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Text by 小川顕太郎
2006年06月19日(Mon)

テレビの威力
憂国

 ワリイシさん来店。京都国立近代美術館にて現在行はれてゐる「藤田嗣治展」がえらい混雑模様らしいですよ、と言へば、「あ、私もこのあいだ通りかかつたけど、並んでた」とのこと。何故そんな騒ぎになつてゐるのか、藤田なんて今までは(国内では)マニア受けの画家だつたぢやないか、と私が疑問を呈すれば、「だつて、テレビでズウッと特集やつてたし。NHKとか。生誕120年とかで。それでと違ふ?」といふ答へが返つてきた。なるほど、やはりテレビか。

 さういへば博物館で行はれてゐた「大絵巻展」、あれももの凄い人出で何時間待ち、とか聞いたので、行くのを断念したのだが、こちらも同じくテレビで特集をやつてゐたさうだ。ううむ、それにしても、テレビの力恐るべし。この国民文化破壊装置、人類家畜化計画の道具(by ヴィクター・ソーン)、緩やかな洗脳機械、脳内汚染の先兵、衆愚政治の基盤であるところのテレビジョン。この悪魔の機械の威力をまざまざと見せつけられ、我々は如何にして闘ふべきか? なんらかの抵抗方法があるのだらうか。

「とりあへず、雨の日の平日。あるいは特別に遅くやつてゐる金曜日の夜に行けばいいんと違ふ。テレビを見て詰めかけてゐるのは、中高年層なんだらうし」

 なるほど。さうしようッと。

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