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 Movie Review 2002・5月19日(SUN.)

スパイダー

『セブン』でブラピの相方の黒人刑事を演じて人気沸騰、モーガン・フリーマン待望の新作です。…って、誰が待望しているのか皆目見当もつきませんが、モーガン演じるのは犯罪心理捜査官アレックス・クロス。…って誰? アメリカではすでに 6 冊出版されている人気ミステリーシリーズの主人公だそうで。フランキー堺の『赤かぶ検事』シリーズみたいなもんですね。適当。

 で、モーガンは「同じ役は二度やらない!」と公言していたのに、『コレクター』(テレンス・スタンプに非ず。1997 作品)に続いて再びアレックス・クロスを演じて話題になっているそうです。…ってどこでどう話題になっているというのだ? モーガンのファンサイトでしょうか?

 大金持ちの子弟が通う小学校から、シークレット・サービスの警備をかいくぐって白昼堂々、上院議員の娘が誘拐されます。犯罪学の著書多数の有名捜査官モーガンのところへ誘拐された子供の靴が郵送されてきます。「お前、俺を捕まえてくださいませんか?」との犯人からの不敵な挑戦ですね。誘拐現場の警備にあたっていた美人シークレット・サービス、モニカ・ポッター(『コン・エアー』に出ていたらしい)と、捜査を開始、意外な結末が…というお話し。

「意外な」と申しましたのは、だいたいスジが読めて真犯人も思ったとおりだったのが意外。「これって黒澤明の『天国と地獄』パクってるやん!」ってネタがあるのも意外。この映画、全米で公開するや 8 週連続 TOP10 をキープしたというのも意外。

 日本では期せずして『スパイダーマン』と同時期の公開、きっとアメリカでは題名の最初の 5 文字しか見ない粗忽者が「おお! 『スパイダーマン』公開されてるべ!」と駆けつけたに違いない、と見たね、私は。…って、原題は“Along Came A Spider”でした。なんか、マザーグースの引用だそうです。

 まあ、こういうシリーズものって、主人公は決して死なないだろうから、よーっぽどの危機的状況を設定しないとスリルもサスペンスも生まれない、と思うんですけど、ホントそうでした。『コレクター』の方は『羊たちの沈黙』のパチモンっぽくってまだ面白かったんですけれどね。モーガンの熱狂的ファン、または、ガラガラ(観客数 10 人以下)の劇場で映画を見るのが好きな方にバチグンのオススメ。

☆★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2002-May-19;

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