T氏の自転車 [生活]
数年前になりますが、KKちゃんが知り合った駐在員の方からママチャリをもらったことがありました。私は学生時代からロードに乗り続けていて自転車が大好き。ママちゃりも大好きです。
私が住んでいるのは郊外ですので、ミヤタの素敵なママチャリをもらったのは良いのですが、全然使う機会がありませんでした。(しかしイタリアまでミヤタのママチャリを日本から運べるなんて、駐在員というのはすごいですね。)
そんな折、新しくイタリアに引っ越してきた日本人のT氏が、「いやー、powerさん、今ミラノで住んでいるところはちょっと不便なんですよね」 というものですから、「あ、そういえばうちに全く使っていないママチャリがあるのだけど、あったら使う?」 と訊いてみたら、「それは助かります!」 と言うので、うちまで取りに来て貰いました。
先週の月曜日、T氏はやってきて、ミヤタのママチャリを見て、「おもいっきり日本のママチャリですね!」 と驚いていましたが、そうなんです。ちょっとイタリアの中では日本のママチャリは、ういた感じがするのも否めないのです。こちらではもう少し図太い、大味の自転車が多いものですから。
その三日後。つまり先週の木曜日。T氏に再び会う機会があったのです。すると、「Powerさん。。。あの。。。」 と私に何かいいたい様子。「実は、重大なことをお伝えしなければいけません・・・」
青ざめた顔で、半泣きで、つまりつまり言葉を出すT氏。私は一体何が起きたのか、かなり不安になりました。
「あの。。。自転車なんですが…」
そこで私の頭に浮かんできたのは、サドルが無くなったのかなということでした。何せミラノにはサドルがない自転車がそこかしこに転がっていますからね!
「頂いて、3日しか経っていないのですが…。実は…。盗られました」
目をうるうるさせながら、絞り出すように最後のフレーズを言ったT氏は、もう切腹致しますとでも言いたげな表情をわたしに向けてきました。なんでも家の中庭に置いておいて、鍵をかけていたのだが、柵などに結わえておくはしていなかった。次の日に気がついたら自転車は忽然と無くなっていた。
私はすぐさま彼のもとを離れ、一人で号泣した、のではなくって爆笑してしまいました。早い!なんて早いんだ!
「申し訳ありません!」
すまなさそうにするT氏に 「上げたものなんだから、気にしなくていいよ」 と言いましたが、やはり彼にしてみれば大失敗という感じなんでしょうね。いわばマンションの構内にとめていても盗られてしまう。さすがイタリア。自転車泥棒! 皆様、イタリアにお越しの際はご注意ください。
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