京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal：Home

祇園OPALにて。「店主。BABAさんは本当に、行ってしまわれたのですか？」

「あ、BABAさん？ そこら辺にいるよ」

「ん、そういえばそんな気が…。でも、BABAさんが癌で亡くなったというのは、やっぱり本当だったんですね」

BABAさんと私は、「自転車」という項で繋がれていました。私がかつて自転車競技の選手であったため、BABAさんが自転車にハマり出した当初には、自転車屋を紹介したり、自転車について少しアドバイスしたりしたことがありました。もっとも、その後はBABAさんのこと、ご自分でガンガン調べて、もう私なんかより遙かに自転車について詳しくなってしまわれましたが。ファッションも自転車ウエアを好んで着けておられましたし。

コカ・コーラをチョビチョビと飲みながら黙っていると、店主は、BABAさんが突然に倒れて入院しているということを数ヶ月後に人づてで知り、その後、足繁く病院へ通われたという話を語り始めました。そして、一旦は回復の兆しを見せたものの、やはり来るべき時が来てしまったということも…。

話を聞きながらBABAさんのことで悲しく思うと同時に、私とKKちゃんは何よりも店主の献身に心打たれました。看護婦で重症患者を沢山みてきたKKちゃんも、フラフラになりながらもお見舞いを欠かさなかったすごさに「店主は、良くしはった！」 と声を上げました。

…。さてそろそろ帰る時間だ。お勘定を。と思ったら財布にお金が殆どない！ ということに気づきました。「いいよ、今度で！」 という店主とトモコさんに詫びながらOPALを出て、わかりました。BABAさんは間違い無く、長い長いサイクリングに出かけていってしまったんだと。