鳥取在住/マキさん 2004年映画ベストテン
鳥取の映画館の少なさ(市内に2館)と設備の悪さもあって、劇場で見たものは3本のみ。まあ、今年はいろいろ有りましたし。あとはもっぱら、スカパーとレンタルDVDでの鑑賞となりました。
これではどう頑張ってもベスト3までしか選べませんので選出の規定である「京都で劇場初公開された作品」という条件は目をつぶってやってくださいまし。
いったい私は本当に21世紀を生きているんでしょうか…何の参考にもならなくて申し訳ないです。
2004年(に、私が見た)映画ベストテン
- 『曼荼羅』
- 『聖杯伝説』
- 『2046』
- 『炎上』
- 『少林サッカー』
- 『LOVERS』
- 『誰も知らない』
- 『好人好日』
- 『ミトン』
- 『オテサーネク』
1位『曼荼羅』(1971年)
芸術の名のもとに脱いで脱いで脱ぎまくってる感もあるのですが映像の美しさで、そんなことはどうでもよくなりました。まるで美しい悪夢を見ているようで頭の中グルグルします。実相寺昭雄=ウルトラマンという先入観が間違っていたようです。2005年にはオムニバスながら「鏡地獄」の監督が決まっていて楽しみ!
2位『聖杯伝説』(1978年)
全編を通して印象的な色と形のセットの中でで物語が進みます。「聖杯伝説」「中世」「アーサー王子」など、あまりなじみのないモチーフではあるものの、絵本でおとぎ話を見ているような子供の頃のあの感じ…とても楽しめました。
3位『2046』(2004年)
鳴り物入りとはこのことか、木村拓哉、初の海外作品ということで前評判ばかりだったこの映画、きっと木村拓哉が出演してなければもっといい映画だったに違いありません。
それはともかく、チャン・ツイィーです。「スルメ系」と勝手に名付けております、見れば見るほど味のある美人の意。何も考えず彼女だけ見ていたい。
4位『炎上』(1958年)
これは今更…というかんじなのですが原作の強さを損ねることなく映像化した稀有な作品ではないでしょうか。市川雷蔵も仲代達也も素晴らしいけど、北林谷江(当時47歳)のお婆さんっぷりはすごい。雷蔵もここでは学生なのに、2年後に「ぼんち」で若旦那役なのもすごい。
5位『少林サッカー』(2001年)
今ごろすみません。まだ見てなかったんかい! 私はサッカー自体がよく分からないので今まで遠慮していたのですが、サッカーが分からなくても大丈夫でした。あー、爽快! おもしろすぎー! というこの感じ…何かを見たときにも思ったな…それは「ギャラクシー・クエスト」でした。
6位『LOVERS』(2004年)
どんだけチャン・ツイィーが好きなのか。前作ほどの話の深さはないものの、楽しめました。ありえなーい! と何度も言いたくなりますがそれは映画ということで。戦うシーンがドリフのコントに思えてつい、「後ろ! 後ろ!」と言いたくなり、いいところなのにずっと笑いをこらえていました。
7位『誰も知らない』(2004年)
ネグレクト、というともっと陰惨で悲しくて痛い映像を想像してハンドタオル持参で見に行ったのに明確な泣きポイントは見つかりませんでした。「さあ、ここでないてくださいよう!」というような演出はなく、ただただ淡々と日常を切り取り、映像にしてありました。日の暖かささえ感じるような。何てことないことが、子供ならではの清らかな感性ゆえに上手くできなかったり逆に子供だからこそなりふり構わず何とかできてしまったり。
8位『好人好日』(1961年)
笠智衆演じる数学者の父、嫁入り前の一人娘の岩下志麻。小津安二郎的な話を期待していたらけっこうお茶目な物語で、変人の父とそれを取り巻くエピソードでした。父と娘の愛、がどうしても気になる今日この頃です。
9位『ミトン』(1967年)
(語ると全部説明しちゃいそうな短い作品なので、ノーコメント)
10位『オテサーネク』(2000年)
民話を元にしているのだそうですが、ここでは母の愛の異常さを見事に描いていて、見ていて恐ろしくなりました。母の愛とは人間の愛ではなく動物の愛なのだと…。子供を産むのが恐くなる。くわばらくわばら。
ワーストワン
- 『本陣殺人事件』(1975年)
中尾彬がジーンズを履いた新しい感覚の金田一耕助を演じる、というもの。実験的なのはいいのですが、金田一というよりジーパン刑事です。私が求めているのはもっと重苦しい戦後の混乱期の香りのする金田一なのに…。この後、いろんな人と「あなたにとっての金田一は誰?」と話しましたところ「古谷一行」が大多数で「石坂浩二」が次点でした。(私は石坂浩二派)意外なところでは「渥美清」という人も。そしてみな口々に「中尾彬はありえない!」というのでした。
と、以上でございまーす★ それでも映画館で見たものは3本ともランクインしてますね。間違いない! のしか見ていないせいです。切腹。
マキOriginal: 2004-Dec-16;