Diary 2004・12月24日(Fri.)
やはり浪費王
ベッチ来店。カウンター席に座つた途端、携帯電話を出してピコピコやり始める。そこにババさん来店。
「ベッチ、ソーシャルネットワーキングにハマッてゐるんだつて?」
「うん、もう大変。暇さへあれば、ほらこんな風にアクセスしてしまつて」
「ふーん、で、それ何してるの?」
「誰か来てないかなー、と思つてチェックしてるの」
「ふーん、それは大変やねー」
「もう休日なんか朝の8時から夜まで、ズーッとパソコンの前に座つてゐるし、我ながらヤバいかも」
「一日中! そんな長時間、何してゐるの?」
「へ? それは…誰か来てないかなー、と思つてチェックしてるの」
「なんだそれは!! 時間まで浪費してゐるのか!」
うーむ、さすがベッチ。浪費王の異名をとるだけのことはある。やはり、最終的に目指すのは、人生そのものの浪費だらう。ムダに生き、ムダに死ぬ。私もこのやうにムダな文章を書いて、時間と労力を浪費し、なんとかベッチに追いつかうと努力してみるものの、足下にも及ばない。これぞ、正にムダな努力だ。ところで、ムダをするためにムダな努力を重ねるのは、結局ムダなのかさうぢやないのか。半分眠りかけた頭で考へても答へが出る訳がないので、これはムダな思考である。いや、そもそも答へを出すことに興味がないので、ムダな問ひかけだ。かくして、ムダにムダを重ね、ムダを折り畳んでさらに重ねて束にし、ムダで縛つてムダに圧縮したものを丸めて刻んでパッパと振りかければこのやうな文章が出来る訳だが、やーい、ここまで読んでくれた人の時間をムダにしてやつたと密かにほくそ笑んでみるものの、そんな事は自分のためにもオパールのためにもならない訳で、ほんとやらない方がよかつたムダな努力であつた。ガクッ。
浪費王は本日も酩酊気味でした。
小川顕太郎 Original: 2004-Dec-26;