ハンテッド
待望のウィリアム・フリードキン最新作、しかも、世界二大オヤジ顔俳優トミー・リー・ジョーンズ VS ベニチオ・デル・トロの大激突! ババーン!
…って、公開初日にいそいそ駆けつけたは、やはり、最近アクションをちゃんと撮れない監督が多過ぎる! まともなアクション映画が見たい! フリードキンなら大丈夫であろう、ということでして、どうだったかというと、さすがジョン・フランケンハイマー亡き後、アクション映画のベテラン監督ナンバーワン=フリードキン、そのアクション感覚に私は酔いしれたのでした。…って、そんなに凄いわけでもないのですけど、やはり、他がひど過ぎるとよく見える、と申しましょうか。
ていうか、フリードキンは『フレンチ・コネクション』『エクソシスト』でハリウッド監督のトップに登りつめたものの、続く『恐怖の報酬』で大コケ、その後パッとしなかったんですけどね、今回、脚本にクレジットされているのが、デビッド & ピーター・グリフィス兄弟だ! ダーン! …誰それ? って感じですけど、シュワルツネッガー主演でなかなか面白かった『コラテラル・ダメージ』の脚本家です。
すなわち、フリードキン+グリフィス兄弟、もうワクワクです。…って、そんなことはどうでもいいのですが、コソボ紛争で過酷な任務に就いた陸軍特殊部隊兵=デル・トロは、アメリカに戻って頭がおかしくなり、連続殺人を犯す。FBI は、デル・トロを育てた教官=トミー・リーにデル・トロの追跡を依頼、逃げるデル・トロ、追うトミー・リー、師弟対決の結末や如何に? ババーン! というお話。
デル・トロは、「狩りには、殺す相手に対する敬意が必要だ」との「殺しの哲学」を持っており、「銃で殺すのは失礼にあたる」とナイフのみを使います。対するトミー・リーもナイフ、ちゅうことで、最近のドンパチ銃撃戦、ドカンドカン爆発シーン満載のアクション映画とは一線を画し、ナイフのプロとプロの対決を、キッチリとスーパークールに描き出し、「これ、これ、こういうアクション映画が見たかったぜ!」と一人ごちたのでした。
ついには、デル・トロは鉄クズを材料にナイフを作る、トミー・リーは石を削ってナイフを作る。大自然をバックに、オヤジ俳優が自作の武器で戦う。素晴らしいです。最近の、CG 満載お手軽アクション映画群に対し、「CG はガキの玩具だ。大人の男が、ナイフで斬り合えばアクションは成立するのだ」と訴えるかのようです。
CG 無し(と思う)の映画はやっぱり面白いですわ。バチグンのオススメ。
☆☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)
BABA Original: 2003-May-29;