五条霊戦記/GOJOE
浅野忠信、長瀬正敏の夢の共演、っても本当の主役は隆大介なんですけど、いわゆるところの、京の五条の橋の上、牛若丸と弁慶の、男のたたかい。っても映画では牛若丸ではなく「遮那王」と名乗ってまして、演じるは浅野忠信、弁慶は隆大介、では長瀬正敏は? 役柄的には、いてもいなくてもいい、うろうろしているだけの元・刀鍛冶です。なんかもったいないですね。監督は『高校大パニック』の石井聰亙。
遮那王、後の源義経は、源氏再興を夢見て、京のはずれ、「逢魔が森」に側近と身を潜め、日々ワザの研鑽にはげんでいます。日本赤軍が海外で軍事訓練を積み、やがて日本に攻め入って革命をなさんとする戦略を思わせますが、話は結局、遮那王と弁慶はお互い惹かれあいつつも闘わざるを得ない、ってな『ヒート』風ゲイ・テイストな展開になるので、なんだかよくわかりません。
失礼ですけどつまらないんです。肝心かなめのチャンバラシーンが退屈なんです。昨年から、時代劇映画がいくつか作られていますが、『雨あがる』『御法度』『どら平太』などなどの方が、アクション的には、まだおもしろかった。アクションのつまんなさ、という点では『梟の城』といい勝負です。
アクションシーンとなるとやたらと手持ちカメラ、早いカット割り、音響もズンドコドコドコ躍動感がみなぎるのですが、どうもいけません。やっぱり身体によるアクションは、動きの美しさを見せなければならず、カメラワークはむしろ静的でなければなりません。早いカット割りは、動きが「美」に達していないのをごまかすための方便で、この映画の場合、浅野忠信が二刀流でひゅんひゅんひゅんと刀を振り回す所作など、なかなかがんばっておられると思うのですけど、パッパカカットが割られているので、何が何だかよくわからないのですよ。
全編に退屈さがみなぎり、おまけに上映時間は 2 時間 17 分。なんでかなあ? ガマン強い人にオススメです。あ、ちなみにパンフレットは CD-ROM 付きで 1000 円もします。ええかげんにしさらせ。
BABA Original: 2000-Jan-15;
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