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 Diary 2003・10月17日(FRI.)

 

困つた時の

 困つた時のタカハシ頼み。書くことがないので、タカハシくんの事でも書くことにする。最近は本を、といふか小説を読むやうになつたタカハシくんだが、楽しんでゐるのかどうか、傍目にはイマイチ分かりかねる。オパールのカウンターで読んでゐる様子を見ると、いつも凄い顔でページを睨みながら読んでゐるからだ。そこで尋ねてみると、本人は「面白いです」と言ふ。ではどこが面白いのか、とさらに尋ねると「予想が常に裏切られるとこが面白い」と言ふのだ。なるほど。

 タカハシくんは、常に話の先を予想、といふか妄想しながら小説を読んでゐる。この先どうなるのかなァ、多分こうなるな、あいつはこうで、これはこうなる、など、よく自分の考へる妄想を語つてくれるのだ。私自身はあまりさういふ読み方をしないので、よく分からないのだが、本日、少し興味深いことを言つてゐた。タカハシくんは、小説を読み始める前は勿論テレビを毎日見てゐた訳だが、テレビドラマでは大抵タカハシくんの予想・妄想は当たるのだといふ。ドラマに限らず、他の番組でも大体自分の思つた通りの展開をするのだと言ふ。今まではその事を意識しなかつたらしいのだが、小説を読み始めて、あまりに自分の予想・妄想と違ふ展開をするので、その事が新鮮らしいのだ。うーむ、なるほど。

「テレビは百害あつて一利なし」といふ夏彦翁の言葉が浮かんできます。

 ちなみに今タカハシくんの読んでゐるのは『ジキル博士とハイド氏』。あと、タカハシくんは「アメカジ」の事を、「アメリカの事を囓つたファッション」と思つてゐたことが判明した。

 とまァ、こんなもんで。

小川顕太郎 Original:2003-Oct-19;