Movie Review 2003・1月1日(WED.)
第4回
輝け!
2002年オパール映画
ベスト10
- 管理人
- いやあ年始早々寒いですねー。みなさん昨年も色々とお世話になりました。それでは! 今回で第 4 回となりました「オパールベスト 10」、そろそろマンネリですので、今回で打ち切りです。
- ヤマネ
- やる前からなんてことを言うんですか! これからもやるよぅ、やらせてくれよぉ、やり続けますよぉ! ねえ?
- BABA
- あ、はい。
- オガケン
- やります。日記のつらさに較べれば楽しいもんです。
- ヤマネ
- そうこなくっちゃ! って一人だけ新年早々こんなにテンション高くて大丈夫かちら。
- BABA
- 一年中同じですやん。
- ヤマネ
- よーしっ!
- 管理人
- では張り切ってどうぞー。まずはお三方のベスト 10 +ワースト 1 の発表です。
オガケン選出 ベスト 10
- ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
- チアーズ!
- フォー・エバー・モーツァルト(あるいは『 JLG/ 自画像』)
- ブラッド・ワーク
- 少林サッカー
- 殺し屋 1
- MIB2
- ミスター・ルーキー
- アメリ
- 仄暗い水の底から
- ワースト
- 空の穴
BABA 選出 ベスト 10
- マルホランド・ドライブ
- ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
- オテサーネク
- ブラッド・ワーク
- 活きる
- クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦
- ヴェルクマイスター・ハーモニー
- MIB2
- ラスト・キャッスル
- トリプル X
- ワースト
- アメリ
ヤマネ選出 ベスト 10
- ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
- たそがれ清兵衛
- ミスター・ルーキー
- クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦
- ダスト
- キューティ・ブロンド
- ブラッド・ワーク
- マルホランド・ドライブ
- ロード・オブ・ザ・リング
- サッカー小僧
- ワースト
- 千年の恋 光源氏物語
- 管理人
- それでは、総合ベスト 10 の発表です! だらららららっ…。
カフェオパール 2002 映画ベスト 10
- ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
- ブラッド・ワーク
- マルホランド・ドライブ
- ミスター・ルーキー
- クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦
- チアーズ!
- たそがれ清兵衛
- オテサーネク
- フォー・エバー・モーツァルト
- MIB2
● 1 位
ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
オガケン= 1 位 BABA= 2 位 ヤマネ= 1 位
- BABA
- なんとベスト 1 はぶっちぎりでゴジラ! これは予想だにしなかった‥こともない。傑作だし。というか、昨年の対象作品に入るのか微妙。
- ヤマネ
- 2001 年暮れの公開ですけど、見たのは 2002 年ですからいいでしょ!
- オガケン
- 素晴らしいの一言です。特撮もすごいし、話もすごい。この作品をベスト 1 に選ばなかったら何のためのオパールベスト 10 ぞ、存在意義がなくなるというか。
- ヤマネ
- いやー、ぎりぎりで見てもらえてよかったですよ。こんなカッコイイ映画滅多にないですからね!
- BABA
- どの場面も妙にリアルで恐かった。一年で最も怖かった映画です。よく考えて作られてます。
- ヤマネ
- しかも泣ける! 映画館で子供達にまじってちらほらと大人が一人で観にきているんですよ。そんな中、なんでゴジラでここまで泣かされなあかんねん、と多分皆が思いながら…(泣)。
- オガケン
- 映画館で見たかったなあ、家の小さなテレビでもめちゃくちゃ泣きました。特にバラゴン。あんなひ弱さではゴジラに勝てないって子供でもすぐわかるのに、それでも特攻していくあの健気さ…。お前、こんな日本人達のために‥! って本当に涙がとまらないね。とはいっても、本当はバラゴンは日本人のために闘っているんじゃないんだけど。
- ヤマネ
- キングギドラまでもが日本を守る聖獣としてゴジラと戦ってくれますからね! あんた宇宙人やん、みたいな。
- BABA
- ははは。でも演出が兎に角クールでバチグンだったな。子供が観ることを考えるとあまりにも悲惨なエンディングなどには出来ないし、どうしても甘い作りになるところを、がんばってこらえている。
- オガケン
- そうそう、最後に宇崎竜堂が生還して娘が駆け寄ってくるシーンでは、がしっと抱き合うのかと思いきや、10 メートルぐらの距離に近寄った瞬間「それ以上近付くな!」と叫ぶ。「残留放射能検査がまだ終わっていない!」めちゃくちゃクール!
- ヤマネ
- ええやん、別に! って思いますよね。
- BABA
- ははは、あの場面最高! アメリカ人なら何にも考えずに抱きついてるところだ。
- オガケン
- この映画は、ゴジラのことを『太平洋戦争で南海に散った戦士達の霊が凝ったもの』と解釈している点で、実は映画『ゴジラ』の第一作を踏襲しているんだよね。で、なぜそのゴジラが日本を襲うのか? という点に関しては、まあ、決定的な解釈は下していないんだけど、ボクは天本英世が演じた謎の博士の説を採りたい。
- BABA
- えーと、どんなんでしたっけ?
- オガケン
- 「現代の日本人が彼らのことを忘れたからじゃ!」というやつです。つまり、みんなが靖国に行かないから。総理大臣でさえ、公式参拝が堂々とできない状態です。そりゃ、ゴジラも日本を襲いたくなりますよ。今年はみんな、ちゃんと靖国に行って、彼らの霊を弔いましょう。
- ヤマネ
- えー!? 駄目ですよぅ、そんな事したら、ゴジラが来なくなるじゃないですか!
- オガケン
- ……ゴジラに踏みつぶされたいんかい。
- ヤマネ
- ははは、イエーイ!
● 2 位
ブラッド・ワーク
オガケン= 4 位 BABA= 4 位 ヤマネ= 7 位
- オガケン
- いやー年の最後にいい映画を見れました。クリント・イーストウッドはかなり凄いと思いました。
- BABA
- イーストウッドは歳をとって動けなくなっても大丈夫、こうやって撮ればいいのだ、という、巧さが随所に光りました。最初にあれだけ延々と走るシーンが続いて、おいおいイーストウッド倒れてしまうんちゃうかーといらん心配をしていると本当にバッタと倒れるから、うわー、巧い! と思った。あれで一気に惹きつけられる。
- オガケン
- あれぞ、アクションですね。若い奴がただバタバタ走り回っても、ちっともアクションじゃない。
- ヤマネ
- 想像していた以上にスタイリッシュでした。熱さを極力封印していて、じいさんが頑張っているという点でも『イギリスから来た男』を思い出したんですけど。やっぱり老人が頑張る映画に傑作は多いですね! 『エントラップメント』とか!
- BABA
- どこがやねん。それはそうと、この映画は最後のアクションシーン以外、全然だれない。脚本が素晴らしい。
- オガケン
- 犯人役の人の演技も凄いと思いましたけど、あれ、普通じゃないでしょ。
- ヤマネ
- そうです。理解不能です。
- BABA
- それにしても、車のトランクから急にショットガンを取りだして、まったくためらいなしにぶっぱなす場面は最高。老人力が出まくりです。
- オガケン
- そうそう、好きなようにやってるというか、周りは関係ないところまでいってしまってます。やばいなーというか、年寄りは恐いと思いました。あれぞ、アクションです。
- ヤマネ
- 個人的には子役の男の子の演技の下手さにムズムズしましたけど。ちょっとはハーレイ・ジョエル・オスメントを見習えと。マコーレー・カルキンでもいいんですけど。
- BABA
- …。思ってないでしょ。
● 3 位
マルホランド・ドライブ
オガケン=未見 BABA= 1 位 ヤマネ= 8 位
- BABA
- これは本来テレビシリーズとして企画・撮影されたものを無理矢理な思いつきで映画にしたものだが、無理矢理なところが良かった。
- ヤマネ
- ほとんど忘れました! 頭がぐにゃぐにゃになった記憶がぼんやり残ってますけど。マルホランド・ドライブの標札(?)がいいですよね!
- BABA
- マルホランド・ドライブとは LA の通りの一つだな、結構有名な通りで『マルホランド・ラン/王者の道』という映画もあった。なんとデニス・ホッパー主演。『LA 大捜査線/狼たちの街』でも最後の場面で「ここ、どこ?」「マルホランド・ドライブ」って映画が終わってた。そんな話はどうでもいいですけど。
- オガケン
- 『マルホランド・ドライブ』は見逃しましたけど、面白そうですね。
- BABA
- 他の映画がどうでもよくなってくる傑作です。賛否両論だったけど、みんな違う映画を見ている気がします。
- ヤマネ
- 断片しか覚えてないんですけど、鍵が青いんですよね!
- BABA
- 適当やなあ。女の人が裸足で逃げるシーンがあるじゃないですか。あれはロバート・アルドリッチの『キッスで殺せ』を引用している。そういうところがリンチらしいというか…『キッスで殺せ』もリンチっぽくて面白かった。
● 4 位
ミスター・ルーキー
オガケン= 8 位 BABA=圏外 ヤマネ= 3 位
- ヤマネ
- ああっとベスト 3 ならず! って BABA さんいれてないじゃないですかー!
- BABA
- ははは。いい映画でした。井坂聡監督作では、『FOCUS』の方が面白かった、ということで。
- オガケン
- 良かったですよ。これまでに長嶋一茂を映画で見たことがなくて、どちらかというと嫌な印象だったんですけど、見直しました。
- ヤマネ
- 出てくる人みんな最高! 特にバース! あと駒田! 駒田がここまでナイスキャラクターを勝ち得ているとは嬉しい驚きでした。
- オガケン
- 駒田はいいですねー。
- ヤマネ
- 阪神ファンでこの映画に感動しない人は存在しません。で、僕はもちろんトラキチだからこの映画に冷静な判断は下せないわけですけど(…最高やもん!)、中日ファンの和田君もね、「素晴らしい映画でした」と言っていたから多分大丈夫だ!
- BABA
- …何が大丈夫なんだか。
- オガケン
- そういえば去年の春にこの映画が公開された時は、阪神も出だし絶好調で、「優勝間違いなし」ってヤマネ君叫びまくってなかったけ。まああの時に限らずいつでも「優勝! 優勝!」言っている気もするけど。
- ヤマネ
- はい。優勝間違いなし!
- オガケン
- 確か阪神が勝った次の日は 1000 円で映画が見れましたよね。画期的。‥でも昨年も結局優勝出来ひんかったやん。いいの、そんなことで阪神は?
- ヤマネ
- 何言ってるんですか、違いますよ! 映画の中で優勝してるじゃないですか! それで大きく救われてますから。別に現実のペナントレースで優勝出来なかったけど悔しくなんかない! …と、とにかく、今年こそは優勝するか、または「阪神が優勝する映画」を公開してさえくれればいいです! …いいのかな‥そんなんじゃダメだあ! 中村も来てくれなかったし結局のところ‥ブツブツ‥(以下省略)
- オガケン
- 大阪の映画なのに、ベタというかステレオタイプな大阪が控え目で、気持ちよく見れました。まあ、2002 年の最優秀助演賞はバースということで。
- ヤマネ
- やったー!!
● 5 位
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦
オガケン=未見 BABA= 6 位 ヤマネ= 4 位
- BABA
- ここ数年のクレヨンしんちゃんは物凄い。笑いあり涙ありアクションありのほぼ完璧な娯楽作ばかりだ。
- オガケン
- 見てませんからねー。でも二人がいつもプッシュしているから、きっと私がみても感動してしまうんだろうなとわかってるんですけどね。
- ヤマネ
- 前作『大人帝国の逆襲』に比べると、より笑いを少なくして重厚な大河ドラマに仕上がってますよね。泣くように出来てる。
- BABA
- 間違いなく現在の日本映画をひっぱっていっているのは『クレヨンしんちゃん』シリーズだ。というか日本映画は『クレヨンしんちゃん』でもっているわけで。テレビ版の印象から、映画にも興味を示さない人が多いと思うけど、それは間違い。はっきりいって、作り手は子供を無視している。
- ヤマネ
- 僕は毎年三条河原町下がるの東宝宝塚で見るんですけど、『クレヨンしんちゃん』のチケットを一人で買う時って注目あびません?
- BABA
- あそこはチケット売り場が目立つからなあ。いつもチケット売りのお姉さんがマイクで、「クレヨンしんちゃんですけど、よろしいですか?」といちいち確認するのがたまりません。それしかやってへんがな!
- ヤマネ
- 「わかってるから早くしてー!」って感じですよね。チケットを手にした後、エスカレータに乗る時も気持ち小走りで駆けのぼってしまいます。
- BABA
- 何を言ってるんだ、チミは。僕は堂々と胸をはって乗るよ。チケット買うときもわざわざ大声で「クレヨンしんちゃん、大の大人一枚!」と豪快に言うぞ。今年から。
- ヤマネ
- はあ、そうですか。
- オガケン
- もうビデオとかも出てますか。
- ヤマネ
- DVD も出てますから、絶対買い! です。
- BABA
- アメリカでは『千と千尋の神隠し』が評価されてますけど、絶対『クレヨンしんちゃん』の方が大ヒットするぜ。というか、『クレヨンしんちゃん』というタイトルをやめて『ブルー・スカイ・サムライ』というタイトルで公開すればいいのだ。
- ヤマネ
- そうすれば、アメリカの大人も一人でチケット買いやすくなって、大ヒット間違いなしですね!
● 6 位
チアーズ!
オガケン= 2 位 BABA=圏外 ヤマネ=未見
- オガケン
- なんか凄く雪の降った日に見たんですよ。苦労して観に行った甲斐以上の感動でしたね。
- ヤマネ
- 見逃してます。
- BABA
- とりあえず普段チアリーディングなど見る機会があまりないですからね、それが見れただけでも良かった。男のチアリーダーとかもいるし。
- オガケン
- キルステン・ダンストも可愛かったですよ。その後『スパイダーマン』は別人かと思いましたけど。『チアーズ!』の時は可愛い。
- ヤマネ
- 何故キルステン・ダンストが映画のヒロインとして起用されるのか理解出来ません。
- BABA
- 黒人がかっこいいというのも『チアーズ!』のミソですね。
- オガケン
- そうそう、「如何に白人が黒人から搾取しているのか」がよく出ていました。…あんな映画なのに。
- BABA
- そういえばサミュエル・L ・ジャクソンって若い時チアリーダーだったそうです。
- オガケン
- しゃべくり専門のチアリーダーだったんですかね。それはそうと、「素晴らしい青春」を描いた傑作ですけど、この人たちを見ていて少し心配になりますよね。「この後も人生は続くねんで」というか。あれだけ輝き過ぎたらあの後つらそうやなあ、と。
- BABA
- その気持ちはわかります。なんとなく見終わった後も清清しさは『がんばっていきまっしょい』に近いです。ケンタロウさん見てないですよね。
- ヤマネ
- がーん。まだ見てないんですか!? 僕の 90 年代のベストの一つです。絶対見て下さい!
- オガケン
- もう何 100 回と言われているような気がします。
- ヤマネ
- 僕もなんとかして『チアーズ!』を見ますから。競争です!
- オガケン
- …はい。
● 7 位
たそがれ清兵衛
オガケン=未見 BABA=圏外 ヤマネ= 2 位
- ヤマネ
- 最高でしたね! 宮沢りえ。
- BABA
- 宮沢りえは本当にいい。にしてもこの映画、素晴らしい。普通ならベストに入れるけど、「今さら私が誉めなくても」って感じですので。
- ヤマネ
- 宇多田ヒカルも絶賛してますから。あと小泉首相も! ちょっと褒めにくい状況になってますね。でも、子役もかわいいし、田中泯も拾い物だし、宮沢りえはオーラに包まれているし、「心の洗われる時代劇を見たー」って気持ちになれましたよね!
- BABA
- 殺陣もバチグンだったな。最近でいえば『雨あがる』とか、比較にもならん! て感じ。
- オガケン
- でも山田洋次だしねー、どうしても敬遠しますね。
- BABA
- ああ、オガケンさんダメだと思いますよ。ヴァリヴァリ左翼的ですから。
- ヤマネ
- やーいつからこんなに良くなってきたんだろ、宮沢りえ。
- BABA
- ずっといいよ。誰も見てないと思うけれど、『釣りバカ日誌 12』の宮沢りえもよかった。
- ヤマネ
- 『四十七人の刺客』とかの時はあまり良くないと思ってたんですけどね。なんか顔も日本人的じゃないのに、着物がびしっと似合うようになってますよ!
- BABA
- 前からです。
- ヤマネ
- 宮沢りえだけでなく、音響もいいですよね、少し誇張された自然の音とか血の滴る効果音とか。
- BABA
- 松竹京映じゃなく、音響設備バチグンの MOVIX 京都で見れて本当によかった。全体的にとても丁寧に作っている。
●
8 位
オテサーネク
オガケン=未見 BABA= 3 位 ヤマネ=未見
- BABA
- お、僕しかいれてませんね。
- ヤマネ & オガケン
- 見てませーん。
- BABA
- これは今年 2 番目に恐かった映画です。イタリア会館で、何かの間違いで観ることになってしまって。2 時間以上もあって長くて疲れるんだけどシュワンクマイエルはすごいです。見てよかった。
- ヤマネ
- めちゃくちゃすごいですよね! 見てないんですけど。
- BABA
- 見てよ。
- ヤマネ
- シュワちゃんの映画ってなんか色が暗いんですよね、ずっと。別にイヤなわけではないんですけど、長時間見ていると目が疲れてくるんですよ。緑糸の色少ないし。…はっ!? そうか、今気がつきました。サッカーをずっと見ていても平気なのは緑の芝生の上でやっているからなんですね!
- BABA
- そうね。
- ヤマネ
- ふ。ま、いいや‥。何の話でしたっけ、そうそう、シュワンクマイエルでしたね。すごいですよね!
- BABA
- …。真のシュールレアリストというか、映画はどうでもいいような雰囲気がある。まず最初に素晴らしいイメージがある。で、それを表現しようとして、たまたま映画になってしまった感じ。パゾリーニに近いものを感じますけどね。まさにゴダールと対極にあると言えましょう。適当ですけど。シュワンクマイエルは映画を信じてないから、小手先のテクニックも使わないし。僕は「映画好き」は嫌いやからね。映画ばっかり見ていたらバカになりますからね。身をもって知った、と言うか。
- ヤマネ
- そういえばシュワちゃんと言えば『コラテラル・ダメージ』は久々の傑作でしたね!
- BABA
- 思いの外。『エンド・オブ・デイズ』で思いっきりズッコけたけど、少しずつ回復しつつある。
●
8 位
フォー・エバー・モーツァルト
オガケン= 3 位 BABA=圏外 ヤマネ=圏外
- オガケン
- 確かになんだかんだ言ってもゴダールは映画で世界を救おうとしてますからね。でも、『フォー・エバー・モーツァルト』までいくと、キチガイですね。突き抜けてますよ。
- ヤマネ
- なんか、この映画わかりやすくゴダールっぽ過ぎてイマイチ面白くなかったんですけど。
- オガケン
- いや単純に、前半なんか活劇として面白かったけどね。テンポがめちゃくちゃに速くて無性に可笑しいというか。綺麗な映像にメランコリックな音楽が被さるのとか、普通は嫌なんやけど、この映画の場合、何故か許せましたね。うーん、やはりゴダールも老人力に助けられてますね。『バトルロワイアル』に通じるものがあるな、と思って見てました。「映画好き」の映画とはいえ、老人力ゆえに許される、というか。やはり、映画というメディア自体が、もう老いているからでしょうか。そう言えば、典型的な「映画好きの若者」が撮った映画『空の穴』は最悪だった。
- BABA
- やっぱり映画なんか見ていたらダメです。
- ヤマネ
- …でも、BABA さんのレビューで「オススメ」と書いてあるから見に行く人もいるようなんですが。
- BABA
- それは絶対ダメです。というかレビューなんか読んだらダメです。このベスト 10 鼎談も読んでる場合じゃないですよ。…って何のためにしゃべっているのか、思い切りジレンマだ。えーっと、何のためにレビュー書いているんだったけな…。あ、そうそう、検索エンジンで、オパール・サイトが色んなキーワードでひっかかりやすくするためです。
- オガケン
- …そんな意図があったとは。
- ヤマネ
- なるほど。それならこの鼎談も気楽にできますね! お正月やから、ヒマな人がひょっとしたら読むかもしれないけれど、それはダメ、ということで。
●
10 位
MIB2
オガケン= 7 位 BABA= 8 位 ヤマネ=圏外
- ヤマネ
- とりあえず、もう少しですんで続けましょう。僕は『1』のほうが好きです。『1』といっても『殺し屋 1』じゃないですよ。恐そうで見てませんから。
- オガケン
- ヤマネ君は『MIB1』の大ファンだからねー。
- BABA
- 私だって、バリー・ゾネンフェルド監督はずっとプッシュしてますよん。
- オガケン
- でも『1』は最後のアクションなど余計な CG ばかりで、もうええやんという感じ。それに比べて 2 は短くすっきり纏まっているし、オチもいい。
- ヤマネ
- やっぱり 1 の「△×○? と、ボブ」のネタが最高! あれほど笑った映画もないです!
- BABA
- 『MIB2』のツイスターゲームを取り出してくるところもメチャクチャ笑ったって言っていたでしょ。
- ヤマネ
- 「ツイスター!!」あれほど笑った映画もないです! 『MIB2』最高!
- BABA
- どっちやねん。それはそうとこの映画もクレバーな映画だね。ボールに指を突っ込むと、どこかの星の空に巨大な指が出現するくだりでは「なんて面白いんだー!」と思わず頭を抱えましたからね。あと、ロッカーのネタとか。
- オガケン
- 「エージェント M」も最高でしたよね。
- ヤマネ
- 素晴らしいです。大丈夫かー! って思いましたからね、あれはよく出演させましたよね。
- BABA
- ああ、それは美味しいネタをバラしてますね。勘のいい人は気がついてしまいますね。やっぱりレビューなんか読んでいてはダメですね。
- ヤマネ
- まだ言ってるんですか! 普通の人は、面白くない映画は観たくないでしょう? 『サンタクロース・リターンズ!』を見に行こうかどうか迷っている人にアドバイスできれば幸せじゃないですかー。
- BABA
- 確かにそうだ。『サンタクロース・リターンズ!』は『グリンチ』を越える、最高のクリスマス映画です。
- ヤマネ
- はいはい。
●
その他の話題作
- ヤマネ
- いやー、何のために鼎談しているか、真相がわかっちゃったのでベスト 10 盛り下がりましたねー。さみしいな、もう。
- BABA
- まあ、今年は三人そろって見た映画が少なかったし。こんなもんで十分でしょ。じゃ、後はよろしく。
- ヤマネ
- えー、もっと他の映画の話しましょうよー。他にも面白かった映画一杯あったじゃないですか。『マッスル・ヒート』とか。
- BABA
- あれはひどかったねー。常に最悪の事態を予想して鑑賞に臨む私ですが、最悪以下でした。映画の奥の深さを思い知らされる必見の作品だ。
- ヤマネ
- ……。気を取り直して、『ラスト・キャッスル』は、期待を大きく上回りましたよね。
- BABA
- 滅茶苦茶面白かったね! 誰も褒めてないから、一応言っておきます。『ラスト・キャッスル』最高!
- ヤマネ
- アメリカ人の愛国心をくすぐるんでしょうね、こういうの。
- BABA
- 脚本が賢いから、脱力するところは一切なし! タイトルや予告編に惑わされていてはダメだ。やっぱり映画は何も知らないで見るのがいいぞ。タイトルすら知らなくていい。
- ヤマネ
- タイトルすら、ですか?
- BABA
- タイトルすら、だ。
- ヤマネ
- ……。あ、そうそう、『少林サッカー』を忘れるところでした! これは、サッカーとは無縁のカンフー映画ですけど、夢のようなパフォーマンスが単純に気持ちいいですよね。
- BABA
- CG をいっぱい使っているけど、「苦労してます!」というのがにじみ出ていて好感度高め。こういう映画を「おバカ映画」と評するお利口な方の気が知れん。めちゃくちゃクレバーやないか、と。
- ヤマネ
- 「おバカ」という括りはイヤですよね。オースティン・パワーズもそう呼ばれがちですけど、全然バカちゃうやん、って。はっ。そう言えば『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』は影が薄かったですね。
- BABA
- 最初の 10 分しか面白くないねんもん。日本を舞台にした映画では『007 は二度死ぬ』の足元にも及んでいない。
- ヤマネ
- それだけに、タランティーノの今年公開予定の新作『キル・ビル』はメチャクチャ注目ですね! 日本が舞台らしいです。
- BABA
- あー楽しみだ、楽しみだ。それはそうと『トリプル X 』はイマイチ盛り上がったのか盛り上がらなかったのかよくわからないが、ヴィン・ディーゼルをプッシュしている私としては、今年公開予定の『ピッチ・ブラック 2』も楽しみだ。
- ヤマネ
- なんかころころ話変わってますけど、『ピッチ・ブラック』って続編作られるんですか? 日本じゃ『ピッチ・ブラック』見ている人って推定 10 人くらいじゃないですか? そういえば日本では、ヴィン・ディーゼルの女性ファンが少ないそうですね。でも『トリプル X 』は面白かったです。モトクロスで家を飛び越えるアクションなんか、別にわざわざ飛ぶ必要が全くないですやん。そういう、なんかよーわからんけどピースする、みたいな「いちびりスタイル」がカッコいいんでしょうかね。
- オガケン
- 面白かったけど、私はそれだけでは評価はしません。
- BABA
- いやーそれにしても『ドラゴン』の監督が『トリプル X』みたいな面白い映画を撮ってしまったことが何より驚きだ。
- ヤマネ
- 『ドラゴン』は本当に気合いをすかされましたからね。やっぱり、ヴィン・ディーゼルの功績でしょうか。2003 年はヴィン・ディーゼル抜きには語れません。まあヴィン・ディーゼルはどうでもいいから『キューティ・ブロンド』についてじっくり語りましょうよ。自分でも意外なほど好きでした。法学部の授業で一人だけ iBook を開くところがツボにはまりました。他にも笑えるシーン満載。
- BABA
- リース・ウォザー・スプーンは良かったね。
- ヤマネ
- …名前間違ってますよ。「リーズ・ウィザースプーン」です。
- BABA
- ジョナサン・リース・マイヤーズとか、ジェイソン・スコット・リーとか、クリスティン・スコット・トーマスとか、ややこしい名前が多すぎるっちゅうねん。
- ヤマネ
- ……。リーズ・ウィザースプーンはまり役でしたね。リーズ・ウィザースプーンって、日本では知名度低いけど、アメリカでは人気者なんですよ。こっちで公開されない映画も沢山あるしね。例えば飛行機で偶然見た『エレクション』という映画も主演してましたけど、ムチャクチャつまらなかったです。
- BABA
- あかんやん。
- ヤマネ
- そうそう、『ダスト』素晴らしかったです!
- BABA
- 話が飛ぶなあ。いや、『ダスト』最高!
- オガケン
- 良いという噂は聞いてましたが、見逃しました。
- ヤマネ
- 見て下さいね。名前はふざけてますが、監督のミルチョ・マンチェフスキーはべらぼうにストーリーテリングが巧いですから。こんな話で最後までもつか? と思わせるような些細な出来事も、どんどん全体に被さって、息をもつけなくなるんですよ。『ダスト』も最初、えらい小さい話やなあ、と思っているうち、膨大な量の色んなことを考えさせますよね、謎解きではなくて。
- BABA
- 見終わった後も色々考えてしまう。余韻が素晴らしい。人はそれぞれ違う結末を見ているのだろう、と思わせるみたいな。センスがいいです。でも癖があるので好き嫌いは別れるでしょうが。
- ヤマネ
- ケンタロウさん、以前『アンダーグラウンド』があまり好きではないと言ってたでしょう。
- オガケン
- うーん、エミール・クストリッツァ監督は苦手。
- ヤマネ
- 『アンダーグラウンド』が公開されていた時、ほぼ同時期に同じバルカン半島物としてマンチェフスキーの『ビフォア・ザ・レイン』という映画が公開されていたんですよ。その時、世間の評判は『アンダーグラウンド』ばかり取り上げていて、サントラもバカ売れするし、『ビフォア・ザ・レイン』はひっそり消え去っていったんですけど、その時何の先入観もなく 2 本を見て、断然『ビフォア・ザ・レイン』のほうが面白い! とボクは思いましたもん。それ以降ずっと、マンチェフスキーは最高! と信じてましたから。今回の『ダスト』も期待を裏切りませんでした。まあ見てください。
- BABA
- それにしても『ダスト』も良かったけど、京都の公開劇場は朝日シネマだったからねえ。もっと大きなスクリーンで見たいと思うよねぇ。『ダーク・ブルー』も格好いい戦闘機のシーンなのに、勿体なかったねぇ。
- ヤマネ
- 朝日シネマは本当に今月でなくなるんですか?
- BABA
- さあねぇ。小さい画面で映画を見なくてすむようになるから、どっちでもいいですけどねぇ。
- オガケン
- レディックビルの 5 階のオパールの下に移ってくる、というのはどうですかね。
- BABA
- スクリーン、小さいままかい! みたいな。大体、公開される映画が多過ぎますよ。朝日シネマのせいで沢山見る羽目になって全然良くない。
- ヤマネ
- …って、嬉しいのかと思ってました。確かに、全部の映画を見るのは大変ですね、朝日シネマでなくても正体不明の映画が美松劇場なんかでぱっと公開されてすぐ違うのに変わっていってますからね。『王様の漢方』とか。うーん、なんか面白そう! と思って入った私がマチガイでした。
- BABA
- いや、僕は断固美松劇場を応援するよ。『なごり雪』とかも楽しませてもらったし。あそこまでラインナップが狂っている映画館は京都では他にないでしょう。…弥生座もすごいが。
- ヤマネ
- 美松劇場って映画の選択が絶妙ですよね。一体何系列なんですか。満員になっているのを見たことがないんです。そういえば昔『ハワード・ザ・ダック』が満員だったかなあ。20 年前ですけど。『白い嵐』なんか日曜日に 3 人ぐらい。
- BABA
- 『マトリックス』をやってたよ。あの時は久々に満員の美松を見た。
- ヤマネ
- とにかく京都で今「一番さみしい映画館」の名を欲しいままにしてますよね! ポップコーンも売りません。誰も買わないから。よし、じゃあ今年は美松劇場大プッシュの年ですね! おっとそうだ、maki さんにも聞いてみましょう。2002 年のベストは何でしたか。
- Maki
- なんでしょう。『アメリ』かな。一番泣いたのは『アイ・アム・サム』ですけど‥。
- BABA
- 泣かされました。スペイン旅行の帰りに飛行機でも見たんですが、またまたボロボロ泣いてしまって、周りの目が気になってしょうがなかったです。「早く終わってー!」と。ミシェル・ファイファー好きには堪りません。
- ヤマネ
- ミシェル・ファイファーは最高ですね! ではポーにも一応今年も聞いておきますか。さてポーさん、2002 年のベストは?
- ポー
- 『アメリ』!
- ヤマネ
- 即答やな。理由はききません。はっさくさんはどうですか?
- はっさく
- (今来たところ)‥え、?? 何ですか?
- BABA
- 『クレヨンしんちゃん』ですよね。
- はっさく
- え、映画の話ですか?
- ヤマネ
- さてと。じゃあ、またあっという間に今年の一年も過ぎ去ることでしょうから、前もって 2003 年オパール映画ベスト 10 も一気に発表しておきましょう。
- BABA
- 大体わかってるもんね。
- オガケン
- ……?
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輝け! 2003 年オパール映画ベスト 10
- アンダルシアの夏
- マトリックス リローデッド
- 至福の時
- キル・ビル
- 映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ! 栄光のヤキニクロード
- ごめん
- ロード・オブ・ザ・リング 2
- 阪神が優勝する映画
- イーストウッドの新作
- ミシェル・ファイファー主演作
- オガケン
- …ほんとうですか?! いい加減だなあ。
- ヤマネ
- 大丈夫ですって。こんな感じ。
- BABA
- 大枠ははずしてないね。いいだろう。
- ヤマネ
- 『アンダルシアの夏』は原作をうまく映画化しましたねー。1 位も当然ですね!
- BABA
- 異論なし。ジブリには自転車好きが多いだけあってよく作り込まれていたねえ。リアメカの動きを再現していたのにはビックリだ。自転車レースの面白さがわかる人でないと、この良さを分かちあえないのが唯一の欠点。
- ヤマネ
- それにしても『ロード・オブ・ザ・リング 2』も前作より面白かったですね! 最高!
- BABA
- 日本語字幕担当も変わったし、ホッとひと息だ。…ってまだこのペースでやるの?
- ヤマネ
- あ、ずるい!
- オガケン
- 個人的には今年もイーストウッドの映画が見られると嬉しいですけどね。
- BABA
- ショーン・ペン主演・イーストウッド監督の映画が公開されそうですよ。むう。何だかんだ結局今年も沢山映画を見てしまいそう…。
- ヤマネ
- ワールドカップもないし…。ダメな感じです。
- オガケン
- 二人ともどんどんつまらない映画を見て、今年も教えてください。観に行かなくて済むように。
- BABA & ヤマネ
- …わかりました。
- オガケン
- では、みなさん今年もオパールを宜しくお願いします!