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Movie Review 1999・12月17日(FRI.)

ウィズアウト・ユー

「U2 のボノ映画初出演!」ってったって、ボノってちょっとしか出て来えへんかったやん! と宣伝を信じて見に来たお客さんは怒るでしょうが、さすが映画不リークのオレ様は宣伝文句をハナから信じていないので、「ふふふ。やっぱり…!」とホクソ笑んだ。でも平日 7 時からのイオンシネマ久御山 No. 5 の客はボクと、謎の男性客がもう一人だけ…ってボクも大抵謎か? ほう、宣伝文句を信じて見に来ちゃったヤツってほとんどいなかったってことで、ホクソ笑んで損した。

 で、実態はというと、フィル・ジョアノーという、よく知らない監督のウッディ・アレン風自意識過剰恋愛映画だ。この監督、ボクは『U2 魂の叫び』っちゅうドキュメンタリー映画しか見ていないのでよく知らないが、おいおい、キミの思い出話をえんえん語られても興味ないんだがなあ、って映画。

 スティーブン・ドーフ演じる P ・ジョアノーの自画像的人物は、なんか MTV とか撮ってたらしいが、劇中ついにメジャーで監督デビューすることに。ここは一発気合いを入れとかなあかんところであるが、モデルのジュディット・ゴドレーシュにガッビーンと一目惚れしてしまい、イチャイチャ乳くりあってる間に映画の方は撮影日数を削減されたりしてカリカリしているところ、なんだかんだでゴドレーシュに見限られ、ウジウジしてたら結局映画の方も中途半端で終わっちゃった、という「二兎を追う者一兎をも得ず」という古典的な教訓が導き出せる物語。

 映画は決定的に馬鹿の道を踏み出した時点からのドーフの回想、という形を取っており、物語の進行の要所要所で自己分析を加える、ってところが W ・アレン風。で、何が腹立つかというと、ジョアノーまだ 37 歳。どうでもいいコトしか言えないくせに、なんで人生を振り返る? 『オーシャン・トライブ』って映画でもそうだが、中途半端に歳をとったヤツが青春を振り返って教訓を垂れる、ってのには異常に腹が立つ。

 全編を通じ、約 10 分ほどのボノを見ることが出来るのがやっぱり最大の見どころ。さすがカリスマ、なんか内田裕也みたいである。ゴドレーシュもさすがフランス女優、良い。ドーフ頑張れ! まあまあ応援してるぞ!

BABA Original: 1999-Dec-17;

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