フリントストーン
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ビバ・ロック・ベガス
ヤバダバドゥー! と、いうことで皆さんお待ちかねの『フリントストーン』の続編だ。前作は、さすがのボクにも壊滅的につまんない映画で、なぜ、続編? なんだけど、アメリカではウケたのかね?
続編、といっても今回は「エピソード 1」ちゅうことで、前作より時代はさかのぼって「恐竜家族」誕生のてんまつが明かされる、って、どうでもいいですね。
デブの土木作業員、フレッドが出会ったのは、家出してきた富豪の娘。恋に落ち、友人と「ロック・ベガス」でダブルデート。驚くべきは、この映画が描く原始共産制の時代は、賃労働がすでに存在し、貧富の差は厳然としてある、ということだ。科学的な歴史観を真っ向から否定しようとしているぞ。何を堅苦しいことをいっているのか? といぶかる向きもあろうが、アメリカ人は本気で信じちゃうのでは? と心配でなりません。
それはともかく、恋のライバルが現れて脳味噌がとろけるくだらないギャグを連発、あー気持ちいいって感じで物語は進行していく。
見どころは『アイズ・ワイド・シャット』でトム・クルーズに色目を使うホテルマンの役を演じ、『プランケット & マクレーン』では 18 世紀のゲイを演じたアラン・カミングが出演していることだろう。宇宙から人類の性行動を調査に来たエイリアンと、ミック・ジャグドなるイギリスのロック歌手の二役を演じている。って、他にたいした見どころがないんですが。
アラン・カミングは、ただ一人イギリス訛でしゃべるのだけど、その時だけ字幕が関西弁になるのが、もう最高! 脱力感満点! なのだが、ちょっと待てよ、関西弁の字幕ってなかなかいいじゃないか、と思いました。
ご存じかどうか知らないけれど、日本語というのは長らく首都であった京都を中心として変化を遂げ、周縁に伝播していったという説がある。すなわち京都弁、関西弁こそより進化し、洗練された日本語なのだ。例えばヴィデオでも標準語による「日本語版」ではなく、「関西弁版」というものがあっても良いのではないか? この映画のように、「イギリス英語」は関西弁で翻訳、「アメリカ英語」は標準語で翻訳する、というようなことがあってもいいんじゃないかなあ、などとやくたいもない考え事をしながら見るのに最適なので、強力にオススメする作品だ。
ラストに群舞がある映画ってのは、いいもんですね。
BABA Original: 2000-Sep-03;