABA
- それはともかく凄いイメージチェンジですね。酔っても酔っても、酔っぱらうだけ。酔拳とは違う。これまでのジャッキー映画とは一味違うぞ! というオープニング。
- オガケン
- この映画ですが‥面白かったんですが、どうもひっかかるんです。最後、犯人に対して甘すぎるでしょう? 最初に仲間が殺される場面は相当にひどいですよ。あれだけひどい殺し方をして、中途半端な決着をつけている。はっきり言って、偽善的です。
- ヤマネ
- え? ジャッキーって偽善が前提ですやん。それが最高! …確かに、それで復讐終わりかーい! ってパルコの座席蹴り上げそうになりましたけど、いや、実際蹴り上げても良かったんですけど、ん? 蹴ったような気もします。しつこくてすみません。今回のジャッキーはいつも以上に香港映画を救う! 娯楽で行くぞっ! と気合入りまくりでした。アクションも頑張っていたし。
- BABA
- 言われてみれば、確かに、物凄く偽善的やけど、めちゃ泣ける。
- オガケン
- うーん。ラストのフィアンセとの婚約シーンも、泣いたんですけど、やはりなんだか気持ち悪い。フィアンセの顔の片側が火傷の跡になっていたでしょう? でもジャッキー自身は全く傷ついていない。で、醜くなった恋人さえ受け入れる律儀で立派な俺、みたいな、なんてナルシスティックなんだ! と、ちょっと、ね。
- BABA
- 今回は、最後にNG集がほとんど無かったじゃないか。これがその違和感の元です。かつてなら、NG集でたっぷりジャッキーが痛い目にあうのに、それがないので偽善的な雰囲気が色濃く残るんですよ。ジャッキーは映画の中では傷ついていないけど、NG集では思いっきり傷ついている。いつもはNG集を見て、うーむ、痛そう! 偽善を貫くとは、こんなにも痛みが伴うのだあ! と、バランスがうまく取れるんです。きっと。知らん。
- ヤマネ
- な、なるほどー!! NG集も計算されているんですね!
- BABA
- そう。NG集も演出のうち。昔の『ポリス・ストーリー』にしても、『プロジェクトX』にしても、いちばん感動するのはNG集だし。「面白い映画を作るために、痛い目にあっている男がいる!」と、茫然と感動してしまう。少し偽善的でもいいじゃないか! っていうか、それはもう「偽善」ではない! アホなだけだ!
- オガケン
- アクションシーンは凄く格好良くて、もちろん私も楽しめました。たとえば、バスが暴走して街が壊されまくるシーンなんて、凄い! と興奮しましたもん。
- BABA
- あ、あれは『ターミネーター3』の方が凄いですよ。
- ヤマネ
- そうそうそう。町を車で破壊していくシーンは『ターミネーター3』が最高です! ちなみに「投石機」は『タイムライン』が最高! でも、『香港国際警察』の時限爆弾も最高! 磁石使えよ! …みたいな?
- BABA
- ははは。突っ込みどころ満載なのもジャッキー映画の魅力です。
3位「ミリオンダラー・ベイビー」
- BABA
- これは文句なく傑作でした。3人とも選んでるし。と、いう事は、お! ヤマネくんも観たんだね?
- ヤマネ
- 当たり前ですよ! イーストウッドと北野武はマストです!
- オガケン
- …。イーストウッドはいつもそうなんですが、後から後から思考が湧いてきます。深いというか、刺激的というか。だから日記でも何度も取り上げてしまって、もう喋ることないです。
- BABA
- ヒラリー・スワンクがどん底の貧乏人でしょう。でも、田舎町のウエイトレスでは絶対終わらん! と頑張る頑張る。そこがねー、ボクも負け組の貧乏人ですから、メチャクチャ励まされます。辛いとき、挫けそうな時は、ヒラリー・スワンクを思い出す! タフなだけでは不十分だ! 自分の身は自分で守れ! と。
- ヤマネ
- ええー、そうですかー。ボクなんか「あんなことよーせん」って、かえって挫けちゃいますよ。ダメなボク。だって最後なんかほとんど自殺ぢやないですか。あんなことよーせん。ぶるぶる。
- オガケン
- 自分のことは自分で決める。死に方さえも。という真のリバータリアン思想に共鳴しました。イーストウッドはまったくブレがなくて素晴らしすぎますね。
- ヤマネ
- 同じ尊厳死を扱った映画に『海を飛ぶ夢』もあって、饒舌に語っていて非常にわかりやすいし、ちょっとわかった気になるんですけど釈然としないものが残る。そこは観客に委ねられてるんですけど。『ミリオンダラー・ベイビー』は、ほとんど言葉にしてなくても、最終的にじわっと腑に落ちる感じがあります。イーストウッド映画ならではです。…てへ、上手く言葉にできないや。もうやめさせてもらうわ!! ビシ。
- オガケン
- ……。そもそも尊厳死って、キリスト教の背景がない日本ではあまりピンとこないですよね。子どもの頃、森鴎外の『高瀬舟』を読んだんだけど、よく分からなかった。本人が死にたいと言っているんだから、死なせてあげればいいじゃん、とか思ってた。
- BABA
- これは『コンスタンティン』でも描かれてたけど、キリスト教では自殺は大罪なんですね。自殺した人は、葬式すら出してもらえないという。
- オガケン
- これ、尊厳死というより自殺の問題でしょう。一生他人の世話、というかお荷物になって生きるぐらいなら、自死を選ぶ、という。これなら日本人にも分かりやすいな。自死の日本史、という本があったけれど…、三島由紀夫とか…ブツブツブツブツ…。
- ヤマネ
- ははは、また思考が湧き出てきてしまったようですね。もう、こんな人は無視無視! ね、ムシムシ大行進! といえば、ババさん、やっぱ『キング・コング』最高でしたよねー!
- BABA
- そうそう、『キング・コング』の蟲、最高! …で、話は戻るけど、イーストウッドの映画は毎年観たいね。最近は一年に一本、充実したペースで撮り続けてくれてるから、今年も楽しみだ。クリス・ロックが、イーストウッドこそは唯一のスターだ! 単なるセレブじゃない! と言ってたけど、まさにずば抜けてる存在。
- ヤマネ
- あー、話を戻しちゃいましたねー。ババさんも大人だなー、もー。
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