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Movie Review 9月11日(TUE.)

DENGEKI 電撃

 製作ジョエル・シルヴァーは『マトリックス』製作時、ウォシャウスキー兄弟から「凄いヤツがいるんだ!」とジェット・リーを紹介され、おおコイツは凄いやんけ! と早速『リーサル・ウエポン 4』の悪役に起用します。

『リーサル・ウエポン』シリーズといえば、『夜の大走査線』で確立された「黒人と白人が協力して悪人を懲らしめるポリス物」パターンの成れの果て、息も絶え絶えだったのですが、クンフー・アクションを導入してみるとこれがまた素晴らしいヒット作に。

 引き続きジョエル・シルヴァーはジェット・リーを主演に抜擢、『ロミオ・マスト・ダイ』を製作、これまたヒット。むむむ。更に『ラッシュ・アワー』を見てジョエル・シルヴァーは卒然と悟ります。

「マーシャル・アーツの達人が、黒人と協力して悪人を懲らしめる映画は絶対に、アタる!」(憶測)

 そもそもアクション・ファンとは映画に対する忠誠心がズバ抜けており(『セシル・B ザ・シネマウォーズ』参照)、さらに黒人もマーシャル・アーツ好きなものですから(『黒帯ドラゴン』の影響か?)、確実なる固定客がいます。今回はセガール(愛称:セガやん)を起用、見事セガール主演作の中で最高の収益をあげるヒットとなりました(アメリカでは)。イエーイ。

 ジョエル・シルヴァーは傑作『エグゼクティブ・デジション』でもセガールをちょっとヒネって使っておりましたが、今回も批評的に用いています。主人公はアメリカ映画典型の刑事で、「法」よりも「自らが信じる正義」を優先させ、権威には反発、とかく悪には滅法強い「やりすぎ」刑事なのですが、「やりすぎ」で新聞ネタになることもしばしば、何をやっても「やりすぎ」で上司に怒られ、ついには「怒りと上手につき合うカウンセリング」を受けさせられるとか、セガールの強面、同時にコミカルな挙動とあいまって愉快なシーンの連続です。

 で、登場した瞬間に「絶対コイツが犯人!」のお約束キャラクターとか、クールな黒人ギャングスターが実は…のムリヤリな展開とか、むむ、この女署長はセガールといい仲になるのかー? と思わせといてアッサリ、とかヒネっているのかヒネっていないのかよくわからない脚本もシルヴァー的にて、うーむやっぱり私はジョエル・シルヴァー好きかも? と独りごちたのでした。ジョエル・シルヴァー最高!

 監督は『ロミオ・マスト・ダイ』の、(きっとジョエル・シルヴァーの言いなりの)凡庸な演出で定評のある(ないか?)アンジェイ・バートコウィアク。たまたまイオンシネマで見たからですけど銃撃戦などの音響効果もバチグン、妙にグロいところもあるし、アメリカ映画の新しい波に乗り遅れるな! もうすぐ真打ち、21 世紀最高の話題作 『ラッシュアワー 2』公開だ! ウォー! フー、イエー! ……というわけで、上映は終わっちゃいましたがオススメです。久々に一句。セガやんに ヒップホップは ミスマッチ。

BABA Original: 2001-Sep-11;

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