Movie Review 2003・2月10日(MON.)
ストーカー
すっかり「いい人」のイメージで凝り固まったロビン・ウィリアムス、それならそれで「いい人」道を突き進めばいいのに、どういう風の吹き回しか、『インソムニア』に続いて「いい人」イメージをブチ壊しにかかっておるようで、さてこの『ストーカー』、ご存知アンドレイ・タルコフスキー名作のリメイク、というのは真っ赤な嘘で、原題は“One Hour Photo”すなわち「一時間プリント」、ロビン・ウィリアムス扮するはスーパーの DPE スタッフ、客の写真を勝手に焼き増しして自宅に持ち帰り、妄想をふくらませる危ないオヤジ、とある家族に粘着し、ついにはナイフを持ちだして大暴れ、一家惨殺めった刺し! …なんて感じでスプラッタな展開ならまだ許せるのですが、所詮「いい人」イメージを脱却しきれず、旦那とその愛人がまぐわうホテルに闖入し無理矢理写真を撮ってお終い、お前、何がしたいねん! と、誰もが突っ込む展開に私は呆然と「こんなにつまんない映画は久しぶりだなあ、心が洗われるようです」とソッとつぶやいてみました。たまにはこういう何が面白いのかさっぱりわからない映画の存在を確認する作業も必要なのである。ご馳走ばかりでは胃がもたれるというか。
見どころは、『ER』のベントン先生ことエリック・ラ・サールが刑事役で好演しているところくらいかなー。監督は MTV 出身のマーク・ロネスクという方で、まったく MTV 出身監督には困ったものですね。ロビン・ウィリアムスが失敗作に出演したことに喜びを感じてしまう方は必見。
★(☆= 20 点・★= 5 点)
(BABA)