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 Diary 2004・11月8日(Mon.)

『キャットウーマン』について

 ババさん来店。先日『キャットウーマン』を観たとの事だつたので、感想をきく。

「酷いもんでしたね」

 ああー、やつぱり。CGが、ホント酷かつたですね。あと、アクションシーンのカット割りが多すぎて、早すぎて、何をやつてゐるのかサッパリ分からないのも、腹が立ちますね。

「ハル・ベリー、結構頑張つて色々やつてゐるんですが、それを全て台無しにする素晴らしいCGとカット割りでした。やれやれ」

 でも、ハル・ベリーは良くなかつたですか?

「ええ、部分的に凄くカッコヨイところがありましたね。うん、あと、キャラクター造形とかもネコッぽくて良かつたかな。」

 さうですね。『バットマン』のキャットウーマンでは、一応殺された女の人がネコの霊の力を借りて甦つて復讐をする、といふ復讐譚で、今回の『キャットウーマン』でも基本はその復讐譚を踏襲してゐるんですが、あまり「復讐」といふ側面が強調されてゐないんですよね。

「さうさう、一体何をしたいのかよく分からない、といふ所がネコッぽくて良かつたんですよ」

 宝石泥棒に行つたり、気に入らない奴をブッ飛ばしたり、好きな男性に果敢にアタックしたり、とにかく欲望に忠実。かつ、怠惰な感じ。本来、ネコと復讐はあまり馴染まないんぢやないかなァ。だつて「ネコに未来はない」んですよ。常に現在しかない。復讐といふ観念とは無縁ですよ。

「でも、その着眼点の良さを全く活かしきれてゐない、これまた素晴らしい脚本でしたねェ、まつたく。」

 うーん、これは是非、同じハル・ベリー主演で『キャットウーマン2』を作つてほしいですね、もちろん、監督・脚本は他の人に変へて、ですが。ババさんは誰なら良いと思ひますか?

「ううーん、…テオ・アンゲロプロスとか」

 …それは、面白さうですねェ。

 本日ババさんは『血と骨』を観てきてゐた。私もいずれ観るつもりなので、感想はきかず。ババさんも何も言はず。『血と骨』、楽しみです。

小川顕太郎 Original: 2004-Nov-10;