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地獄のお気楽
スペイン観光


07-03 Mallorca

07/Aug./2002(WED.)

ドラック洞窟

  ドラック洞窟ミニガイド表紙

 オラ。パルマの街を出ると灌木・草原地帯が続き、信号はほとんどなく、たまにロータリーで右往左往したものの快調に飛ばす。しかしスペインの交通法規はいったいどうなっているのかね? 我々も時速 80 km/h は出しているというのに、他の車は時速 150 km/h くらいですいすい追い抜いていくではありませんか。どうなっとるのか? と 1 時間半の手に汗握るドライブの後、なんとかマリョルカ島東岸ポルトクリスト着。

 ポルトクリストの街に入ると「COVES DEL DRAC」の標識が出ており、それに従って少しく街はずれ、「ドラック洞窟」到着。宿泊地パルマからは 55 km 、約 90 分。すでにぐったり疲れ果て。

 気をとりなおして今後、ドラック洞窟を訪れる方のために記しておきます。

「Coves del Drac」、英語では「Cavern of the Dragon」、すなわち「竜の洞窟」。マリョルカ島最大の鍾乳洞で、最深部にはヨーロッパ最大の地底湖があるとのこと。

画像をクリックすると別ウィンドウで表示(裸眼立体視・平行法)

 

 どうやら、入場者数が制限されているようで、1 時間おきの指定チケットが売られています。7.5 ユーロ。我々は午後 2 時過ぎに到着したのですが、3 時、4 時の券はすでに売り切れ、5 時の分のみ販売されている。ガーン。2 時間半待ちか…。さすが観光シーズン。わいのわいのとにぎわっております。


 

 呆然と待合所のカフェで休憩。カプチーノ 1.7 ユーロ、生ハムのサンドイッチ 1.8 ユーロ。ドーン! またまた「カプチーノ生クリームてんこ盛りタイプ」。


 

 しゃあないので歩いて 10 分ポルトクリストの街に戻り、時間つぶしに散歩。海水浴の家族連れでにぎわう。


 

 レストランのテラスでビールを飲みつつ時間をつぶす。「うーん不景気やなー」と黄昏れるオジサン。適当。


 5 時にドラック洞窟に戻る。入口でしばらく待って入場。写真撮影禁止なので内部をお見せできません。自分で行って見るよろし。

 ずんずん下っていくと、地底のマルテル湖へ。幅 177 m 、深さ 9 m だそうで。地底湖のある洞窟の最深部は巨大なホールになっており、500 人以上は座れそうな客席がしつらえてあります。そこに誘導され、待つことしばし。ミニクラシックコンサートが開かれるのだ! ババーン。…なんか下世話な発想ですなー、「観光地」なんて日本も欧米も似たようなものですな、などと語りつつ。

 やがて場内が真っ暗になり、スペイン語、ドイツ語、英語での冗長なアナウンスの後、どこからともなくクラシック音楽の音色が聞こえてきます。むむ、湖の奥からボヤーっと光が。舷側にライトを吊した小舟に乗ったピアノ、チェロ、バイオリン弾きがショパンかなんかを奏でながらゆらーりゆらりと近づいてくる。…うーん、これは美しい。抑制されたタッチ、のろのろした動きは、さながらタルコフスキーか、ビスコンティの映画のようです。ヨーロッパの「観光」底力を見る思い。

 が、写真撮影禁止にもかかわらず、バシバシフラッシュを炊いて写真を撮る人続出。…「旅の恥はかき捨て」、観光客の阿呆さ加減は洋の東西を問わず、ですね。そのたびに客席から大きなため息とともに「No Flash !」の声が上がる。しかし、阿呆なら思わずシャッターを切らざるを得ない美しさ、であることでした。

 コンサート終了後、ほんの 50m ほどを小舟に乗せてもらえます。湖水はすさまじいまでの透明度。手を浸し、舐めてみるとしょっぱい。海水なのである。うむ。

 6 時半過ぎ、地上に出るとすでに日が陰りだしている。さてー、パルマに戻りますか!


 

 マリョルカ島内陸部はこんな感じの風車が点在。景色を楽しむ余裕は我々にはない。


 …1 時間半後、パルマに着くまでは順調だったのですが、何せ私もナヴィゲーションは不得手なものですからね、ええ。街に入ってから坂道に迷い込み(普通は迷わない)、ほうほうの体でホテルに到着したのはさらに 1 時間後。レンタカーは本来ならガソリンを補給して返すところ、スタンドに寄ることすらできずホテル前に乗り捨てて地面に突っ伏す。ガソリン代追加料金も含めてレンタカー代は 1 日で 70.5 ユーロ。

 いやいやスリリングなドライブであった。絶体絶命の危機に身をさらし、生きてあることの歓びを実感するのも海外旅行の醍醐味。…って今だから言えるのですが。

 スペインでレンタカーを初めて借りる方への言わずもがなの助言。普段オートマティック車に乗っておられる方は、存分にマニュアル車の練習(特に坂道発進)をしてからにしましょう。また助手席には絶対マニュアル車の運転に慣れた方に座ってもらいましょうねー。

 ヒザをガクガクいわせつつ、大聖堂門前シーフード・レストラン「モビイ・ディック Moby Dyk」へ再び。大道バイオリン弾きを聞きながら呆然と夕食。網焼きシーフード盛り 14.00 ユーロ、アスパラガスの冷製スープ 4. 00 ユーロ、スパゲッティ・イタリアン 5.00 ユーロなど、たらふく飲んで食って 37.66 ユーロ。パスタはやっぱり柔らかでしたが、美味しかったです。生きててよかった! 思わず大聖堂に向かいて手を合わせる。エイメン。

 ホテルに戻りドッと疲れてうなされつつ寝る。うーんうーん。次回「マリョルカ〜マドリード」。アスタ・マニャーナ。

BABA


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