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Text by 小川顕太郎

数学

2006年02月22日

分かりやすく天才

 我々(?)は、よく安易に“天才”といふ言葉を使ふ。たとへば音楽などを聴いてゐて、「ああ! やつぱドレは天才だわ!」とか。しかし、この場合、“天才”の定義は曖昧である。せいぜい“凄く才能がある人”“能力の卓越してゐる人”ぐらゐの意味で使つてゐると思はれる。だからその“天才”といふ評価に対しても、色々と異論が出たりするだらう。えー、さうかなー、私そこまでドレいいと思はないしー、とか。ま、それは仕方がないのかもしれない。音楽や文学などは、なかなか客観的な尺度が持ちにくいジャンルだからだ。が、ここに、比較的、文句なく分かりやすく“天才”といふ言葉を使へる、いや、使つても差し支へないと思へるジャンルがあつて、それが数学なのだと思ふ。いや数学の世界でも、彼は天才ではなくせいぜい大秀才だ、とか、衆議が分かれる場合もあるだらうけど、音楽などよりも分かりやすいのではないか。

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2006年02月21日

数式の美しさ

 小説『博士の愛した数式』を読んだので、猛烈に数学の本が読みたくなつた。これぐらゐの効用は、この小説にはあるといふ事だ。で、私は部屋の隅に無造作に積まれてゐる数学本の中から一冊抜き出して、読むことにした。『数学の不思議』カルヴィン・C・クロースン(青土社)。5、6年前に買つた本かな。この機会を逃すと、また10年ぐらゐ積まれッぱなしになる怖れがあるからな。気分の乗つてゐるうちに、気合ひをいれてページを捲つた。

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2006年02月20日

小説『博士の愛した数式』

 小説『博士の愛した数式』小川洋子著を読む。いや、ま、なかなか面白かった。もの凄く面白い訳ではないが、ほんわかじんわりとくる感じ。映画を先に観てゐるので、それとの異同を較べるといふ楽しみもあるし。たとへば、映画版と違つて博士は実際の野球を観たことがない、つまり打率や防御率などの数字からのみ野球を楽しんでゐた、とか、オイラーの公式の使ひ方とか(小説の方が劇的で面白い)、9月11日といふ日付の運命的な扱ひとか。

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