Diary 2004・12月27日(Mon.)
手品DJ
カズ16来店。レコードケースをゴロゴロに載つけて持つて来てゐる。なんだ、どこかに行くのか?
「えェ、一寸メトロに呼ばれてゐるんですよ」
ふーん、手品で?
「ち、違ひますよ、DJですよ、DJ」
…あのなぁカズ。DJなんかやめて真剣に手品やれよ、手品。
「いやー、あァー」
DJより手品の方が絶対にいいッて。さうだ! DJをしながら手品をする、といふのはどうだ。レコードをかけたら、そこから水が噴き出るとか。で、レコードをもう一方のターンテーブルのに切り変へると、水も噴き出る場所がそちらに変はるんだ。かけるレコードによつて水の色が違ふとか、スクラッチをすると水の出方も不規則になるとかしても面白いな。
「それ、手品といふより水芸ぢやないですか」
ぢやあ、ロート製薬の曲をかけたら鳩が一斉に飛び出るとか。
「なんでロート製薬なんですか!」
お客さんが頭に思ひ浮かべた曲をかけるとか、レコードを1秒だけかけて何の曲か当ててもらふとか。ターンテーブルに布をかけてパッと取つたらターンテーブルが消えてゐる、でも音楽は続けて鳴つてゐて、実はいつのまにかカズ16がヒューマンビートボックスで音を出してゐた、とか。
「なんか、無茶苦茶ですねェ…」
いや、私はカズ16の単調でクソ面白くもないDJスタイルにエンターテインメント性を導入しようと、色々と頭を絞つてゐるんぢやないか。一寸は感謝しろよ。
「そ、それはどうも…。でも、なんでそんなこと考へてくれるんです?」
ん? それは…まァ、日記のネタのためかなァ。
「やはり!」
そんなもんだよ、人生ッて。
小川顕太郎 Original: 2004-Dec-29;