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 Movie Review 2002・11月9日(SAT.)

マッスル・ヒート

 2009 年、東京は香港マフィアが跋扈し、無法地帯と化しています。人々は地下闘技場=マッスル・ドームに熱狂、そこは夜ごと金網デスマッチが行われ、人生の敗北者たちが一攫千金を夢見る賭博場なのであった。そこに降り立った一人の男:ケイン・コスギ。ジャッキー・チェン作品にも関わったサム・ウォン+チャン・マンチンをアクション監督に迎え、ケインの超絶アクションが展開するはずである! ババーン!

 …と、ワクワクドキドキの設定ですが、ケインがマッスルドームで闘い始めるまでに、小一時間も待たねばなりません。うーむ。どういうこと? 勿体ぶっているのですか? 謎です。

 イライラしながら待ちに待ったマッスル・ドームでのガチンコ勝負。…しかし、これも、どうか? 闘う相手が盧惠光(ケネス・ロー、というかジャッキー映画ではロー・ワイ・コン)なんですけど、佐野史朗みたいな顔で全然強そうに見えない。苦戦してしまうケインも弱々しく見えちゃいます。ケイン、大丈夫か? 謎です。

 メインのマッスル・ドームでのアクションがコレでは…。とほほ。しかしご安心を。その後に、加藤雅也とのハンマーガチンコ対決が! ババーン。…しかし…。うーむうーむ。見た目ではケインが圧倒的に強そうなんですが、正々堂々と闘ってなぜか苦戦してしまう。…ケインってやっぱり弱い? 謎です。

 謎が謎を呼ぶ謎だらけの映画でしたが、見終わってパンフを読み、私はすべての疑問が一瞬で解けるカタルシスを味わったのである。なんと監督は『弟切草』を撮った下山天氏ではないか!! なるほど。『弟切草』の監督が撮ったのなら、謎の多さも納得です。…しかし、『弟切草』のような壊滅的につまらない映画を撮った監督が、なぜまた映画を撮れるのか? 新たな謎が生まれてしまいました。最近の日本映画界って、監督のなり手がよっぽどいないのでしょうか?

 ま、『弟切草』よりは面白かったような気がします。酔狂な方にオススメ。

★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2002-Nov-09;

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