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 Diary 2003・9月28日(SUN.)

死体

 タカハシくんは自ら激しく認めてゐるやうに、非常な恐がりである。お化けや絶叫マシーンが怖いだけでなく、殺人の話や死体の話も怖がる。タカハシくんが「あ、無理、無理!」と意味不明のことを言つてあんまり怖がるので、我々は面白がつて様々な怖い話、主に殺人事件の話をしてゐたのだが、話だけでそんなに怖いのなら実際の死体なんて見られないよねー、と我々が言へば、なんとタカハシくんは今までに 2 回も飛び降り自殺による死体を見てゐることが判明した。

 一度は宮崎にゐる時で、アルバイト先の店でゴミを捨てに外に出たところ、いきなり自分の真後ろでドサッ!! といふ凄い音がしたので思はず振り向いたところ、男の人が仰向けで白目を剥いて倒れてゐたさうだ。

 2 度目は京都に来てからで、夜、仕事が終はつて家路を辿つてゐると、前方の道路に男の人が寝そべつてゐて、側で女の人が泣いてゐる様に遭遇したので、酔つぱらいかな? と何気なく近づくと、その男の人の足が信じられない、あり得ないほど変な曲がり方をしてゐて、身体の周りには大量の血が流れてゐたさうだ。もちろん、どちらの場合もタカハシくんはパニック状態でその場から逃げたのであつた。

 うーん、まだ二十歳なのにすでに 2 度も自殺死体を目撃するとは、タカハシくんはさういふ星のもとに生まれてゐるのかもしれません。

 ショウヘイくんに貰つたマイルス・デイビスのライブ DVD を観る。ジャズ・イン・ミュンヘンシリーズの 1 本で、1988 年に行はれたもの。ポップ・マイルスの時代のステージで、「パーフェクトウェイ」「ヒューマンネイチャー」「タイム・アフター・タイム」などを演奏してゐる。時代故、メンバーのファッションがバリバリのエイティーズでちと辛いが、マイルス本人はファッションも含めて異様に格好いい。大したもんだと感心する。最近は、何をしてゐるか分からない人々が何十人もステージ上にゐるライブばかり観てゐたので、このやうに 1 流のミュージシャンだけがステージ上にをり、激しく交感しながら即興を繰り広げるライブは久しぶりで、新鮮であつた。お客さんがみんな座つてゐるといふのも、また。

 昨日はユキエさんに頂いたお肉を食べたので、明日はハッサクさんに頂いたお酒でも飲まうかと、思ふ。

小川顕太郎 Original:2003-Sep-29;