UCI ワールドカップ 2002
第 3 戦 パリ〜ルーベ
昨年スカパーに加入し、「ツール・ド・フランス」「ジロ・デ・イタリア」「ブエルタ・エスパーニャ」を鑑賞するにいたり、私はロードレース観戦の魅力に猛然と目覚めたのであった。
さて、ロードレースブームなのかどうなのか、今年 2002 年からスカパー/ J スカイスポーツで「UCI ワールドカップ」が放映されるようになった。まず私は 4 時間に及ぶ「第 3 戦 パリ〜ルーベ」を鑑賞したのである。
このレースにおなじみのスター選手は出場していない。ツール・ド・フランス三連覇中のランス・アームストロング、イタリーの伊達男マリオ・チッポリーニ、山岳王マルコ・パンターニ、彼らは、もしパリ〜ルーベでケガをすればツールやジロに悪影響が出るから、と出場しなかったのだ。そうである。左様に過酷なコース、それが「北の地獄」と呼ばれるパリ〜ルーベなのである。ダダーン!
パリ〜ルーベは 1896 年から行われており、大戦による中断を挟みつつ今年は記念すべき第 100 回。総距離 270 キロのコースの内、20 数カ所、約 50 キロの石畳(パベ)区間がある。石畳と言っても京都三条烏丸スターバックス前の石畳なんてなまやさしいもんではない。ロードレーサーの細いタイヤで走るのは狂気の沙汰のガタガタ、ボロボロの道なのである。よってパンク続出、振動でお尻、手の皮がズルむけるのである。
選手を苦しめるのは石畳だけではない。何故かパリ〜ルーベには雨が降る。石畳とはいえ、隙間には土が詰まっており、それが泥濘となる。40 〜 50km/h のスピードに乗っているうちは良い。一旦何かの拍子にスピードが落ちれば、もうズルズルである。
石畳区間は極端に滑りやすくなっている。少しでもお尻を上げれば、後輪が滑ってひっくり返ってしまう。前を走る自転車の泥ハネが顔面に降り注ぐ。選手たちは全身泥だらけになりながら、この過酷なコースを猛スピードで走り抜けていく。
パリ〜ルーベには闘いがあり、友情があり、栄光があり、挫折があり…映画よりも面白いのではないでしょうか。雨のコースを走り抜け、ゴールの競技場に到着した時、太陽が顔をのぞかせる。…何たる自然の演出であろうか、と私はテレヴィの前で呆然と涙したのでした。
サッカーワールドカップも面白いでしょうが、スカパーに加入したならば、ロードレースのワールドカップもぜひ見てください。「UCI ワールドカップ 2002 第 1 〜 4 戦」は 6 月末まで再放送が予定されているそうです。バチグンのオススメ。「ジロ・デ・イタリア」も 2002 年 5 月 30 日より放送開始。うおー。
BABA Original: 2002-May-28;