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地獄のお気楽
スペイン観光


10-01 Madrid

10/Aug./2002(SAT.)

レイナ・ソフィア
芸術センターの3時間 その1

 オラ! ガーン。明日早朝には日本へ帰るのか…。うえーん、帰りたくないよーん、よーん、と駄々をこねててもしゃあないので、現代美術鑑賞でもすなる、と本日はプラド美術館の少し南、「レイナ・ソフィア芸術センター Museo Nacional Centro de Reina Sofia」へ。そう、ここにはピカソの超有名作『ゲルニカ』があるのだー。ババーン。20 世紀で最も有名な芸術家の最も有名な作品、と言っていい『ゲルニカ』は門外不出とされ、実物を見るにはここに来るしかない。いや、実物を見たからどうということないと思いますけど。

画像をクリックすると別ウィンドウで表示(裸眼立体視・平行法)

 

 12 時頃に到着。入場料はプラドと同じく 3.01 ユーロ。この日、土曜午後 2 時半からは無料入館ですが、早く来てしまったものは仕方ない、と太っ腹なところを見せ入館…って、360 円ぽっちですが。


 ちなみに開館時間は、月〜土:午前 10 時〜午後 9 時、日曜:午前 10 時〜午後 2 時半、火曜休館。プラド同様、土曜午後 2 時半以降と日曜は無料。18 歳以下、65 歳以上、失業者は常に無料(要証明書)

 ここでも、X 線による荷物検査あり。こちらは写真撮影禁止です。察するに現代美術が中心のこちらは、まだ著作権が生きている作品があるのであろう。ふむ。小荷物にカメラを入れてたら、「カメラ!」と摘発され、ロッカーに預けろ、と言われました。

 で、ダダダーッと見る。ピカソ、ミロ、ダリなどおなじみスペイン作家の他、日本ではあまり紹介されていない、と思われるスペインモダン・アート作品大量。…プラドもたいへんな量でしたが、こちらも大量。

 んで、『ゲルニカ』。1937 年パリ万博スペイン館のために製作され、長らくニューヨークの近代美術館に置かれていましたが、1981 年フランコ死後 5 年後、スペインに返還され、しばらくはプラド美術館に防弾ガラスで守られて陳列されていたそうです。その後 1992 年にオープンしたレイナ・ソフィア芸術センターに移され、現在は防弾ガラスもなく、触ろうと思えば触れるくらい気軽に置いてある。『ゲルニカ』がたどった歴史はスペイン現代史の反映であり、この「気軽に置いてある」状態こそが「スペインの現在」を表しているのだ。適当。

『ゲルニカ』に至る習作的作品や、製作過程の写真も展示されており、この美術館の目玉なんでしょう。周囲には呆然と眺める人びとが多数、といっても余裕で見られる。

 うーーーむ、やっぱり実物は凄い! なんというか、格別のアウラを放っております。

 うろ覚えですが、第二次大戦中ナチス占領下のパリ、ピカソのアトリエを訪れたドイツ大使に「『ゲルニカ』を創ったのはあなたですか?」と問われ、ピカソは「いいえ。『ゲルニカ』を創ったのはあなたたちです」と毅然と答えた、という逸話(ホントかどうかは知りません。作り話っぽい)を思い出しつつ私も呆然と圧倒され。

 その他、アントニオ・タピエスなんかのアンフォルメル作品、ルチオ・フォンタナの切り裂かれたキャンバスや、ヤニス・クネリスら「アルテ・ポーベラ」の逸品もあり、ヨーロッパ現代美術の流れが概観できる。プラド美術館→レイナ・ソフィアと見て回れば、印象派・後期印象派がすっぽり抜け落ちてはいますが、西洋美術史を実物で一望できる。

 プラド、レイナ・ソフィアの近所には「ティッセン美術館 Museo Thyssen」ちゅうのもあって、ここも大変な数の常設展示らしい。プラド、レイナ・ソフィア、ティッセンの3館入場券もあるそうです。我々のマドリッド滞在中は「シスレー展」が開かれておりました。

 こういう、巨大美術館が、繁華街から気軽に歩いていけるところにあるのが素晴らしいですね。マドリードでは「美術史」が生活の傍に存在しているのであーる。適当。

 …しかし、作品数多いですな。続きは次回「レイナ・ソフィア芸術センターの 3 時間 その 2」で。アスタ・マニャーナ。

BABA


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