神戸映画サークル スタッフ/おもしろ かおのすけさん 2004年映画ベストテン
5年ぶり! ネバエンの向って右の人おもしろかおのすけがお届けする、『2004年これを観ずして明日を語るな! 返す刀で経済制裁!』
イェー! アスホー! マザーファッカー? ベストテーン! 始まるまでが長い長い。
- 『ほえる犬は噛まない』
- 『オアシス』
- 『わが故郷の歌』
- 『オールド・ボーイ』
- 『ラ・ニーニャ・サンタ』
- 『誰も知らない』
- 『ケン・パーク』
- 『ドッグヴィル』
- 『エレファント』
- 『アマンドラ!希望の歌』
1位『ほえる犬は噛まない』
(京都してませんか?)これは素直におもしろかった。バランスが良い。ギャグの配分やほっこりさせる配分や緻密なオタク度の配分なんかが絶妙だと思うのです。何年かブリに観終ってすぐにもう一度みたくなった映画でした。おもしろ大絶賛!
2位『オアシス』
またまた韓国映画。これは監督・主演女優・主演男優とも凄いクオリティです。ゾウと踊るところなんか(エンディングよりも)泣かせます。観た後にこれは日本人には撮れない作品だと思いました。純愛ですか? セカチューとかアイキとか問題にもなりませんな。あジョゼ虎があるか? いやちょっと違うな。やっぱ。
3位『わが故郷の歌』
私だってこんな正統派なところもあると言うことで。これはあまりみなさんなぜ誉めない? 不思議。めちゃ良いのに。世界中どの監督にも撮れないであろうクルド文化を凄く旨く伝えていると思うんです。あまり悲惨さを出し過ぎないような絶妙な演出に余計に哀しくなって来る傑作です。
4位『オールド・ボーイ』
これはオパールの人たちも盛り上がってるようなのでまあいいか。まさしく絶頂期(?)のタランティーノですな。しかし、エンディングの展開はちょっと個人的にどうかなと。忘れてしまえば近親相姦もええのかっちゅうことですけど。どうなの? 僕の見方間違ってたのでしょうか?
5位『ラ・ニーニャ・サンタ』
これは京都では上映されてないようですね。ヒスパニック・ビート・フィルムフェスティバルというヒスパニック系だけの映画をしてました。神戸と東京だけ? しかし、恐るべし南米映画。粒ぞろいでした。なんでこんな映画を公開しないんだ? バカどもが! 何が韓流ぞ!!
6位『誰も知らない』
やっとこさ日本映画登場。是枝いやらしい趣味(ごめんあそばせ)がなくなって良くなったと思うのは私だけ? あそう。主演男優賞のおかげで映画を観ないお客が殺到して良かったね。
7位『ケン・パーク』
これこれ。これも京都してないの? これサイコーですよ。ラリー・クラーク。アメリカの恥部を撮らせたらこの人とジョン・セイルズの右に出る者はいませんね。ってそんなことない? 今回は子供達だけじゃなくサバービアのキ○ガイ大人が沢山でてきます。サイコー。ババもそこそこ影響力でてきてるのに、こんな映画を皆さんにオススメしなさい。バチグンのオススメ。(パクリ?)
8位『ドッグヴィル』
やっぱラース・フォン・トリアーは偉いなー。って言う映画ですね。アメリカさんはこれをどう観たのかね? やっぱラース・フォン・トリアーとミヒャエル・ハネケは人を嫌な気持ちにさせるのに卓越してますな。ギャスパー・ノエなんてまだまだよね。ってそう思うのはまた俺だけ? とほほ。今回のエンディングは初めから読めてたので八位ね。
9位『エレファント』
カンヌ信望者としてはこれを入れとかないとね。ってあの静かさが最高でした。でも暗さがないのがハリウッド人なのね。ダルデンヌ兄弟あたりが撮ったらもっともっと暗くなっていたでしょうに。
10位『アマンドラ! 希望の歌』
ドキュメンタリーなんですけど、アパルトヘイトのマンデラが解放されるまでの話。ん? これも京都でしてない? 成り行きで三回も観る機会がありまして。これが何回観ても泣いてしまうのです。ナチュラル・ボーン・パンクスはダメね。哀しみの涙じゃなくて良くやったねっていう涙なんですけど。
あと、次点は
- 『蝶採り』(イオセリアーニです)
- 『花とアリス』
- 『華氏911』(ドキュメンタリー?)
- 『息子のまなざし』
- 『午後の五時』
- 『グッバイ、レーニン!』
- 『群盗』(イオセリアーニ)
- 『カーサ・エスペランサ』
- 『ヴァンダの部屋』(ドキュメンタリー?)
- 『ボート・ピープル』(ヒスパニック・ビート)
- 『ハリウッド・ホンコン』
- 『めざめ』
- 『21g』
- 『アメリカン・スプレンダー』
- 『父、帰る』
- 『アロ・トルブキン―殺人の記憶』(ヒスパニック・ビート)
- 『スイミング・プール』
- 『スクール・オブ・ロック』
- 『永遠のモータウン』(ドキュメンタリー?)
- 『涙女』
ふぅ。あと、ワーストだな。
ワーストは難しいな。これだけ生きてると観る前にだいたいわかりますからね。そうそう悪そうな映画はハナから観に行かない。ワーストというより「まんまと宣伝に騙された」ってカンジかな? 四つほど。
- 『ションヤンの酒家』
- 『ピニェロ』
- 『アフガン零年』
- 『ロスト・イン・トランスレーション』
単純におもしろくなかったのは
- 『少女ヘジャル』
- 『ゲート・トゥ・ヘブン』
- 『レディ・キラー』
…かな?
総評
2004年は90本ぐらい映画を観ました。
今年は知らず知らずのうちに韓流に流されてしまっていた自分を発見。ベストテンに三本も入っていてびっくり。元々、韓国映画はあまり好きじゃなかった。イム・グォンテクぐらいしか観ない人でした。欧米の水準から遅れていると思っていたのかも。しかし、「あれ? 今の日本映画より十分進んでるな」と思った。まあ、あまり日本映画を観ないので実状は知らないけど。政府の援助や奨励の仕方が全然ダメだもの。日本は。しかし、やっぱり才能のある人は世界中どこの国にいても頭角をあらわします。いいものはいい。
あと、わりと問題意識の強い告発系(?)の映画が好きだったが、今年の自分のベストを見てみると、『ほえる犬は噛まない』や『花とアリス』など、ちょっとコメディ仕立ての映画が入っていて自分でもおもしろかった。よく考えてみると、近ごろの問題提起は薄っぺらいような気がするのだが、そんなことないですか? ここ数年はドキュメンタリーを見るのが多くなった。ドキュメンタリーは見慣れない人には退屈だろうが、このへんの告発もんは凄い。迫力と緊張が違う。近年のドキュメンタリーは監督の意志が強く出ていて、ドキュドラマ化していますけど。それはそれでおもしろけりゃいいやな。ま、そういうわけで、いやー映画ってほんっと楽しいですねー。
おもしろ かおのすけOriginal: 2004-Dec-15;