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 Diary 2003・9月27日(SAT.)

『坊つちゃん』
再読

 タカハシくんに『坊つちやん』を読ませたのだが、「面白かつた」と口では言ふものの、ホントかどうか怪しいし、どうもよく話を理解してゐない節が窺へるので、私も再読してみることにした。私が『坊つちやん』を読んだのは、小学生の時。4 年生頃だつたかな? まァ、20 年以上前であるのは確かだ。その頃でも面白く読んだ記憶があるが、所詮こども、十分に理解してゐるはずがない。だからここらで再読するのもいいかもしれないと、タカハシくんに本を借りて再読したのであつた。

 とりあへず、爆笑。少なくとも、5 回は声を出して笑つてしまつた。メチャメチャ面白いぢやないか、やはり、これ。とにかく坊つちやんの啖呵と文句、悪口雑言が凄くいい。人の精神を自由に解き放つやうな、このやうな悪口といふのには久しぶりに逢つたやうな気がする。松山のことを、野蛮で不浄な田舎、と言つて、ボロカスに貶してゐるのもいい。今なら、問題になるんぢやないか、こんなの。思ふ存分に田舎と田舎者のことをバカにできるなんて(しかも国民文学といふお墨付きの上で)、爽快ぢやないか、なァ、タカハシくん。

「…でも、うらなり君は、延岡に行くんですよ」

 ああ、さうだね。赤シャツの陰謀によつて、うらなり君は僻地の延岡まで飛ばされるんだつたな。それを知つて、坊つちやんが怒り、クライマックスに至る訳だ。

「…ボク、延岡なんです。実家」

 へ? ああ、ホントだ。日向の延岡、と書いてある。「延岡といえば山の中も山の中も大変な山の中だ。(中略)名前を聞いてさえ、開けた所とは思えない。猿と人とが半々に住んでるような気がする。いかに聖人のうらなり君だって、好んで猿の相手になりたくもないだろうに〜」と書いてあるな。ははは、面白いね。

「…ひ、ひどい。ボクは猿と一緒には住んでません!」

 ははは。さうか、それでタカハシくんは、坊つちやんに何となく反感を持つてゐたんだな、ははは。難しいな、これは。

 それはともかく、私は「とうてい智慧比べで勝てる奴ではない。どうしても腕力でなくっちゃ駄目だ。なるほど世界に戦争は絶えないわけだ。個人でも、とどのつまりは腕力だ。」といふところに感銘を受けました。うーん、アクチュアル。

 本日はヴィヲロンにてシラサワさんの結婚パーティーがあつたやうで、その流れでババさんが先輩の「鉄の男」さんをオパールに連れてきてくれました。さらに JB まで。今、オパールに来ると、カウンターの上で JB が歌つて踊つてゐます。I FEEL GOOD!

小川顕太郎 Original:2003-Sep-29;