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 Diary 2004・3月27日(SAT.)

叱る 2

 コータローくん来店。悩めるタカハシくんにアドバイスを授ける。タカハシくんの悩みは「叱る」ことに関係があるからだ。内容は以下。

 タカハシくんはまだ若いながらも、一応働いてゐる店では店長を除き、トップの位置にゐる。タカハシくんの下で働いてゐるのは、年齢的には同じかひとつ下の者である。もちろん、トップであるからには下の者を叱りつけなければならない場面がちょくちょくあるのだが、その時に叱ることそれ自体は別によいとして、その後に叱られた者が不貞腐れたりして、店の雰囲気が悪くなるのがイヤなのだといふ。なんと言つても朝から晩までひとつの店で働いてゐる訳だし、雰囲気が悪くなれば全員が長く苦しまねばならなくなる。だからと言つて、叱ることに対して腰がひけるのもどうかと思ふ。一体どうすれば良いのだらうか。

 これに対し、コータローくんはまづ、タカハシくんがこれまで先輩に叱られた時に不貞腐れたことがないかどうか尋ねた。もちろん、ある、と答へるタカハシくん。その時に先輩はどうしたか、と重ねてコータローくんが尋ねると、さらにその態度を叱られました、とタカハシくんは答へた。それなら、タカハシくんも、不貞腐れてゐる後輩を叱るべきだ。

「でも、これはボクが未熟だから悪いと思ふんですけど、その後に店の雰囲気が悪くなることに耐へられないんです。叱り方が悪いのかもしれないし…」

「いや、叱る時はしつかりと叱る。ま、叱り方の問題もあるけれど、それはおひおひ、試行錯誤してうまいやり方を身につけていくしかない。問題は、実は叱る時以外にあるんだ。それは、普段からそいつをよく褒めておくこと。必要以上に褒めるやうにしておくと、いざ叱つても、そんなに雰囲気は悪くならない。それに、そいつを褒めやうと思へば、イヤでもそいつの事をよく観察しなければならなくなるし、さうやつてよく相手に注目し、相手から何かを汲み出さうといふ態度が、関係を良好にするんだ。これが秘訣!」

 ううーん、勉強になるなァー。…と、思はず横で聞いてゐた私が感心してしまつた。

 コータローくんは明日は久しぶりに何もない休日なので、朝まで飲むさうだ。

小川顕太郎 Original: 2004-Mar-29;