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 Diary 2004・12月25日(Sat.)

韓流

 POWERくん来店。「最近何が気に入らないかと言つて、韓流ブームですよ。あれは電通が仕掛けたもんでせう? そんなもんにみんな踊らされてゐるのが、なんかイヤで」と言ふ。

 まあね、ここで一気に日韓交流を深めてやれ! といふ政治的な仕掛けは感じるよね。でも、まァ、私はそれでもいいんぢやないか、と思ふんだ。日韓が仲良くするのは良いことだよ。アジア人同士が仲良くすることは、アメリカのグローバリズムに対抗する必須条件でもあるしね。

「それはボクも同感です。ただ…問題はヨン様ですよ」

 ああ、ヨン様。うーん、私は未だにちやんと見たことがないんだけど、どうなの?

「ハッキリ言つて、キモイです。が、なぜそこまで人気があるのか。この謎を解明すべく、最近BSで『冬のソナタ』をやつてゐるんですが、これを観ることにしたんです」

 なるほど。敵陣に乗り込んだ訳だ。で?

「するとですねェ、これが……イイんですよ、ヨン様」

 なに!

「なんか凄くいいやつで、友だちに欲しくなりました」

 そ、それは、ドラマの役柄ぢやないの?

「違ひます。ヨン様の立ち居振る舞ひ、喋り方や表情など、なかなかのもんです。一緒に自転車に乗りたいなァと思ひました。」

 …完全にのせられてゐるやん、POWERくんも。

「いや、違ふんです。実はボクの友人で、ヨン様のことをペ様と言つてゐる奴がゐるんです。それを聞いて、ボクはハタと膝を打つたんです。それまでのボクはヨン様のことを世間で流されるイメージにあてはめて一面的に見てゐたんぢやないか? もつとヨン様を多角的に見なければならない、と」

 うーん、自分自身を多角的に見直した方がいいんぢやない?

「何を言つてゐるんですか! ケンタロウさんは『冬のソナタ』を見たことがあるんですか!」

 もちろん、ない。

「そんな人に、ヨン様を語る資格はありません!!」

 …すみません。

 それでも、多分、『冬のソナタ』は見ないだらうなァ。

小川顕太郎 Original: 2004-Dec-27;