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 Movie Review 2002・11月11日(MON.)

ドニー・ダーコ

公式サイト: http://www.donnie.jp/

「2001 年サンダンス映画祭が『メメント』『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』と共に熱狂したもう一つの衝撃!」だそうです。ですので、サンダンス映画好きの方にオススメですかね。

 不眠症気味の高校生ドニー・ダーコが小さな町で巻き起こす騒動の数々を分裂症気味に描いております。で、面白く見られた方もおられるかもしれませんが、私の場合、何が面白いのかサッパリわからなかったのです。いや、裾バンドを付けずにサイクリング車に乗っているのに、裾が汚れないのはいかがなものか? とか、部分的に面白かった(面白くないか)シーンはあるのですが、お話になってないのでは?

 意味ありげな断片がアレコレブチ込まれておりますが、どれもこれも中途半端です。アメリカでは、公式サイトで、映画で描き足りなかったところや、登場人物のサイドストーリーなどの妄想が掲載され話題になり、“ドニー・ダーコ マニア”も生まれたそうです。で、公式サイトを見てみると、ゲーム風のやたらと凝った作りで、サイトを楽しむために映画があるみたいな印象ですねん。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と似てますね。好き者にはたまりませんな。私は嫌い。「ま、ヒマやし映画でも…」と通りがかりの映画館に入り、見終わったら題名すら忘れてしまう者には向いてない映画かもしれません。

 主人公ドニー・ダーコが、彼女と『死霊のはらわた』(サム・ライミ監督)と『最後の誘惑』(マーティン・スコセッシ監督)の二本立てを見に行くんですけど、映画の構造が『最後の誘惑』風だったりします。こういうのを「面白い!」と思うか、「なんだかなー」と思うか? この辺がこの映画を面白く見られるかどうかの分かれ目でしょうか。知らん。

 なんでも、若干 26 歳のリチャード・ケリーの脚本にドリュー・バリモアが惚れこんで映画化が実現、プロデュースと出演を買って出たそうで、他にもパトリック・スウェイジ(『ゴースト』)、キャサリン・ロス(『卒業』)、ノア・ワイリー(『ER』のカーター先生)など、新人の作品にしてはゴージャスなキャストです。しかし、高校生の自主制作映画のような、作り手は自意識過剰の自信満々で満足しているけれども至る所に説明不足がいっぱいで、観客には何が何やらわからない、それでついついパンフレットを買ってみたり、公式サイトを訪れてみたり、みたいな。

 えーっと、私は、「壊滅的である」と思いました。ひょっとしたら『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を面白く見られた方は、楽しんでいただけるかも知れません。知らん。

-100-100-100(☆= 20 点・★= 5 点 -100=-100 点)

BABA Original: 2002-Nov-11;

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