奪還 DAKKAN
−アルカトラズ−
『DENGKI』に続く、スティーブン・セガール+ヒップホップアクション巨編第二弾! ババーン! この後も、『撃鉄 GEKITETSU ―ワルシャワの標的―』が控えているので、セガールファンはワクワク→ションボリの日々が続くことでしょう。
セガール扮するは、謎の自動車泥棒。相棒はヒップホッパー、ジャルール。オパール店主によると、「史上再弱のヒップホッパー」と異名を取っているらしいです。このジャルール、なんでも DMX にライヴァル心を燃やしていて、DMX が『DENGKI』でセガールと共演したので、ほな自分も、と今回、セガール+ジャルール夢の共演とあいなったそうです。
と、ヒップホップファンはとりあえず必見なのですけれど、この自動車泥棒セガール、いきなり FBI に現場を押さえられて銃で撃たれ、生死の境をさまよったのち、アルカトラズ刑務所に送られ、そこで相棒ジャルールと再会、そうこうするうちテロリスト集団の襲撃にあって…と、『沈黙の戦艦』などセガール作品でおなじみの展開を見せます。もう、ドッカリと安心して見ていられますね。
ネタバレですけど、というか、大方の観客の予想通り、セガールは実は FBI の潜入捜査官なんですよ。FBI は、テロリスト襲撃を見越して、セガールをアルカトラズに送り込んでいた、ということみたいなんですが、なんで心停止状態に陥ってまでして、ジャルールをだまさなければならないのかよくわからないのですけど、セガールの中の人も大変です。というか、現代 FBI の任務の厳しさ、不条理さを見事に暴いたと言える。
と、申しましょうか、映画の冒頭でセガールがウソ発見器にかけられるシーンがあり、「お前は FBI か?」の問いに「否」と答えてウソ発見器はピクリとも反応しなかったのですが、一体セガールはどうやってウソ発見器をだましたのか? という疑問が湧き起こって当然、ジャルールが「どうやったのか?」と問いつめると、セガール答えて曰く、「ごまかしたのさ」…って、それだけかい!
いや、まあ、どうでもいいんですけど、アクション・コレオグラファー(振り付け師)は、『ヤング・ブラッド』のシン・シン・シャン。香港人シン・シン・シャンがわざわざ組み立てたカッコいいアクションを、アメリカ人が台無しにする、という最近のハリウッド映画が開発した新テクニックが縦横に用いられており、これも見逃せませんね。
黒人はたくさん出てきますが、『DENGKI』や『ブラック・ダイアモンド』ほど「黒人文化の面白さ」が描かれているわけではありません。とはいえ、ちょこちょこジャルールの見せ場があるので、ジャルールファンの方はもちろん、セガールファンも必見かも。知らん。
☆★(☆= 20 点・★= 5 点)
BABA Original: 2003-May-27;- 関連記事
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