ブリジットジョーンズの日記
きれそうなわたしの12か月
完璧な恋人 完璧な人生 これで悪いはずがない。ババーン!
前作では私、ブリジットのキャラ設定にドン引き、面白さがよくわからなかったのですが、今回はオープニングで「この映画は、こういう映画なのですよー」と示され(たような気がして)、なるほどと得心。前作より、はるかに面白く観ることができました。
そのオープニングとは。ネタバレですが、ブリジット=突撃レポーターがスカイダイヴィングに挑戦! 飛行機から飛び降りて、ブバッとパラシュートが開いたらなんとユニオンジャック柄! ……ではなくて、普通の柄のパラシュートなんですけど、バックには『Nobody Does It Better』のカヴァー曲が流されます。
あら、この曲はカーリー・サイモンが歌った『007 私を愛したスパイ』の主題歌、…なるほど! ジェームズ・ボンドがイギリス男性の妄想なら、ブリジット・ジョーンズは、イギリス女性の妄想の産物なのでありましょうか。『ブリジットジョーンズの日記』は、『007』シリーズを楽しむような心持ちで鑑賞すればよいのであった。
ワーキングクラスの主人公ブリジットは、特に美質も見あたらないのに、上流階級コリン・ファースとヒュー・グラントの男前二人に言い寄られたり、タイでマジックマッシュルーム食してトリップしたり、麻薬密輸容疑で捕まって女性刑務所に入ったり、など大冒険の数々。まさに妄想フルスロットルで、『007』をツッコミながらお楽しみいただけるなら、この『きれそうなわたしの12か月』も、「んな、アホな!」「いい加減にしなさい!」とお楽しみいただけるかと存じます。
と、いうか、そもそも「日記」なのですから、ブリジット・ジョーンズの都合のよいように世界が解釈され、妄想が炸裂するのも当然といえば当然、とごちました。
そんな一人合点はどうでもよくて、前作ではレニ・ゼルウィガー、『スパイダーマン2』のキルスティン・ダンストにも負けず劣らず、正視に耐えないシーンが多数でした、…ってファンの方ごめんなさい。
いや、私もレニ・ゼルウィガーもキルスティン・ダンストも大好きなのですけど、今回、前作より大幅に体重増、はちきれそうな私の12か月、こうなりますと『モンスター』シャーリズ・セロン、『めぐり逢う時間たち』ニコール・キッドマン同様、「役作りとして肉体改造している」ことがすんなり見てとれ、安心して観ることができました。
エレベータの禁煙マークの真ん前で、娘ブリジットとその父がブカブカ煙草を吸う、…みたいな、イギリス階級社会をチクリと皮肉る感じのギャグに、いくつか笑かしていただきました。前作よりは笑えるギャグが多かったのでオススメです。
☆☆★★★(☆= 20 点・★= 5 点)
BABA Original: 2005-Apr-13;