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Movie Review 5月3日(THU.)

 こんにちは。『ユリイカ』って邦画のほうは御覧になりました? 今年観た中でダントツの 1 位なんですけどレビューがなかったので今回はこれについて書きたいと思います。ただ全国一斉ロードショーじゃないんで終わってるところが多いかも。映画館で観てほしいんですけど終了していたらビデオででも。

EUREKA

 自分の感覚では物事の知名度はよくわからんのですが、知らない人のために↑は『ユリイカ』って読みます。ちなみに邦画です。バスジャックに遭い、偶然生き残った運転手と兄妹。事件による心の傷を抱えたまま、あてのない旅に出た彼らが辿る癒しと最盛のドラマ。こんな感じの文章が色色なところに出てました。

 この映画は 3 時間 37 分、ちかっぱ長い。ハッキリ言って映画は 90 分ぐらいと考えていたし、今までの青山真治の作品で好きなものがあったわけやないけど友達があまりにも言うので観に行ってきました。

 死という極限的状態を経験した 4 人が暮らしとるわけなんやけど、台詞がほとんど無い兄妹のその表情は言葉以上に多くのことを語り、クロマティック B & W って技法を使ったセピア調の色感の映像がゆっくりと流れ、オレの心をどんどん侵食していく。彼等と同じ時を過ごし痛みを感じるほどに。それを感じさせた青山真治監督は凄い。坂本龍一に「これ程才能が剥き出しになった映画は観たことがない」とかなんとか言わせたのも理解できる。

 この映画は沢井(役所広司)が言った「他人の為に生きることはできると思うか?」の台詞に集約されると思う。何か武器を持たないと生きるのが難しく、無防備で他人に触れることをおそれ、狭いところに逃げ込み、虚勢を張って、全てを否定して生きていく。しかし人は誰かを必要とし、誰かに必要とされたいという服従的心理を持ってる。彼らは互いの傷を見つめ何かをするわけでもない、ただただ隣で待ち人という存在が重なり合ってる。そんな感じを個人的には受けました。

 始め「帰るとこは無か」と言っていた沢井が本当の意味で失った何かを取り戻していき最後に「帰ろう」と言ったあと色彩が蘇っていく様は開放感に満ち溢れ、涙が溢れた。

 多くの人にこの映画から何かを感じてほしいなと思って止みません。かなりの傑作、文句なしに誰にでもオススメ。

P. S.
 全編九州ロケ & 役者も九州出身ばかりで方言が辛いらしい。ただし方言がわかるとより一層楽しいですよ。
ちぇる:web site >> Drunk as a Fiddler Original: 2001-May-03;

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