Movie Review 2002・5月17日(FRI.)
スパイダーマン
公式サイト: http://www.spider-man.jp/
アメリカン・コミックのヒーローをオタク監督サム・ライミが映画化。サム・ライミはかつてのオタク仲間コーエン兄弟が批評家から絶賛状態なのを「うらやましいぞ、コンチクショウ」と思ったのかどうなのか、『シンプル・プラン』以降、一部マニア向けでない、なんちゅうか「アメリカ白人の憂鬱」みたいな重いテーマの作品を作っており、ビリー・ボブ・ソーントン脚本による『ギフト』はなかなかの傑作でございましたね。地味ですけど。今回は満を持してオタクマインド炸裂の超大作に挑戦です。
コミックの名場面をそのまま再現したシーンもあるそうなのでマニアも大喜びなのですが、そんなことはどうでもよくニューヨークの街中を跳び回るスパイダーマンを見事に映像化! 圧倒的な興奮! …と言いたいところですが、「なーんだ CG じゃん」って感じでガッカリでした。それより何より「一般向け」映画で鍛えた演出力とキャスティングの妙が支えるドラマ部分が面白かったりするのですね。
主人公は、頭脳明晰なれどいじめられッ子のひ弱な坊や、という設定でトビー・マクガイアにピタリ、かたや敵役ウィレム・デフォー、「ジキル博士とハイド氏」的演技を披露、鏡の前で二つの人格が自問自答するシーンとか、座席からズリ落ちそうなくらい笑うぜ(大笑いしていたのは私だけですが)。ヒロインのキルスティン・ダンストも、尻軽な貧困白人って感じ、この辺に『シンプル・プラン』、『ギフト』など培われたサム・ライミのリアリズム演出が見て取れます。適当。
生身のアクションシーンはなかなかカッコよく、続編もすでに製作決定されているそうですので、トビー・マクガイヤ、ウィレム・デフォーのファンの方とかにオススメです。
☆☆☆★(☆= 20 点・★= 5 点)
BABA Original: 2002-May-17;