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Movie Review 1999・12月16日(THU.)

ゴジラ 2000―ミレニアム―

 さすがにアメリカ版『GODZILA ゴジラ』や傑作『ガメラ III』などが出てしまうと、適当に作って親子連れをダマくらかすのに気が咎めたのか、複数の脚本家を起用、おまけに「外部のゴジラを良く知る 4 人の識者(ゴジラファン代表)」に脚本段階から意見を仰いだりしてディスカッションを重ねたらしく、ドラマ、特撮ともに近年の『ゴジラ』シリーズの中では格段にマシなモノになっている。

 マシとは言ってもそれは『ゴジラ』シリーズ中でのことであって、やっぱり平成『ガメラ』三部作と比べれば、なんちゅうか、こんな言葉を使うのは赤面モノだが「SF マインド」の質において雲泥の差がある。

「SF マインド」――訳してボンクラ魂を持ち合わせぬ奴らがいくら頭を絞ってもしゃあないのである。「ゴジラファン代表」って誰やねん。「それって『スフィア』のパクリぢゃん!」、「なんで『ツイスター』なんちゅうつまらん映画のマネするんですか?」、「コレ、『ナビゲーター』?」とか、なぜ突っ込まないのか?

 要は「どうせ子ども向けなのである、子どもはそんな元ネタを見ていないのである、だからバレないのである」という短絡思考が根底にある。ハッキリ言って、子どもの方がずっと、遠慮なしのリアリストであるからバカにされるに決まっているのである。

「おお! これは大発見だ、名前をつけねば。…オルガナイザー G1 …。うむ。いい名前だ!」…って、なごませてどうする?

 とはいえ、イカのバケモノみたいな宇宙人(?)がデデーンと登場したかと思うとクテクテっとひっくりかえったり、村田雄浩、阿部寛、佐野史朗、『秘密の花園』の西田尚美、ちょっとしか出てこないけど西村雅彦などの役者が素晴らしいので「そんなに悪くないかな?」とお子様連れに囲まれたボクはそっとつぶやいてみた。

BABA Original: 1999-Dec-16;

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