サンタクロース・
リターンズ!
クリスマス危機一髪
原題は“The Santa Clause 2”。…ってことは、『サンタ・クローズ』(1994)の続編じゃん! …予備知識なしに映画を見るをモットーとする私ですが、一作目を見ないで続編を見るはめになるとは。というか、『サンタ・クローズ』の続編ならせめて『サンタクローズ・リターンズ!』としてほしかったところ。…って、前作は日本では全然ヒットせず、クリスマス映画のくせに 12 月になる前に終わっちゃって見逃しちゃった、というくらいなので、なるべく続編であることをぼやかしたかったのかもしれません。って結局、観客 4 人の美松映劇で見たのですが。12 月 23 日クリスマスというのに。
そんな話はどうでもよく。えーっと、サンタさんは北極の氷の下で、児童をこきつかって玩具を製造させております。クリスマスも近いある日、「サンタ契約」によると、クリスマスまでに結婚しないとサンタさんはサンタさんじゃなくなっちゃう、クリスマス危機一髪! サンタさんは奥さんを見つけることができるのでしょうか? ババーン! …って、ホントにどうでもいいお話でした。ファンタジーにもほどがありますね。
「クリスマス映画」とは、キリスト教のプロパガンダであり、『素晴らしき哉! 人生』『34 丁目の奇蹟』(1934)、『34 丁目の奇跡』(1994 リメイク)など、泣ける名作・傑作が作られてきました。ところが、米英が進める対テロ戦争が、「文明の衝突」と喧伝されて「宗教戦争」の側面が強調されれば、「キリスト教」に対しても批判的にならざるを得ない。そんなご時世に「クリスマスは善なるもの」という前提でストーリーを語られてもですね、「うーむ、サンタさんはイスラムの子供たちにもプレゼントを配るのかなー?」とか、色々疑問が湧き出て素直に感動できない、というか。サンタさんは煙突から家屋に不法侵入しますが、それって暖炉が据え付けられた西洋流の一戸建て限定なのですかね? とか。
というか、『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』ですでに「クリスマス映画」にトドメがさされたのに性懲りもなく作られ、『グリンチ』と同程度、あるいはそれ以上のスーパー脱力作に仕上がっております。
しかしながら『クライム & ダイアモンド』のティム・アレンが、サンタさんとニセサンタの二役を好演。それだけ見どころ。いやこんな映画を見に行く人の気が知れません。やめといた方がいいと思いますよ。脱力作好きの方にオススメ。『グリンチ』を面白く見られた方にはいいかもしれません。
★★(☆= 20 点・★= 5 点)
BABA Original: 2002-Dec-27;