Movie Review 1999・12月15日(WED.)
わたしの渡世日記
高峰秀子著 文春文庫 上・下
「古本屋『シネブック』漫歩」でも「スコブルつきのオモシロ本」と絶賛されていた女優・高峰秀子の半生記だ。
まあ、近頃の若い人は高峰秀子っても知らんぢゃろうから若干紹介しておくと『二十四の瞳』(1954 木下恵介監督)、『浮雲』(1954 成瀬巳喜男監督)などの主演を果たし、1950 年代日本映画の黄金時代の一翼を担った、デコちゃんの愛称で知られる(知らない?)名女優なのぢゃ。『わたしの渡世日記』は、高峰秀子の誕生から昭和 50 年、松山善三との結婚までを綴った一人の女優の物語であるとともに、若き黒澤明、木下恵介、小津安二郎、成瀬巳喜男ら名監督が続々登場する昭和日本映画史でもある。
市川崑が高峰秀子の家に下宿していた…など、別にどうってことないけど「へぇ〜」と感心するエピソード満載。
また、黒澤明が若き助監督時代に高峰秀子と恋仲だった…とのウワサはよく聞くものの、一方の当事者の証言で顛末が語られるのも興味深い。
たとえ高峰秀子の映画を一本も見たことがなくとも、ぜひご一読を。…って、一本くらいは見てないとおもしろくないか。
BABA Original: 1999-Dec-15;
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