Movie Review 1999・9月08日（WED.）
黒猫・白猫
『パパは出張中！』はラストのずんずんなど面白く見た記憶があるが『ジプシーのとき』は見逃し続け『アリゾナ・ドリーム』はほとんど中身を憶えておらず『アンダーグラウンド』はやたらと長くて何がおもしろいのかさっぱりわからず、どうもクストリッツァ監督とは性のあわないオレだから、でも今回はコメディ、ギャグの連打だというので大いに期待を持って見に行く。
とりあえず最後まで眠気を覚えることがなかったのはドナウ河のほとりの水上生活者たちの生態が興味深く『世界ウルルン滞在記』を見るがごとき興味。でも若手タレントの愉快なレポートやクイズ、徳光アナののほほんとした人柄はなくひととき家業を手伝いつつ過ごした後の今生の別れという涙を誘うクライマックスもなくただひたすら家鴨、山羊、黒猫・白猫、豚などなどをけちらしつつ狂騒する人びとがあるのみ。
かといって「笑えないコメディ」と一刀両断してしまえぬのは、そこそこ席の埋まった弥生座 2 にて他のお客さん達はときおり「うふふふ」「くすっ」「あーっはっは」などと興を募らせている様子にてせっかく 1,800 円なにがしかの入場料を払ったのであるからぜひワタクシもひと笑いしたいものだとりあえず他の人が笑っている場面でつくり笑いを同調させて行けばやがては腹の底よりの笑いがわき起こるはずなどと考えては見るものの。疲れる。
「アンダーグラウンド」をおもしろく見ることが出来た方にはオススメ。
BABA Original: 1999-Sep-08; |